炎王龍
ナオミ一行はワイバーンの巣窟前で立ち止まっていた。
遠目からでもわかるその数は、数百はいるであろう。
「キーツ、もう大丈夫?」
ナオミがキーツの背中を摩っている。
キーツは無言のまま、親指を出して大丈夫だとサインを出した。
「じゃあ、一気に駆け抜けるよ!クランはボクの背中に隠れててね!」
ナオミを先頭に、アリス、キーツと続いた。
ワイバーンは3メートル程の大きさで、攻撃は足の爪か噛むぐらいだ。
「一角獣衝撃」
ナオミが衝撃波で前方から迫り来るワイバーンを吹き飛ばしていく。
「ワイバーンは、皮膚が硬いから、やっぱり弾は鉄ね!」
アリスが横から来るワイバーンを事前に銃で撃ち落としていっていた。
「それが銃か!?すげーな!?」
キーツは初めて銃を見て興奮していた。
しかし、数も多く囲まれてしまう。
「俺がやる。」
人間は神々の末裔、ごく僅かな人間は神の力を引き出す事が出来る者もいる。
ナオミの神聖力のような使い方とは違い、心の在り方で精神力をコントロールして、それがエネルギーに変換される。
人はそれを、神通力と呼んでいた。
どっくん•••どっくん。
「心が沸る!行くぞ!ワイバーン共!」
キーツの大剣が炎を纏う。
「赤大円斬」
炎の斬撃が囲んでいたワイバーンを焼き切っていく。
「うおぉぉぉ!!」
キーツが突き進み道を切り開いていった。
剣に炎を纏ったその姿と、熱い心を持ったキーツだからこそ、情熱の騎士と言われるが由縁だった。
その勢いのまま、巣窟をあと少しで抜けれる所で、大きな影が3人の前に現れた。
しかし周りには、巨大な魔物はいない。
3人は空を見上げる。
声を失った。
「・・・な、なにあれ?」
アリスが怯えながら指を向けた。
そこには、両翼を広げて上空に佇むドラゴンの姿があった。
一回の羽ばたきで、突風が起きる。
3人とワイバーンは吹き飛ばされた。
高さは50メートルはあるであろうその巨大は、そのまま着地した。
地響きが鳴り、その一帯は揺れた。
「ド、ド、ドラゴン!」
キーツの神通力も消え、剣から炎はなくなっている。
「このドラゴンって炎王龍!?」
ナオミが剣を構えながら言った。
「ナオミそれ本当か?本当ならこの国の象徴!伝説じゃないか!?」
「どうすればいいの!?」
アリスも銃を構えた。
ドラゴンの巨大な口がワイバーンを捕食していく。
その影に覆われた3人は動く事が出来なかった。
捕食が終わり、ドラゴンは3人を見下ろした。
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