間話 とある使徒の暗躍
放課後、生徒会室で業務の打ち合わせを行う。 今は文化祭について計画を立てていた。
「⋯⋯以上で説明を終わります。 ⋯⋯なにか質問はありますか?」
この場のリーダーである生徒会長ーー倉石瑞稀は、アタイたちに問いかける。
「倉石会長、質問があります!」
「桐原さん。 質問をどうぞ」
「文化祭の行事についてですが⋯⋯これでは、あまりにも規模が、小さくないですか? 屋台も無し、体育館での個人発表も無しなんて⋯⋯これは、文化祭ではありませんよ?」
「桐原さん、文化祭は前回は中止になったんですよ? 復刻しただけでも、充分な事だと思いますが?」
「それは⋯⋯櫻井副会長はどう思いますか?」
「舞香様、私は別に興味がありません⋯⋯」
「そうですか⋯⋯吉澤書記はどうですか?」
「はわわ。 私如きが意見なんて⋯⋯」
「そっか⋯⋯みんな文化祭に興味がないんだ⋯⋯」
落ち込んだ、桐原舞香庶務が黙り込んでしまうーー
もう一人の黒田凛会計は、欠席だった。
きっと彼女がいたら、言い争いになっていたことだろう。
そう。 あえて、このタイミングで説明をしたのだ、この生徒会長は。
「⋯⋯では、反対意見がないのでこのまま⋯⋯」
「待ちなさいよ⋯⋯倉石瑞稀!」
突然ドアが開き、黒田凛が入って来た。 そして彼女は、倉石生徒会長に指を指してこう告げる。
「倉石瑞稀。 貴方は生徒会長をクビよ!」
「⋯⋯黒田会計」
「凛ちゃん、どう言うこと?」
「ふふ。 今日、上に駆け寄って、私を生徒会長にしてもらうようにお願いしたの。 みんな喜んで了承してくれたわね⋯⋯はい、これが証拠」
彼女は倉石瑞稀へ封筒を叩きつける。 それは、彼女の解雇通知だった。
「バイバイ、無能な生徒会長。 さて、これから会議を始めます」
「そんな! 凛ちゃん、無茶苦茶だよ!」
「桐原舞香。 貴方は黙ってなさい! ⋯⋯あれ? まだいたの? さっさと部外者は出ていってくれるかしら?」
放課後、校舎裏のベンチに倉石瑞稀は、佇んでいた。 その目には涙が滲んでいた。 己れの無力さを嘆いているのだろう。 ーー使える。
「はわわわ。 倉石生徒会!」
「⋯⋯吉澤さん。 私、生徒会長じゃないんだって⋯⋯分相応だったね私には」
本当だなぁ? 雑魚無能生徒会長さんヨー。
「あわわ。 そんなことないですよ。 生徒会長は、倉石さんが適任です! きっとなにかの間違いです。 ⋯⋯そこで、提案があるんですが⋯⋯」
「⋯⋯なるほど。 たしかに、文化祭という正式な場が適切なタイミングですね」
「あ、あの。 期待してますから⋯⋯」
「⋯⋯ありがとう。 吉澤さん⋯⋯」
はは、期待しているさ。 せいぜい当日までに気持ちを昂ぶらせておくんだなぁ?
ーーこのデク人形を、神子様復活の生贄にしてやる! その儀式のタイミングは、文化祭当日。 会場の凡人共が浮かれる時、我らが神子様が復活なされるのだ。 実に、光栄だろ?
「⋯⋯⋯⋯倉石瑞稀」
「こんな所にいたんだ! 櫻井さん、帰りますよ? ⋯⋯どうしたんですか?」
「⋯⋯かしこまりました。 舞香お嬢様」
「もう! お嬢様はいらないって」
「⋯⋯いえ。 これは私のこだわりですので、お気になさらず」




