5-2
〝狼の牙〟ギルド内
辺りが暗くなり、月明かりが輝く頃、ひとつの部屋から物音と苛立ちの声が聞こえる。
「ふざけんなよ!また、また俺が負かされるだと、」
ガルゥは、ここ最近は無敗を誇っていたのだが、レースファミリーの新メンバーによって負けてしまい、復讐してやろうとした作戦も仇となり、返り討ちにされゲームの強要までされて帰ってきたので、苛立ちは最高点に達していた。
「しかし、次のゲームの勝てる見込みがねぇ、、、くそっ!」
考える脳は残っていたようだ。だか、考えれば考えるほど勝機が見えてこなくなる。
やがて獣の姿に戻り、ガルゥは物に当たることしかしなくなった。
「ソナタは力が欲しいか」
「誰だ!」
そう叫んだガルゥは声のした窓を見るとそこには、顔は見えないが、髪の長い一本角の女性が窓の縁に立っていた。
「ソナタは力が欲しいか」
もう一度問い直され、ガルゥは疑いながらも返答をする。
「本当に貰えるのか。」
冷静になったガルゥは人型になる。
「使いこなせるかはソナタ次第だがな」
自分は試されているのだと気づき、悩んだが、三人の顔がチラつき、心は決まった。
「その力俺によこせ!」
「良かろう、ではこれを飲め」
角の生えた女性はグラスを取り出し、手首を軽く切り裂き血を注ぎ込んだ。その異様な光景にガルゥは戸惑いながらも受け取ると、一気に飲み干した。
すると直ぐに、身体の中が煮えたぎるほど熱くなり、全身に痛みが伴い、自然と獣の姿に戻り、頭から角が生えてきた。
叫び転げ回っている。
「痛みはじき治まる、力は与えてやったぞ。まぁ、自我を保てるかは知らんが、精々頑張ってくれよ。」
そう言うと薄気味悪い笑い声と一緒に暗闇の中へ消えていった。




