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最後の戦い~想起


「『闇刃ダークブレード』 『闇牙ダークファング』 『闇雨ダークニードル』」


立て続けにデネブが魔法を唱える。



カペラ達に向かって地面を闇の刃が走り、足元からとげが出現して、上空から黒い針が降り注ぐ!!


走り回ってそれを躱しつつ、カペラがナイフを投擲する!


少しでも魔法詠唱を邪魔出来れば……だったが、デネブは手に持つナイフでそれを弾きつつ、


「『血宴ブラッドバンケット』 『影喰シャドウイーター』 『闇斬ダークスラッシュ』」


カペラの足元に黒い煙が湧きだし、ベガの足元には黒い沼みたいのが現れる!


二人してジャンプしそれを躱すと、そこへ黒い鎌状の刃が飛んで来る!



カペラとベガは逃げ惑い防戦一方となっていた。


「フフッ……そんなんでよく私を倒すと言ったものね」


余裕の笑みを浮かべるデネブを両方から挟み撃ちにする!


「でぇい!」

「やぁ!」


カペラが両手斧で胴体を薙ぎ、ベガが低い姿勢で足元を蹴り払う!


躱しようのない攻撃をデネブは手を差し出すと、

「『吸収アブソリュート』」


黒い壁が現れカペラの斧がそのまま素通りする!

同時ジャンプしてベガの蹴りは躱される!


「!?」

黒い壁に連続して斧を叩きつけようとするが……すべて素通りする。



ベガの方は、低い姿勢からの蹴りを躱されると、そのまま下から上に蹴り上げた!!


チッ!


デネブの服を足先が掠める!


そのまま体勢を整えつつクローで薙ぐ!



その時にはデネブが距離を取り、

「『闇斬ダークスラッシュ』」


「おわぁ!」


至近距離からの魔法にブリッジの様に上体をのけぞり躱した!!


お腹のすぐ上を黒い刃が通り過ぎていく!!



そのまま後ろに跳び退り距離をとった。


反対側ではカペラも同様に距離を取っている。



「なぁに? 二人してそんなものなの?」


「はぁ……はぁ……」

「ハッハッハッ……」


息を荒くしデネブに答えられない……二人して息を整える。


「そろそろい~い? 行くわよ?」

デネブは完全に二人を弄んでいる。


カペラとベガが視線を合わせる。

(行くよ?)

(おっけー)



「『闇刃ダークブレード』『闇牙ダークファング』」

カペラに黒い刃が迫り、ベガの足元から黒いとげが飛び出す!!


二人そろってそれを躱しつつデネブに走り寄る!!


「へぇ」

デネブがナイフを構える!


そして……二人そろってデネブの直前で横に回り込む!


それぞれ時計回りにずれると、そこから斧とクローが襲い掛かる!


「フッ!」

デネブは上体を逸らして斧を躱しつつクローを短剣で受け止める!!


しかし、ベガはそこから素早く一回転して回し蹴りを叩きこんだ!!


上体をずらしていた為体勢が悪い……そのまま腹に蹴りをもらいつつ後ろに跳び退る!!



(後ろに跳んだ事で……衝撃を抑えたけど……)

デネブが腹を抑える……それなりに綺麗に入ってしまった。


「!?」


そこへカペラの斧が追いすがる様に飛んできた!!


(投げた!)

「クッ!!」


刃の部分は躱したが持ち手の部分がデネブの腰を強打する!!


強打されつつも後方に下がり、

「『闇牙ダークファング』」



カペラとベガが飛び退る……が、どちらも片足をとげに貫かれた!!


「がぁ!」

「っくぅ」


二人して足を押さえしゃがみ込む!




それを見てデネブが唇を吊り上げた。


「もう躱すことも出来ないでしょう? よく頑張ったわ。 それじゃあ……さようなら」


デネブが止めとばかりに手を二人に向けると、


「『闇刃ダークブレード』」

黒い刃が地面を走り二人に襲い掛かる!!


必死に転がって避けるが……黒い刃が次々襲い掛かった!!


デネブが連続して魔法を唱えている為途切れることなく刃が襲ってくる。




「ッ! このぉ!!」

カペラがナイフを数本投げつける!!


しかし投げる為に止まった一瞬の隙に左腕を斬り飛ばされる!


が、デネブの方も飛んできたナイフに詠唱を止めてしまう。



しかし、飛んできたナイフを全て躱し、再度魔法を詠唱しようとした……瞬間!


「!?」

デネブの眼前にベガが迫る!! 飛んで来るように迫っていた!


「なっ!」

ナイフを躱すのに気を取られ気付くのが遅れる!



ザシュ!!



デネブとすれ違いざま、ベガのクローがデネブの首を切り裂いた!!



そのままベガはもんどりうって地面に倒れる。

その足からは未だ血が大量に流れている。



「そ、その足でどうして? こんな……動けるなんて……」


「へっヘヘっ……私は一人じゃないからね……つぅ」

痛かったのか顔をしかめるベガ。


デネブは首を押さえたままカペラの方を振り返る……左腕は切断されて転がっているが右腕がナイフを投げた時と逆の方に振りぬかれている。


「ナ……ナイフを投げた後……ベガも……投げたのね……」

デネブが両ひざを地面につける。


「ナ、ナイフを躱して油断したな? ……あたいは元々、ベガを投げる予定だったんだ……」

倒れているカペラがデネブに告げる。



「ま、全く……斧と言い、ナイフと言い、ベガと言い……なんでも投げれば……良いってものじゃ……」


デネブが言葉をきると……そのまま倒れる。




「か、カペラ……大丈夫?」

ベガが這うようにしてカペラに近付く。


「流石に……厳しい……わ」

かなり顔色が悪い。


「待って、今止血を……」

ベガがカペラを止血していると、



「フフッ……」

デネブが不意に笑い出す。


そして、

「よ、良かったわ……貴方達にやられるな……ら」


「デネブ……」


魔人達(わたしたち)四種族(あなたたち)を食べる。 だから決して共存……出来ない」

デネブは深く息をつくと、


「なのに……一緒にいた頃は……不思議とたのし…ったわ」

声が小さくなって行く。


「私もあなた……と、おなじ、……なら」

デネブの声が途切れて……呼吸が止まる。



「……」

止血をしていくベガ。


目を閉じて動かないカペラ。


二人の脳裏には『紅の三日月』の時に笑い合っていたデネブの笑顔が浮かんでいた……。


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