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またもや全裸温泉バトル勃発!

 ジゴク王宮別荘――。

 今日はジゴク王宮の別荘とも言える森の奥に泊まる事になった。

 この異世界の危険分子である勇者魔王と魔女が聖なるジゴク王宮で泊まるわけにはいかないからな。

 そして、俺と魔女はその温泉に入る事にした。

 ここの別荘の温泉なら王宮のように人もいなくて安心だろう。魔女は先に飯を食うと言ってるから俺は一人で温泉に入る。女がいると感情が落ち着かなくて困るから一人で温泉に入れていいぜ。テンゴクフェスティバルの前だからゆっくり心と身体を休めておかないとな。祭の本番で奴等が隠した核兵器アトミックフレイヤを必ず回収して完全封印してやるさ……。

脱衣所で全裸になりタオルを持って温泉へ向かう。その温泉は白い湯気に包まれた大自然を見渡せる神秘的な空間だった。


「……白い湯気で温泉全体は見えないが中々いいじゃないか。ジゴク王の別荘だけはあるな」


 三日月に淡く照らされる雄大な夜の大自然を見渡し、俺は心が安らぐ。たまには一人になって休まないとダメだな。男にはワケもなく一人になりたい時があるようだ。そしてお湯で身体とケツを流し、湯に入ろうとする。と、白い湯気越しに女の声が聞こえた。


「どちら様? ここはジゴク王の別荘の温泉よ? 部外者は出て行って頂戴」


「俺は勇者魔王オーマ。部外者はそっちの方だろ。俺はジゴク王の紹介でここに来たんだぞ?」


「勇者魔王オーマ!? 何で貴方がこの場所にいるのよ! また覗きに来たの!」


「そ、その声は赤髪魔剣士エミリ!? お前こそ何でここに……」


「ニャーン」


「その猫声……半魔女になる魔法少女メスパーもいるのか!? 敵の相棒二人がテンゴクフェスティバル前に身体を休めてるのか……。全く、お前等とは奇縁も奇縁だな。やってられん」


 サァアアア……と温泉の白い湯気が風によって晴れ、全裸の俺達は互いの顔を見合わせた。

 本当にジゴク王の別荘温泉には赤髪魔剣士エミリと漆黒のメスパーがいた。

 何でここにもいるんだ……どこまでザルなんだよこの国の警備は……。

 敵の殺気を感じない為に俺はゆっくりと温泉に浸かる。どうせここでコイツ等を拘束しても俺のアトミックフレイヤの在り処がわかるわけじゃない。下手な事をすればテンゴクフェスティバル前にアトミックフレイヤを使われて予定とは違う場所を消されても困る。そんなこんなで嫌な顔をされながら温泉で身体の疲れを癒し多少顔が赤く染まり色気が増すエミリに言われる。コッチも祭の本番前にお前になんぞ会いたくないわ!


「また覗き? ホントに童貞ね勇者魔王オーマは」


「だから童貞関係ねーし。覗きをする奴が全て童貞だったら完全に世界はおかしくなってるぞ?」


「おかしいのは貴方そのものじゃない勇者魔王。勇者と魔王の相反する力を持ってる時点で童貞なのよ。ホント童貞!妊娠するから近寄らないで!」


(ダメだコイツ……もうどうにもならねぇ…)


 とりあえず魔剣士エミリとの童貞トークを諦める。根本的に性的知識の間違った覚え方をしてるエミリを相手に会話をしててもムダだ。根本的に魔のつく女との会話は肉体でするしかない。魔のつく女というのはロクでもない女だからな。それは魔女が存在を持って証明している……。


「まぁ……のんびり湯に浸かってからテンゴクフェスティバルで勝負だ。核を持たないお前達を倒しても隠し場を話さないんじゃここで倒す意味ないからな。せいぜい自慢の愛剣が折れないように磨いておけ」


「言われなくても磨くさ勇者魔王オーマ。お前の現代という異界で得て広めた知識のおかげでこの血の魔剣・ブラッディーソードを更に進化させられたよ。柔らかい鉄と硬い鉄で仕上げ、刀身を反らせる。それで、ここまで切れ味が上がり、強度が増すとは思わなかった。それには感謝してるさ。ちゃーんと地獄を味わってもらうわよ」


「俺の現代での知識はテンパが広めた技術だ。それはテンパに感謝しろ。そしてメスパー。ファナティックバズーカで彼方の大陸に飛ばしたはずなんだけどな。何故ここにいる?」


「それは3サイズと同じく秘密ですニャーン。要はこの女の復讐という目的は面白い。それに今の私は魔女に近い存在のせいか、人の死は喜びでしてね。アトミックフレイヤを使えば数万は軽く死ぬ。そんな場所に立ち会えれば、私はより魔女に近い存在になれるはずです」


「ほう、それがこの女に協力する理由か。3サイズが秘密でも全裸を見てるから意味無いぞ? お前はよくわからんからやはり完全消滅させる必要がありそうだ。あぁ、メンドイ」


 そして湯の中に目から下まで浸からせるメスパーはすごく聞き取りづらい声で泡をブクブクさせながら言う。


「ニャーン。ここで私達は勇者魔王と争う気は無いですわ。互いにここは身体の疲れを癒して明日のテンゴクフェスティバルに備えましょう」


「そうだな。コッチもそのつもりだ。だが、せめて顔はお湯から出しとけよ。決戦前に溺れ死ぬぞ?」


「そうだニャーン」


 溺死寸前のメスパーは耳と鼻と口からお湯を噴出させ、死の淵から生還した。一体何なんだコイツは……?


「助けてくれたついでに勇者魔王からの質問を一つ受けましょう。何が聞きたいニャーン?」


「俺が聞きたい事か。それは赤髪魔剣士エミリ。お前にある」


「何よ? 一体私の何が知りたいの? メスパーを助けてくれたから仕方なくおしえてあげるわよ……バストは88ウエストは58ヒップは88よ。こ、これでいいわね? ちなみに妊娠行為は、させてあげないからね」


 何か恥ずかしそうな顔で言ってやがる……。

 だが俺は……俺が知りたい事は……。


「つーかそんな事は聞いてない。俺はお前の復讐する相手であるジゴク王について知りたい。あのジジイの過去の話をな」


「え? スリーサイズを知りたいんじゃないの? ちょっとメスパー! 昔、貴女にもらったこのパスメー作者のニャーンブックは全然勇者魔王には通じないわよ? 童貞なのに通じない!」


「それは勇者魔王は特殊な性癖を持った存在だからニャーン。普通の人間と同じにしてはいけない、いけない」


「そ、そうね……確かにそうね。あー、スリーサイズまで言って損した。このド変態性癖男が!」


「誰がド変態性癖男だ! 第一に、男が変態じゃないと人類は滅亡するだけだぞ! 子供が産まれなくなってな!」


 唖然とする赤髪魔剣士エミリは、また溺れ死にそうになってるメスパーを忘れて言う。


「さ、最悪ね貴方は! 堂々と私と子作りをしたいと宣言するなんて……させても一度キリしかさせねあげないからね! 場所は温泉の中じゃなくて、部屋にしてよね! それと優しくね! 血が出たら叩っ斬るわよ!」


「だから何でそうなる!? お前と子作りなんてしねーぞ? 強いて言うならしたいけど、俺は気持ちの通じ合った奴とじゃないと童貞卒業は出来ない。てなわけで、お前が知るジゴク王について聞かせろ。そしてメスパーを温泉から出して地面に寝かせておけ」


「……以外に優しいのね勇者魔王オーマ。ちょっとカッコイイじゃない。あ、貴方になら私の処女をあげてもいいわよ。あの……に、妊娠させないならね」


「ん? どうした? のぼせたメスパーはヤバイのか?」


「……な、何でもないわよ。しょうがないわね。今回はちゃんと聞かせてあげるわよ。ジゴク王の話をね」


 のぼせたメスパーを温泉から上げて地面に寝かせてクールダウンさせ、温泉に浸かる俺とエミリは話し出す。たまにメスパーがニャーン……という鳴き声がウザいが、俺はエミリとの会話に集中する。


「……で、お前のジゴク王への感情とジゴク王の過去について聞こうか」


「あのジゴク王は歴代の王と全く同じでテンゴク人に服従し、ただ偽りの平和を弄んでるだけ。変化する隣国の事を忘れるように自国の安定のみを願い生きてるだけの愚物。この大陸の未来を顧みない悪そのものよ」


「悪そのものか……ならジゴク王一人を暗殺すればいいだろ。他の国民まで巻き込むな」


「これからこの世界の中心になると各国に思われていた黄金都市ゴールドキングダムが崩壊し、もう隣国が変化している以上この変化無きジゴクシティーの人間は強制的にでも危機感を持たせて意識を改革しないと他国の植民地になるだけ。今のジゴク王一人を暗殺しても、次の王……そしてそれを支える民が強くならないとこの国に明日は無いわ。だから私は核兵器アトミックフレイヤを使うのよ」


「確かに俺が暴走する死の商人テンパを始末した事で大陸全土のパワーバランスは崩れた。いや、元々パワーバランス自体はくずれてはいたが他国を侵略するキッカケがなかっただけだ。それは大義名分とも言えるが、今回の件でそれが生まれてしまった。各々の国は裏で広大なラルク大陸を支配する為に力を蓄えて暗躍している可能性があるという疑心暗鬼からの、勧善懲悪。そして勧善懲悪を大義名分とするラルク大陸支配意識がな」


「そうね。それは影で金銭的に発展しつつ各国にジワジワと当たり前のように武器や食料から薬、衣服まで自国の生産物を売りさばき裏からゴールドキングダムの製品以外は扱えないようにしようとしていたテンパを倒した事でこうなった。その状況を上手く私が利用しようとしてる。天と地と両方の国に天誅を下す為にね」


「天誅大いに結構。だが今のジゴク王とて所詮は過去の歴史から辿る王の一人でしかないはずだ。過去のジゴク王と今のジゴク王との違いは何だ?」


「そうね。今の王が歴代のジゴク王と違うのはテンゴク人に無理にでも関わろうとしている所。歴代の王はあわよくば……という淡い期待だったようだけど今の王はかなり露骨にテンゴク人に関わろうとしてるからある意味奴等からは煙たがられているわ。それでテンゴクフェスティバルの開催も危ぶまれたけど、テンゴク人も年に一度は下界に降りて来ないと下界に自分達の意を示せず、テンゴクシティーも空気の入れ替えが出来ないからね」


「……」


 確かに天から下界に自分達の意を示すには時折下界に降りて姿を見せないとならない。それには大勢の人間が集まるテンゴクフェスティバルが相応しい。

 そして、テンゴク人も天の生活に飽きないようにリフレッシュも兼ねて地上を楽しむ一週間となる。その間に空気の入れ替えをするようにテンゴク人は自国で廃棄出来ないゴミなどを捨てていくようだ。そのゴミは袋に入れられ集められ、ジゴクシティーのゴミ管理者が火で燃やして処分するらしい。それは同胞のテンゴク人である事もある。

 果たして、この赤髪魔剣士エミリにとっての重大な悪はジゴクシティーとテンゴクシティーのどちらなんだろうな?


「お前等に話してもわからんだろうが核の熱・衝撃波は現代と同じようにある。放射線……だけは無いが恐ろしさは現代と変わらん。異世界に転生した時は俺も自分自身の勇者魔王としての力を持て余していた。だからこそ有り余る力を最強の兵器にしようと考えた。その結果がこれだ……それに封印を解除して発動させるなど……俺の魔力でしかできないはずなのに何故出来た? いい加減答えを教えろ」


「いいわよ。もうこっちも溜まってるからね」


 そしてエミリは長い赤髪をかき上げながら言う。そして地面で白目をむいて痙攣するメスパーを見つつ言う。


「このメスパーは幾度となく勇者魔王オーマと戦い、勇者魔王の魔力が身体に染込んでいた。それが宝玉の力の影響も有り自分の魔力に滲み出ていて核の封印解除と起動が出来た。ただそれだけの事よ」


「……聞けば案外単純な出来事だな。つまりはメスパーの執念がこの最悪の事態の引き金の一つって事か。だが、俺の第二オーマスーツ・ジギタリスで核は宇宙まで飛ばして爆発させる。」


「残念ながらお前のジギタリスの出番はもう無いよ。核は私達が使うんだからね」


 第二オーマスーツ・ジギタリス。

 武者の甲冑のような重装甲。

 顔も発射時にはクローズフェイスで赤いバイザーがかかる。見た目の重さ感ほどこの第二オーマスーツは重くない。何故なら、スラスターバーニアが肩に搭載されていて、通常のスーツ無しの時と同じスピードは出せる。流石にギガバーニアンのような超加速は不可能だが。俺はそのファナティックバズーカを使い、核を宇宙まで飛ばして消してやるんだ。


「どうやら……エミリもメスパーもここで散らすが吉のようだな」


「メスパーはまだ殺させない。そして、私も死ねないの。だからどいて頂戴。都市の一つや二つ消えても勇者魔王には関係無いでしょ?」


「俺の作った核兵器で二度も都市を消させるわけにはいかない。同じ事が二度三度起これば、それは意図的に出来る事として民衆に認識されるからな。勇者魔王の力を無駄に誇示するつもりは無い。故にどこかの都市を消滅させたいなら自分の力でやれ」


「……前にも言った通り、アトミックフレイヤの爆発は凄まじいが天にあるテンゴクシティーを完全崩壊させるのは不可能だ。双方の同時破壊は不可能。さて、お前はどちらの崩壊を望むんだ?」


「そんなのはテンゴクフェスティバルになってからのお楽しみよ。私の決断と覚悟で、この大陸の全ては変わるのよ」


「変わる? 消えるの間違いじゃないのか?」


「もう話し合いは終わりよ……何だかここで今、勇者魔王を始末したい気分だわ!」


「奇遇だな。俺もそういう気分だ!」


『――ああああっ!』


 俺達は一時の感情に任せて取っ組み合いになった!

 女のクセになんてパワーだ!

 俺の腕の筋肉が少し肥大し、エミリの水を弾く白く豊かな胸がブルンッ……と水面に映るように揺れる。こんな状況で互いが裸なんて知った事じゃねー! 心も身体も勃起しちまってる以上、この女はここで散らす!


「ここで溺れ死ねエミリ! 後でゆっくりと俺が隠してあるアトミックフレイヤを探しておいてやるさ……」


「私の肌にこうも強く触れて妊娠させるつもりね! そうはいかないわ!」


「手を握って妊娠なんてさせられるかアホ!」


「一分間肌と肌を触れさせ合ったら妊娠する可能性があるってニャーンブックに書いてあったわよ。勇者魔王の戯言に惑わされるこのエミリじゃないのよ」


「……一つ気になる事がある。その怪しげな本、ニャーンブックの作者は誰だ?」


「作者? パスメーって謎の女の作者よ。それがどうしたのよ?あまりこの世界にも出回って無い書籍だから手に入らないわよ。欲しくてもあげないわ」


「いらねーよんな本」


 そうだ。

 そんな間違った知識を与える本はいらん。

 つーか、パスメーってメスパーの事だろ?

 あの女が書いた書籍なら間違った知識なんて沢山あるだろ。だからこそ世の中に出回って無いんだよ。そんな書籍は売れる売れない以前に、存在しちゃいけないもんだからな。

 こういう風に純粋な奴が勘違いして痛い事になるのを防ぐ為にも異世界の人間も数多ある本の内容をチェックして破棄する事をちゃんとしてるんだろう。

 と、自分自身で答えを出して納得した瞬間――俺の世界が回った――。


「あれ?」


「迂闊ね勇者魔王オーマ。赤髪式格闘術・赤髪式柔(あかがみしきやわら)!」


 取っ組み合っていた腕ごとぐるんっ!と回転させられ反転した所に、回転式掌底とも言える一撃を下半身に叩き込まれ俺は湯に叩きつけられた! つーかチンコ痛てーーーっ!!!


(……なんて勇者魔王が叫べるか! まだ女に使った事のない大事な俺のチンコにあんな一撃をかますとは……HPゲージがもうゼロに近いぜ。マジ次くらったら死ぬな。流石は他国に名を轟かせる魔剣士だけはある。まさか勇者魔王の俺を投げ飛ばすとはやるじゃねーか。妊娠を恐れないエミリは怖いぜ……)


凄まじいダメージを受けつつも俺は思考してると、何故かエミリに追撃が無いのが気になる。


「何だ……何故追撃をして来な……い!?」


 何と!俺の偉大な勇魔金玉を見たエミリは失神しかけて湯の中に倒れてしまう!ラッキー!


「チンコを攻撃されてメッチャ痛いが、これは不幸中の幸いだ……。コイツはメスパーと違い、羞恥心があるんだな。性的知識は間違って覚えてる事が多いが、根は純粋だ」


「惜しいですねエミリ。頭に血が登らなければ勇者魔王オーマの金玉を奪えたのに」


「そうだな。頭に血が登らなければ……って何で俺の金玉を握ってるんだメス……メスパー!?」


「ニャーン?」


 危うくメスパーに勇魔金玉を奪われそうになるが、俺は必死に逃げた! ……危ねぇ、危ねぇ……後一秒遅かったら握り取られてたな。そして、状況は一時膠着するが赤髪の魔剣士がそれを破る。


「この童貞がぁぁぁ!妊娠させる気かぁぁぁっ!」


 湯の中から飛び出したエミリはびしょ濡れになる赤髪を背中に流して耳を抑えていた。水滴のきらめきで発光するような美しい肢体が、俺の全身を刺激する。


「お前……何で耳を隠してるんだ? 水が入ったなら抜けよ。そして胸と下半身を隠せ」


「ちょ! 人の身体を見ないでよこの童貞! 叩っ斬るわよ!」


 エミリは耳を隠すのをやめて、急いで豊かな胸と下半身の秘所を隠した。この女は性格はヤバイが見た目は最高だぜ。魔のつく女はみんなこうだから困る。うむ。と、俺はその赤髪魔剣士エミリに再度見とれていた。怒るエミリなど気にもならぬように。


「それと、貴方は何を抜くの!? 私をオカズにするつもり!? この童貞!」


「……」


「返事も出来ないの!? もう賢者タイム? こうなったらここで始末するしか――」


「そのエルフ耳……お前……一体……」


 俺は、エミリの尖ったエルフ族が持つ耳を見ていた。この耳は、この異世界ではジゴクシティーの真上にあるテンゴクシティーの人間のみが持つ耳だ。エルフ族の生き残りであるだろうテンゴク人の耳と同じ耳をしているという事は……。


(コイツ……まさか……)


 それに気付かれた事により冷静さを取り戻したエミリは、冷気のような殺気を漂わせながら俺を見据えた。全裸を隠していないが、美しい裸に興奮する余裕を一切与えない恐ろしい殺気だ。油断すれば一瞬で首を飛ばされる――。


「……勇者魔王オーマ。お前とはいずれ決着をつける。私がアトミックフレイヤで全ての復讐にケリをつけるまで生きてなさいよ」


 湯気が消えるような儚さで赤髪魔剣士エミリは消えた。

 そして、地面に寝ていたメスパーの奴もいつの間にか消えていた。けど、メスパーよりも俺はエミリの尖った耳が気になってしょうがなかった。だってあのエルフ耳は……。


「アイツ……まさかテンゴク人なのか……?」


 そのとてつも無い謎を解決出来ぬまま、俺はテンゴクフェスティバルを迎える事になる。

 そして、今更ながら全裸の魔女がぴゃー! と飛び跳ねながら、長い黒髪をポニーテールにして温泉に現れた。 そして俺の脇腹を指でつついて来る。チンコはつつくなよ?


「何か温泉が泡だってて凄い事になってるね! コウハイ君、何か変な事してた? してたの? ムフフ……若いですなぁ……」


「? あ、あぁ……まぁ、色々とな。若いからなぁ?ははは……」


 来るのがオセーよ……魔女。


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