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アテナティア  作者: 電源優寿


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10/11

母の顔

炎王龍が空に向かって咆哮した。

その咆哮は、空を切り裂く程凄まじかった。

「アテナノコ。オアイデキテコウエイデス。」

膝を着きゆっくりと頭を地面に下ろした。


「ドラゴンは幻獣だから、まさか!炎王龍は神々の時代から生きてるってこと?」

アリスが驚いて、メモを取り出した。


「ボクの事を知ってるの?」


「イイエ。ワレハ、アテナニソダテラレシモノ。ワレトアテナノキオクヲオミセシマス。」

炎王龍からナオミに記憶が流れ込んできた。


二千年以上も前の記憶だ、見えている映像は全然鮮明ではない。ぼんやりと見える、幼き炎王龍と母アテナの姿。

美しく、優しい微笑みにナオミは不思議と涙が溢れてきた。

「お母さんだ。優しい顔をしてる。」

ナオミは母の顔を知らなかった。古文書や聖書にはその姿が描かれているが、それは想像上で描かれたものでしかなかった。


「炎王龍(レイドラゴンデラリアマ)って、喋れるんだな!いいドラゴンだったのか!?」

キーツが場の空気を壊した。


「ちょっとキーツ!せっかくナオミが初めてお母さんの顔が見れたのに!・・・そ、それでどんな顔だったの?肖像画描き直すよ!これは、間違いなく歴史的瞬間!」

情報機関としてアリスは仕事の目になっていた。


「アリスお前もじゃないか!」


「ガガガガッ!オモシロイニンゲン!ワレヲマエニオクサナイカ!」


ナオミがそっと炎王龍の顔に手を当てた。

「ありがとう。」


「コウエイデス。オオキクナリスギタワレハ、ニンゲンニトッテハサイガイソノモノ。マチニオリルコトナドデキマセンデシタ。イツカアエルコノトキヲマッテイマシタ。」

炎王龍の目からは涙が溢れた。


「ワレモトモニイキタイノデスガ、ソレハカナイマセン。ワレノココロヲトモニ。」

炎王龍からナオミに炎に包まれた魂が入って行った。

ナオミの神聖力に、新たに炎王龍の力が加わった。


「ソレデハ、ワレラハセカイノキンコウヲタモチマス。」

炎王龍は空高く舞い上がり、すぐに見えなくなってしまった。


「炎王龍は我らって言ったよね!?じゃあやっぱり、各国の象徴である幻獣王達は存在するって事!?」

アリスは目を輝かせた。


「ちょっと聞いてくれ、ナオミが炎の力を手に入れたなら、俺の精神力ってショボく見えるんじゃないか、ねぇ。」

2人は全く聞いてなかった。


「よし!じゃあ早く行こう!追いつくぞ!」

ナオミは一層元気になった。

都市マドリまであと少し。

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DEATH PARADEも宜しくお願いします。

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