16年前
ナオミは、支度が全然出来ていなかった為、また教会に戻った。
「手を焼くかもしれんが、あの子をお願いします。」
キーツは困惑した様子で神父に聞いた。
「そもそも、なぜ神の子アテナティアがこの土地で誕生したのでしょうか?」
「それは、わしにもわかりません。16年前のあの日、空が
輝いた。」
ー16年前ー
空で1番光っている星がアテナの目。
その星は瞳の形をしている。たまに目が動いてる。
真実は分からないが、昔からそう言われていた。
だか、ある日の夜。
突然アテナの目からは、世界の夜を光で包むほど輝いた。
その輝きはまるで、涙の様な形をしてこの地に零れてきた。輝きが消えたと同時に、アテナの目も消えてしまった。この光は、世界の人間が殆ど見たと言う。
そして、ここセントライト教会にアテナの涙は零れた。
眩しい輝きが消えると、そこには赤ん坊がいた。
神父は神の導きと信じて、その子を育てる事にした。
これが、『女神の涙』
ー現在ー
「まぁ、わしも最初は女の子と思ってて、その日にナオミと名付けた。布羽織っとったし。そして、この教会の名前も合わせたんじゃ。聖書によると、最初の神セントライト。運命も感じたのう。」
ナオミが支度を終えて戻ってきた。
先程のワンピースの上にジャケットを羽織り、首元から羽が生えている!?
「羽なんか生えてたっけ?」
キーツがナオミの後ろにまわった。
「羽じゃないよ、剣だよ。」
ナオミの剣は両刃で刀身が長く、鍔の部分には羽が装飾されていたが、装飾というよりかは、剣から小さな羽が生えてるように見えた。え!?動いた!?
更にナオミの足元には、これまた見た事がない珍獣がいた。
「何この珍獣は?」
キーツが指を差して聞いた。
「クランは聖獣だよ!」
聖獣はかつて、神に仕えし神聖な動物。
だが、このクランは子ライオンの様な顔に、顔から生えた4本の短い足と尻尾。クランにも羽が生えていた。
「じゃあ!行ってきまーす!!」
ナオミは門の方まで急足で歩いて行った。
「で、では!預からせて頂きます!護衛は任せて下さい!」
キーツは神父に頭を下げた。
「キーツ君。ナオミは強いから護衛しなくても大丈夫だよ!」
神父は苦笑いをしながら答えた。
顔もそうだが、体の線も女子のように細く強いとはどういう事なのか?キーツは体を鍛えて騎士団団長を任される程に強いが、ナオミの強さとは何かわからなかった。
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