ジゴク国王との出会い
俺と魔女が宿泊する宿屋の店主は、異世界の危険人物である勇者魔王と魔女がいるとジゴク王へ報告へ行ったようだが、あえて襲撃をされるのを覚悟でその宿屋で宿泊をした。この異世界の特異点である勇者魔王の存在を見つけるのが街人の仕事として国王から指示されてたんだろうというのは想像がつくからな。丁度いいぜ……と思ってると何も無いまま夜が明けた。あれ?
「……朝まで何も無かったな。あの店主は確実にジゴク王宮に密告しに言ったはずなんだが。まぁ、何もないならないでいい。にしても、相変わらず寝顔はスゲーカワイイ魔女だ」
プニプニと顔だけはいい魔女の頬をつつきつつも立ち上がり顔を洗って着替えてると、宿屋の店主から部屋のポストに封筒が入れられていた。
突如、俺はジゴク王宮に招待される事になったんだ。
今回、相棒である魔女は連れてきていない。
それは食い過ぎで腹を下してるとか、トイレにケツがはまって出られないとか、すでに眠くてまた寝てるとかでも無い。
魔女はジゴク国王宮へは入れないんだ。
この国の歴代の国王は魔を持つ者の不浄を嫌っているからだ。だから魔女は国王晩餐へは参加出来ない。俺も勇者魔王として魔王の力があるが、それは特に気にならないようだ。要は勇者魔王はグレイゾーンだからオッケーって事だろう。そんなわけで、俺はジゴク国王の侍女達に案内され国王宮を案内されジゴク国王と晩餐をする為の部屋に案内された。
(……ここが晩餐室か。特に怪しい仕掛けも無さそうだな。食事も魔眼で確認すれば毒が入ってるかどうかも確認出来る。このジゴク国王があのエミリと裏で繋がってない事を祈るだけだ。その場合は……ここで……)
と、思考してると侍女達が晩餐室の左右の扉を開けた。その室内はきらびやかなシャンデリアや高価な絵画などの美術品があり、全体的に地味な街並みに比べてここは金をかけているなというのが伺える。それに用意されている食事も色とりどりで豪勢だな。明らかにメニューの中で浮いてるドラゴンヘッドの丸焼きはちと、マズそうだが。
(そして……)
コイツがジゴク国王か。
ピカリと光るハゲ頭に小太りの体躯を隠すように大きめの白い法衣を着た、ずんぐりむっくりの男。簡単に言えば欲にくらんだ脂ぎった普通のジジイだな。赤髪魔剣士エミリが言うにはこの国の衰退はこのジジイが無意味にジゴクシティーの真上にあるテンゴクシティーのテンゴク人を神のように恐れ、価値のある人種だと認めているのが原因だ。いや、コイツを含めた歴代の国王とその民衆達もか……。
そして、作り顔の微笑をして会釈をした俺はその男に言う。
「俺は勇者魔王オーマ。ジゴク王国の国王晩餐にお招き感謝するジゴク国王」
「こちらこそ遠路はるばるこのジゴク王国に勇者と魔王の力を合わせ持つ世界の特異点である勇者魔王に出会えて嬉しいぞ。ささ、席にかけてくれたまえ」
侍女にイスを引いてもらい、俺はゆっくりとそのイスに座り少し遠くの正面に座るジゴク国王と向き合う。その侍女達はジゴク王の背後や俺の背後。そして入って来た扉の左右などに散り、そこで静止した。
(侍女は下がらないか。これだと王は一応の警戒心はあるようだな。それに俺との重要な話を聞かれても問題無いようだ。王の戦闘力は無いが、命令は絶対の支配体制……正にこの国を象徴してる関係か……)
「せっかくのご馳走が冷めては勇者魔王をもてなせない。食べながら互いの胸襟を開こうではないか。では、いただくとしようオーマ殿」
「あぁ。俺もいただくとしよう。肉が中心のメニューで嬉しいぜジゴク王」
「そうか、そうか。やはり勇者魔王も若者だから肉が好きか。我もすでに老人ではあるが若者に負けぬように精力を養う為にも肉を食しておる。王族とはいい世継ぎを見つける為に多くの子を残さないとならぬから大変なのだ。はははっ!」
「フッ……確かにそれはそうだな。どんな優秀な王の子供でもその能力は引き継がれる事は無いからな。子作りは自分の未来を生み出す行為。大いにやればいいさ。いい女がいたら紹介してくれよ?」
「はははっ! 我の子供と勇者魔王の子供が生まれれば我は一気に天をも支配する王になれそうだな。気に入った女がいたら言うがいい。我の寵愛を受けてない女ならばいくらでも勇者魔王の好きなようにしていいぞ?その若さなら女という酒に酔い潰れてしまう事もあるまい」
「という事は、ジゴク王は過去に女という酒に酔い潰れちまった事が結構あるって事か? いや、今もか?」
「はははっ! 気に入ったぞ勇者魔王。主は初対面の割には王である我に物怖じせずに言葉を紡ぐのぅ。面白い男じゃ。流石は勇者魔王」
そんな感じで俺とジゴク王は食事をしながら会話をする。しばらくたわいもない話をし続け、ジゴク王の顔が酒により赤くなり出したのを確認してから言葉で切り込んだ。
「ところでジゴク王。この大陸の赤き仕置人。赤髪魔剣士エミリを知ってるか?」
「……赤髪魔剣士エミリ」
ピタ……とジゴク王の持つフォークの手が止まる。周囲にいる侍女達の顔にも緊張の色が走り、晩餐室の刻が一瞬止まったような感覚を覚えた。
(……全員いい反応をしやがるな。やはり赤髪剣士エミリはこのジゴクシティーの癌のような存在なんだな。おそらく、ジゴクシティーが何かをして、普通の少女だったエミリを必殺仕置人とまで呼ばれる赤髪剣士エミリへと変貌させた。さて、その苦しい顔は全て話してスッキリしてもらうまで終わらせないぞジゴク王よ……)
俺はこれを好機と見て、喉の奥の渇きを癒すように一気に酒ではなく水を飲み干したジゴク王に言う。
「エミリは今、仲間の魔法少女メスパーと共にこの国を消そうと暗躍してるようだ。かつて俺がマジックウェポンとして生成した都市の一つを簡単に消滅させる事が出来る悪魔の兵器。アトミックフレイヤでな」
「アトミックフレイヤ……? それは一体どんな兵器なのだ? 都市の一つを簡単に消せる兵器など禁呪魔法でもそうそうあるものではないぞ……」
唖然とし、オロオロし出すジゴク王は動揺を隠せず周囲の侍女に助けを求めるが、その侍女はどうする事も出来ない。所詮はこの侍女達はジゴク王の召使いでしかないからな。命令というものを与えない限り基本的にただの人形でしかない。俺は核弾頭アトミックフレイヤついてある程度説明し、再度赤髪剣士エミリの事について聞いた。
「あの赤髪剣士エミリがこのジゴクシティーに恨みを持つという事は、過去に何かがあったって事だ。それを知ってれば教えてくれ。それだけじゃなく、エミリについて知ってる事の全てだ。少しでも何かを知れば、エミリに対して対策を立てられる」
「エミリは無垢な少女。だからこそ、思いつめた今の状態が恐ろしいのだ……あのエミリは……」
何やら思いつめたような顔になり、顔に脂汗を浮かべながらジゴク王は話し出した。どうやら、ジゴク王も赤髪剣士エミリについてそれなりに知ってるようだな。この晩餐に招かれて良かったぜ。
(招かれざる客だと自分で思ってたが、このジジイの反応の良さは演技じゃない。おそらく次にこのジジイが取る行動は……)
先の事を考えながら俺はジゴク王の赤髪剣士エミリに関して語る話を聞いた。
魔剣士エミリは元々はこのジゴクシティーの普通の民衆の一人で、十年前ぐらいのこのシティーの祭りであるテンゴクフェスティバルの最中に起こった少女失踪事件をキッカケにどこかへ消えたようだった。テンゴクフェスティバルは他国から人が多く流入するイベントだから、その混乱した状態でエミリは人身売買として連れ去られた少女達がいたようだ。その手引きをしたのが、ジゴクシティーの人間だと言われていたがその犯人はエミリの父とされ、エミリの父は母と共に処刑された。何故エミリの父が自分の娘を売ったのか? という疑問は解決しないまま父と母は処刑されたが、そんな謎よりも処刑を決断したジゴク王を殺したいだけの感情でエミリは動いているという話だった。
このジゴク大陸の色々な場所で仕置人として敵を殺害せず、腕や足だけを切り落とし戦闘不能にさせる手口に怯えつつ、このジゴク王はエミリを捕まえられずにここまでの日々を過ごして来たらしい。その精神的疲労で心拍数が安定せず、ゼイゼイ……と肩で息をするジゴク王は溜息をつくように言う。
「……勇者魔王オーマよ。頼みがある」
「何だ?」
「魔剣を使う赤髪魔剣士エミリを暗殺してくれないか?」
「やはりその話か。断る。エミリを始末するのは俺の役目じゃない。俺は俺の蒔いた悪の種を摘みたいだけだ」
「では……お主はこのままこのジゴクシティーが消えてもいいのか? 魔王であるが勇者でもあるのだろう? ならば……」
「ならばエミリを暗殺する理由にはならんよ。勇者であっても魔王であっても俺は俺さ。俺の生成した核弾頭アトミックフレイヤを勝手に使おうとするなら、敵として始末する事はあっても誰かからの依頼でエミリを暗殺や始末をする事は無い」
「……敵であれば始末するか。それでいい。このジゴクシティーに罪悪をもたらさないならそれで……」
エミリを本当は暗殺して欲しいジゴク王は俺の答えに難色を示してるが、俺は意見を変えるつもりは無い。誰かの意見でも、金でも無く俺は俺の意思と感情でしか動かない。
勇者だからってお人好しのように全ての人間を守らないし、魔王だからって民衆を力で支配する事も無い。俺の大義に反すれば全ての人間を消し去るし、人としての情がわけば全ての人間を助ける。俺は勇者魔王という役割じゃなく、一人の人間として自分の感情を優先する勇者魔王オーマ。歴代の勇者や魔王のように自分の役割にとらわれる存在じゃないのさ。
と、いう感情を理解しない、する事を出来ないジゴク王は侍女達に食後のデザートを運ばせて来る。
(……デザートはメロンか。俺は夏が嫌いだしメロンもスイカもさして好きじゃないんだよな。ミカンが食いたいぜ……)
仕方なく好きでもないメロンを食してちると、ここが好機と言わんばかりのジゴク王は俺にゴマスリをするように言う。
「のぅ勇者魔王オーマよ。このジゴク王宮に寝泊まりしてエミリを探す活動拠点としていいぞ。そして、赤髪魔剣士エミリを探し出しアトミックフレイヤを回収するのじゃ。お主なら出来る!欲しいなら女を寝床に伽に向かわせよう。主は若いから床上手な女がいいじゃろうて……この侍女の中から選んでもいいぞえ?」
「……考えておこう」
お前にゴマスリされても嬉しかねーよ……。
童貞としては確かに床上手な女は気になるが、このジジイのお手つきの女と性的な関係を持つわけにはいかん。確かに床上手は気になるがな……うむ。
「それに勇者魔王よ! この国には魔法銃・スペルガンの弾丸があるぞ! アレはお主が欲してたものであろう?」
「スペルガンの弾丸か……まぁ、それで手を打ってもいいぞ」
確かにスペルガンの弾丸は必要だ。
かつて死の商人テンパから魔法銃スペルガンをもらってから、俺自身のマジックウェポンスキルでハンドガンとして変化させる事も出来るようになった。剣も魔法もまだまだロクに使えない俺は大魔法を魔力無しで放てるスペルガンの弾丸は必要不可欠なモノだ。エミリに比べれば初期から成長していても剣技では劣るし、魔術師のように魔法を使おうとするなら現代兵器などを使う方が俺には向いてる。
「じゃあスペルガンの弾丸をもらっておこう。最低限この国で核は爆発させねぇ事を約束しよう。俺もムダな被害は出したくねぇからな」
すると、俺の背後で控えていた侍女の一人が言う。
「すでにスペルガンの弾丸はありませんよジゴク王? アレはテンゴクフェスティバル武道大会予選の客寄せの景品として使ったはずです」
『……!』
その言葉に俺は眉を潜め、ジゴク王は驚きで口の中のメロンをこぼしてしまう。汚いぞ……。口元を侍女に拭われるジゴク王は、
「ス、スペルガンの弾丸は武道大会の予選の景品として出してしまったのか!?なんて事だ……いや、まだ誰かの手に渡ってないなら回収は出来る。そうじゃ……勇者魔王よ……その予選に参加してスペルガンの弾丸を回収してくれ。主なら余裕じゃろう」
「まぁ、俺もスペルガンの弾丸は欲しいからな。とりあえずそのテンゴクフェスティバルを盛り上げる為の余興として勇者魔王が武道大会予選を盛り上げてやるか。圧倒的な強さでな!」
そんなこんなで俺はテンゴクフェスティバルで行われる武道大会予選に参加する事になった。エミリがいつ攻めてくるかわからない以上武道大会本選には参加しないが、スペルガンの弾丸は手持ちがゼロな以上手に入れておく必要はある。大魔法が使える能力があるが、才能がカラ回りして現代兵器を生み出すマジックウェポンしか使えない俺の唯一の大魔法攻撃が出来る手段だからな。
まぁ、参加選手が勇者魔王に恐怖して本選の参加者がいなくなろうがどうかは知った事じゃないから、全力で武道大会予選を戦い優勝してスペルガンの弾丸を貰い、そして本選は辞退する。
さて、明日は勇者魔王のチート具合をこのジゴクシティーの民衆に見せてやろう。というわけで、俺は魔女のいる宿屋へと戻る。
すると、宿屋の部屋の中の魔女は凄まじい殺気を放ち俺を威嚇していた。
「……」
(魔女……?何だその殺気は?コイツ……俺を殺す気か?)
凄まじい殺気で魔女は相変わらず俺を見つめていた。
まるで、敵同士であった時以上の殺気だ……俺、何かしたか?いや、身に覚えはないんだが……。と、考えてると、底光りのする目を怪しく輝かせる魔女は口を開く。
「……ねぇ、美味しいもの食べたんしょ!ジゴク王の所で美味しいもの食べたんでしょ!?センパイも食べたいよ!出してよ!今すぐ!出さないと殺すわよ!ねぇコウハイ君!ピャー!」
「ぐおおおおっ!ちょい待て!何てパワーだ……!し、死ぬ!」
「早く美味しいもの出したら死なないわよ……ねぇコウハイ君?早く出してよ?ねぇ!早く出してよ!」
「こ……この!話をする前にコッチがやられる……ぐううっ!」
凄まじいパワーで魔女は俺に熊が襲いかかるように組みついて来た!こりゃヤバいぞ!食の恨みは恐ろしいと言うが、こんなに殺気立ってる魔女をどうすればいいのか検討がつかん……せめて何かあればいいんだが……。その間、魔女のパワーに負けつつある俺の足が地面に沈む!
(このままだとマジでヤバいぞ?まさかこんなどーでもいいケンカで何でこの魔女はこんな力が出るんだよ!?こんなパワーがあるんなら普段から使えっつーの……!)
「ねぇ……コウハイ君?私もご馳走食べたいよ?ねぇ……コウハイ君!」
完全に魔女の顔は悪鬼になってやがる!
コイツはマジでヤベーぞ!
「くっ!落ち着け……ないだろうが、落ち着け!ご馳走はないけど他の物がある!」
「何!?何なの!?早く出さないと永遠に笑わせるわよ!昇天させてあげる!」
「……ジ、ジゴク王からのおみあげだ。お菓子だが我慢しとけ」
「!?お、お菓子!ピャー!」
天晴れ!と書かれた扇子を広げて魔女は踊り出した!これで何とか俺の危機は去ったようだ……あーマジでヤバかったぜ。ジゴク王からもらってたおみあげのおかげで助かった。
「ジゴク王からのおみあげのヒトツバシだ。白いモチモチの皮にアンコが入ってるお菓子だ。食え」
「言われなくとも食ってやるわよ!このセンパイを舐めないで頂戴!」
「あぁ……好きなだけ食え。数がある限りな」
阿修羅のような腕が何本もあるかのような手さばきで魔女はあれよあれよとおみあげのヒトツバシを自分の口に入れて、胃袋へと流し込む。ヒトツバシというアンコが入ったような和菓子みたいな感じのおみあげで魔女の歪んだ精神を安定させる事に成功した!
どうやらこのヒトツバシというのはこのジゴクシティーの名物の一つらしい。他の名物は生クリームとアンコが入ったジゴク饅頭のようだな。タバスコも入ってないのにどこがジゴクの要素があるのかはサッパリわからんが。
それよりも……。
「……少しは落ち着いたか魔女?なら話すぞ。ここの国王はだいぶ魔女を警戒してるな。やはり不老不死の魔女という生き物が歴代起こした罪悪というのは、どういう形でか伝わってしまうもんだな」
「ん……んんっ。そうだね。魔女という生き物は代々大きな事件を起こして、その欲望の凶悪な人間の運命に巻き込まれて消えて行く……だからこそ人々の目にはとてつもない悪だと映ってしまうのよ。魔の女だとね」
口の中が血にまみれてると言えばカッコいいが、残念ながらアンコまみれの魔女は真っ暗な口を開き微笑む。口の中がグロテスクだぞ……。そして、そのアンコを水で飲み干した魔女は、
「コウハイ君も、魔女の歴史を知りたくなった?知りたくなったの?」
「魔女の事は知りたいが、昔テンパが言ってたのを思い出すと魔女の歴史が書かれた過去の文献などを見つけて読もうとしても呪いが強いんだろう?暗号のような文を解読して読んでいると、いつの間にか自分が呪われ始めて死んでしまうと言う話だったが。どの世界も魔女という人物は怪しさ満点だからな」
「そうだね。正しい魔女の歴史の記録の文献なら読めば読むほど呪われるわ。だから魔女を知りすぎるのは良くないの。無理に知ろうとすると、テンパのように滅びる運命になってしまうのよ」
「魔のつく女は恐ろしいという事だな。よく脳髄に刻んでおこう」
すると、魔女はバタンキュー!と倒れた!
てか、自分でバタンキュー!て言ったな……。何なんだこの魔女という奴は……未だによくわからん所があるぜ。永遠に理解不能かも知れんな。ま、いいけどな。
「しっかりしろよ魔女。寝るならベッドの上で寝ろ」
「ふへぇ……寝かせてぇ……」
「ったく仕方ねーな。お姫様じゃないが、お姫様抱っこしてやる」
「わーい!お姫様抱っこ!魔女はお姫様!」
「黙れ。散れ」
と、言いつつも俺の抱いている魔女の美しい顔に見とれていた。やはり見た目だけは抜群にいいな……惚れそうだぜ。そして、魔女をベッドの上で寝かせた。すると、その魔女の手が俺の手をつかんだ。
「……おい。俺もベッドで寝るんだ。手を離せよ」
「二人で寝たい。寝たいの……」
スッ……と魔女は足を絡めて来た!
うっ……スベスベの気持ちいい足が俺の固い心をいとも簡単に壊しやがるぜ。流石は魔女。
そのまま俺と魔女は抱き合ったまま、一つの古びたベッドで寝た。
(これから開催されるテンゴクフェスティバルに天の上のテンゴク人。まずはジゴクシティーの民が神と崇めるテンゴク人を調べてやるか。ジゴク王の野郎はテンゴク人については語りもしなかったからな。ちゃんと情報は開示してくれないと、勇者魔王もキレちまうぜ。にしても……)
魔女め……やけにいい匂いがしやがるぜ。
と、思いつつ明日はこのジゴクシティーの真上にある厚い雲の先にあるテンゴクシティーのテンゴク人の調査に向かう事にした。魔女の胸の中で、俺は眠りについた。




