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最後の戦い~色欲


アケルナルのいる部屋から階段を上がって上の階を目指すキープ達。


アレスとカペラを先頭に、ナシュ、ベガと続き、ミーシャ、マタル、最後にキープと続いている。



階段を上ると……そこもベイドやアケルナルがいたような部屋になっていた。


そしてそこには最後の軍団長が腕を組んで待っていた。




長い紫の髪はふんわりとウェーブが掛かっている。

高身長でスラリとした体形、それでいて胸は大きく男性なら必ず目が行ってしまうであろう。

そして顔も美人に該当するほど整っており、実際今までに熱を上げた男性は数えきれない。


そして……今はキープの魔力を執拗に付け狙っている。


『色欲の魔人 デネブ』であった。



「デネブさん……」

「キープ……」


キープとデネブの視線が交錯する。


デネブはキープを見つめたまま……目を細める。


「貴方が……こんなところに来ると知っていれば、魔力だの言わずにすぐに殺していたのに……」

「デネブさん……」


それは今までで一番冷ややかな瞳だった。


「ふざけるな! 今まで散々キープの想いを踏みにじって!!」

カペラが声を荒げる。


「そうだよ! 私達の事も……殺し合わせようとしたでしょ!」

ベガも声を上げた。


しかしデネブはそんな二人に視線も移さず、キープを見つめたままだ。


そしてチラリとキープの後ろにいるミーシャを見る。


「?」

ミーシャは警戒しつつも何だろうという風だ。


「……なるほど、それがあの時言っていた妹さんね。 呪いからは解放できたのね」

「……はい」

デネブにも最初のパーティの時に説明していた、旅の目的を。



「そう……助けられて折角のところ悪いけど……」


デネブがキープ達に向かっていくつもナイフを投げつけた!!


アレスやナシュ、カペラがそれを弾くが……数が多い!


何本かすり抜けてキープやミーシャに傷を付ける。


「大丈夫か、ミーシャ?」


「ええ、幸い当たらなかったわ……スカートが破れたけど……」


「え? スカートが?」

嫌な予感がして見ようとしたキープより早く、デネブが地面に球を投げつける!!


「あ、嫌! あれは……」


玉から出た黒い煙が……ミーシャの体に吸い込まれていく!!


「これは……フェンリルや先代龍の時の! 『魔の力』!」


煙がどんどんミーシャの体に吸い込まれていく!


「そんな『聖域サンクチュアリ』は!?」


見ると先程のナイフでクリスタルが壊されていた!


聖域サンクチュアリ』を掛け直す前に、ミーシャの体に全ての煙が吸い込まれてしまう……。




「み、ミーシャ!」


ミーシャが体を抱きかかえて呻き始めた……。


「うぅぅ、うわぁぁ、いやぁぁぁぁぁぁ!!」


体を押さえ苦しむ様に悶えると全速力で走り出した!!


「ミーシャ!!」


ミーシャは部屋の奥にある階段を上っていく!


「待って! ミーシャ!!」

キープも続いてミーシャを追いかけようとするが……。




「駄目よ! 貴方は行かせない!」

デネブがそれを遮った。


「退いて! デネブさん!!」


「……悪いけど、そうはいかないの」

一瞬寂し気な顔をしたデネブだったが、次の瞬間にはまた冷ややかな眼差しをキープに向けている。



「だぁぁぁ!!」

「はぁ!!」


カペラの斧と、ベガの蹴りが同時にデネブを襲う!!


軽く下がってそれを躱すデネブ。


「キープ! デネブはあたいらが相手をする!」

「うん、だから妹さん、ミーシャちゃんを!」


「で、でも……」


「いいから! これはあたいらのケジメ。 あの時、キープを酷い目に合わせてしまった」

「そして、キープがデネブに狙われる様になってしまった……そのお詫び」


カペラが両手斧を構え、ベガもその隣で構えを取る。


デネブは何も言わずそれを見ている。



迷うキープに、

「妹さんを助けるんでしょ! 行きなさい!!」

「そうだよ! 迷ってる場合じゃない!」


カペラとベガがたきつける!


キープは深く頷くと、

「分かった、追いかける。 デネブさんをお願い!!」


そう言って身を翻す!



「みんなもキープをお願い!」

カペラの言葉にアレスとナシュ、マタルが追いかけて走っていく!




デネブは何も言わず何もしてこなかった。

そのままキープを見送る。


キープの姿が見えなくなると、初めてそこで視線を眼前の二人に移した。



そして、

「久しぶり……ね、 カペラ、ベガ」


「ああ」

「うん」


お互いに向き合ったまま声を掛ける……『紅の三日月』パーティの時の様だ。



「キープは……相変わらずね。 一時期『デネブ』って呼び捨てに変えていたけど、また『デネブさん』に戻っているし」

デネブが肩をすくめ……呆れているように見える。


「あれがキープの良い所なんだよ、誰にでも優しい……きっとデネブにもね」

ベガが構えを解かずに返す。



「でも、だからこそ、あたい達が貴方を倒す! キープにはきっと辛いだろうから……」


デネブがフッと笑みを浮かべる。


「そぅ? 私を倒す……倒す……ね。 倒せると思っているのね」

デネブが両腕を広げる。

それに呼応して背中に蝙蝠の羽が現れ広げられた!!



「私は『色欲の魔人 デネブ』 甘く見ない事ね!!」


冷たい視線のままカペラ達を睨みつけた!


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