未来への期待 ーー櫻井美羽視点
ショッピングモールから、家に帰った私。 初めてのJAPANモールデビューは波乱でしたわね。 しばらくは怖くて行けないですわーー
「ただいまですわ」
「おかえり美羽。 あれ、ことねは? 一緒じゃなかったのか?」
「実は、私の前の学校の生徒と遭遇して⋯⋯」
家に帰って来た私は、湊に今日あったことを伝えましたの。
「なんだって? ⋯⋯まだ間に合う! 早まるな、ことね!」
「あ! エプロン姿のまま出て行きましたわね⋯⋯」
湊は慌てて出て行きましたわーー
ああ、今は誰も居ませんわね。 私は、その場にへたり込みましてよ。 別に誰かが見ている訳ではないので、泣くのを許してくださいまし。
ーー怖かった。 未だに思い出しても、震えが止まりませんの。
私はあの三人に、色々なことをされましたの。 たった数日間でしたが、私にとっては地獄の日々でしたわ。
ーーでも、いつまでも震えてばかりじゃいられませんの! 私はこれから、頑張らないといけませんので。
私は、勇気をもらうために、瑞稀からプレゼントされた髪留めを見つめますわ。 ーー私の人生の光。 貴方は私に全てを与えてくれますのね。
ーー結局、衣装を買えませんでしたわね。 瑞稀と舞香が、せっかく服を選んでくれましたのに。 どうやら実際に試着して、どっちがいいか決める予定だったそうですわ。 でも、私のことを心配して、取り止めになりましたの。
二学期が間もなく終わりますわね。 その後、すぐに海外旅行ですわ! ですのでまた買いに行く時間はありませんの。 もう、衣装はこの際、学校の制服で構いませんわ。 それよりも、美味しいご飯を食べて、元気になりますわよ!
はあ、そんなことを考えていると、お腹が空いてしまいましたわよ。 ご飯にしますわ。
私は抜けた足腰を上げて、涙を袖で拭いますのーー
さあ! ご飯の準備ですわ!
「ただいま」
「⋯⋯⋯⋯ふん!」
「まあ! 二人ともやっと帰って来たのですわ!」
私は、ことねと湊に駆け寄りましたわ。 ですが、ことね様が私と目を合わせてくれません。
「ことね? どうかしたのかしら?」
「美羽。 ことねはな、侮辱行為を行った奴らを、お前の代わり制裁しようとしたんだ」
「⋯⋯制裁だけじゃ生温いわよ。 奴らには死よりも、恐ろしく辛い目に⋯⋯」
「ことね! 駄目だ! 俺は、そんなこと認めない! これは決定事項だ!」
「うるさいわね! 私の邪魔をして満足? 万が一、美羽がまた辛い目に遭うかもしれないのに⋯⋯」
「俺は『ことね』に誓ったんだ。 お前には絶対、そんなことさせない! ⋯⋯今回の件は、秀五郎さんと話し合うから待っていてくれ! 俺だってキレている。 だがこの件を解決するのは美羽本人だ」
「なんですって? また有害人間達を美羽を会わせるつもりなの?」
「そうだ。 でないと、先に進まないんだ⋯⋯」
「まったく! 話しにならないわね⋯⋯湊! アンタは⋯⋯」
「もう、やめてくださいまし!」
私のために、二人が喧嘩するなんて、間違っていますわよ!
「二人とも! おやめくださいまし! ⋯⋯ことね、私はもう大丈夫ですわ」
「美羽。 ごめんなさい⋯⋯私がもっと貴方の事を知っていたら⋯⋯」
ことねーー 私はこの問題を解決するための方法を答えた。
「私が馬鹿にされたのは、きっと知名度が低いからですわ! 今度の世界大食い大会、そこで優勝すれば⋯⋯知名度は、うなぎ登りでしてよ!」
ーーそう、有名になればいい。 それが、私の対抗手段でしてよ。
「私は、絶対に優勝しますわ! ⋯⋯そして、私を馬鹿にした者たちに、自慢してやりますのよ」
「⋯⋯美羽。 ⋯⋯そうね。 それが一番だね」
「ふう、落ち着いた。 一時はどうなるのかって思ったけどな。 さすが美羽!」
「⋯⋯湊、ごめんなさい。 私が早計だったわ⋯⋯」
「おう! ⋯⋯当然、奴らは絶対に許さない! 早急に答えを出す⋯⋯」
「湊! さすがね! かっこいいわよ、大好き!」
「⋯⋯俺もだ! ことね! 大大好きだ!」
あらら、また始まりましたわね。 ムウ、狡いですわ! 私も瑞稀とーー
そう言えば、瑞稀は今回の件で、考え込んでましたわね。 ことねの様子に対して、危機感を持ったようですわ。
理想学園の今度は、どうなるのかしら? 大波乱ですわね。 でもそれよりも大事なのはーー
「さあ! ご飯を食べますわよ! ことねは、いつまで制服ですの? 着替えてくださいまし! 晩御飯はカレーですわよ?」
「カレー? すぐにラフな服に着替えるから、待ってて!」
「ハア⋯⋯どうにかなったぜ。 ⋯⋯美羽大丈夫か?」
「ええ、大丈夫ですわよ! 私、頑張りますわね!」




