表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルーシッド・エデン ―ライバー冒険者の面接に全落ちした私は、実績作りのためにダンジョンを攻略する―  作者: 野干かん
烏銀に映るもの

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/106

18話 閂区画 1

 私たちが廃城塞の探索に戻ると、少しばかり不思議な状況に、三人で首を傾げる。


「スケルトンって一回倒すと、もう出てこないんですかね?」

「いや、そんなことはないはずだが…」

「…どう見ても再出現はしていませんね」


 小屋周辺の索敵を行ってみたところ、スケルトンの影形はなく、ただ廃屋の立ち並ぶばかりの場所となっていた。


「帰り際に遭遇するのが裏目になりますし、あまり遠くに行きすぎないよう、マッピングとルートの模索をしましょうか」

「私も、それがいいと思います」


 アザレアさんの提案に賛同すれば、ノクサラさんも頷き、地図作成を開始する。


 地図製作でわかったことは、この廃城塞エリアは壁によってわかたれたいくつもの区画で構築されているらしい。

 故郷の城で例えるなら、二の丸三の丸といったところだろうか。


 小屋から出てすぐの区画を第一区画とし、内部の探索を行った結果、スケルトンの類はおろか、モンスターの姿すら確認することができなかった。

 私は足の速さを活かして移動し、別の区画を覗きに行くのだが、大扉によって閉ざされている。

 開けてしまいたい気持ちはあるが、勝手な行動でお二人に迷惑はかけられない。準備を整えてから開け放つとしよう。


―――


 お二人と合流すると、別方面にも大扉があったらしい。

 私の進んだ道順をアザレアさんに教えると、地図が制作されていき、左右に進路がわかれているようだ。


「これ…特殊エリアでしょうかねぇ?」

「かもなぁ。あのスケルトンの大群を見りゃ大体のやつは引き返すし、判明していないってのも納得だが」

「特殊エリアというのは?」

「一定の法則があるってわけでもないんだが、ちっとばっかし様子が異なる場所だってことだ」

「じゃあ状況を整理してから進みましょうか」


 私が提案すると、お二人は頷いてくれた。


「今現在の状態を鑑みるに、スケルトンが出現しにくい状態になっている。これが遅いだけなのか、条件を満たさないと再出現しないのかはわからない」

「前者の場合だと……再出現までの期間内に突破する必要があるって感じですか?」

「そうなります。幸いなことに、相手の数が今と同じくらいであれば、わたしたちの戦力でも半日で一つの区画は進めると思います」

「ちょっと頑張れば一日に三つ進めますかね?」

「移動時間的に、出入り口の小屋周辺だけだろうな」

「それもそうですね。…じゃあ一旦、再出現が遅い状態だとしまして、どこを目指しましょうか?」


 このエリアは、右側面の小屋を利用して発見されているらしい。

 なら右に進めば、同じ第四円の別エリアとなり、直進した場合は第五円のエリアとなる。


「とりあえずド真ん中を目指して進み、そっから考えるとするか。周囲のエリア状況とか確認してさ」

「わかりましたっ。それじゃあ私は、ちょっと高いところから廃城塞エリアを見回してみます。左右のどっちに進むかの指標も欲しいですし」

「おう」

「廃屋は崩れる可能性もありますし、お気をつけてくださいね」

「はーい」


 私は廃屋の段差に蹄を乗せて進んでいき、高所から他の区画を見渡そうと試みる。


 区画を覆う壁の高さは五バシス(5メートル)ほどだが、登れるような階段やはしごはなく、飛び移るのも危険だろう。

 そもそも、傾斜のある斜面なので安定して歩くのは難しいと思われる。


 廃屋の上を移動していき、崩れた物見台のような背の高い建物に立つと、この廃城塞エリアの一部が見渡すことができた。

 基本的には、この区画と同じように壁で囲われ、廃屋が立ち並ぶだけの区画なのだが、遠く離れた遠方に本丸のような、大きなお城の残骸がある。

 ただ、その城は上半分が消え去ってしまったかのような状態で、廃屋というよりも『建物だった何か』と言ったほうが正しいかもしれない。

 それでも、ボス級のようなモンスターがいると考えれば、自然と胸が高鳴る。


 おおよその方角を記憶した私は、不安定な足場に気をつけながら、お二人の許へと戻っていった。


―――


「―――以上が、私の見てきた景色です」

「なるほど。城みたいな何かがあると」

「はい。お城かどうかはわかりませんが…大きな建物って、だいたいお城じゃないですか」

「そう、なのか?」

「あくまで私の印象ですから。ノクサラさんも登ってみます?」

「えー、いや…いいや」


 私の知っている、明蝉国めいぜんのくにの城とは見た目が異なっていたが、大きな建物は重要なものだろうし、それらは大概お城な気がする。


「ボス級がいるかどうかはわからないが、そういった場所には何かしらがある。行ってみる価値はあるだろうな」

「ですよねっ!」

「それでは方角的に…右側の大扉を開けてみましょうか」

「はーい!」


―――


「んじゃ開けるぞ」

「はい。…相手がスケルトン・ウォリアーであれば、私が首を打ち抜きますので、ノクサラさんが追撃を。アザレアさんは相手の進路を調整してください」

「おう」

「はい」

「別の相手であれば、有効な攻略方法を探りましょう」


 ノクサラさんが押し開くと、次の区画にはまたスケルトン・ウォリアーが多くいる。

 アーチャーやヘクサーといった個体は見受けられず、私たちは安定した立ち回りで、第一波の対処することができた。

誤字脱字がありましたらご報告いただけると助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ