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三日後〝狼の牙〟ギルド領
静華、未玖、叡智、シイナ、アルは、指定された場所にやってきた。
「手紙によるとここかしら」
「あってると思う」
「とうとうこの日がやってきましたか、怪我だけはしないでくださいよ、静華様、未玖様、それにアルくんも。」
「分かってるわよ。」
「分かってる」
シイナは心配しているが二人は全く気にしていなかった。むしろ余裕で勝てると思っている。
「皆さん!ここにタームがあります!」
アルが見つけ四人を呼ぶ。
Pass on Odin's Passion!
伝承の通りオーディンの仇を打て
招待者
・ガルゥ
参加者
・レースファミリー
勝利条件
・指定武器を使用して討伐
敗北条件
・参加者側の全滅もしくは降参
五人はターム見て考える、これはどういう事なのかと。
「なんの事かしら」
「さぁ?」
だが、叡智は直ぐに意図を掴み、アルに目を向ける。アルと目が合うと、ニヤリと笑い、これぐらい分かるだろとでも言いたげな表情をしている。アルは、それにきずき頷くと説明を始めた。
「これは多分ですか、ラグナロクという北欧神話のひとつに乗っ取ったゲームだと思われます。確かその中でオーディンはフェンリルに飲み込まれその後、息子のヴィーザルに下顎を靴で踏みつけられ、上顎を手でつかまれ口から上下に引き裂かれた、もしくは剣で心臓を貫かれたともいわれているはずです。Pass on Odin's Passionとはオーディンの仇を伝承通りにとれという事なので、フェンリルとは狼、つまりガルゥを武具を使って倒すことだと思います。皆さん分かりましたか?」
アルは、一通り説明を終え三人を見ると驚いたような顔をしていた。
「アルくん、物知りなのね。」
「アル、賢い?」
「アル君、いつの間にそんな事知ってたんですか?」
「皆さん馬鹿にし過ぎです、ボクだって色々と勉強しているんですよ!」
馬鹿にされたのが気に食わなかったのか、ムッとした顔をする。それを見た叡智以外の三人は、ハハハっと笑ってみせる。それに対して叡智は、
「やるじゃねーか」
と言いながらアルの頭に手を置きぐしゃぐしゃと撫でまわす。アルは、辞めてくださいと言い、手を止めると目を合わせる。
「約束覚えてますよね。」
「チビ助も分かってるだろうな」
「はい。何としても勝ってみせます。」
「いい心意気じゃねーか」
二人で話していると静華が何を話しているのかしらとでも言いたげな顔でこちらを見てくる。
「なーに男と男の話し合いさ。気にすんな。」
「あら、それは失礼したわね」
「大丈夫です。このゲームは、絶対勝ちましょう!」
「「おー!」」
静華、未玖、シイナの三人は掛け声とともに拳を突き上げた。




