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「まさかこんなに広いなんて、思ってもなかったわ。」
ここはガルゥのゲームエリア。薄暗く、木々が生い茂って森みたいになっている。このゲームに参加しているのは五名。静華、未玖、シイナ、アル、そして参加する気など全くなかった叡智だ。叡智はなかば強制的に参加させられたのでイラついている。参加したものの手を出すつもりは全くないらしい。五人はこの森林の中を歩き、指定武具を探している。
「そういえば、指定武具ってなに?」
未玖はアルに聞く。武具の詳細を知らなければ戦うときに不利になるのは避けたいらしい。
「予想出来るのは剣があるということですかね、確実ではないのですが。」
自信なさげに返答を返す。それに対して説明不足だと感じた叡智は、追加の説明を加える。
「今回のゲームで考えられる武具は二つ、アルが言った剣とヴィーザルの強い靴だ。「古エッダ」の「ヴァフスルーズニルの言葉」第53節や「スノッリのエッダ」第一部「ギュルヴィたぶらかし」51章では「強い靴で下顎を踏みつけ、上顎をつかんで引き裂いた」とされ、また「古エッダ」の「巫女の予言」では「剣を心臓に突き刺した」とされている。剣はわかると思うが、ヴィーザルの強い靴というのは、人々が自分の靴を作る際、千切り取った爪先とかかとの部分の皮をつなぎ合わせて作った物で鉄のように固く、そのおかげでフェンリルの顎を踏みつけることができたという。つまり、その靴がなければ下顎を踏むことは出来ないってことだ。このようなことから、ガルゥは、二通りの殺し方をしなければならないということだ。頑張ってくれよお嬢様方。」
「流石です叡智さん」
叡智の説明にアルは賞賛を送るが、その他三人は、アルのときよりも驚いていた。
「あなたも物知りなのね、ただの野蛮なヤンキーだとおもっていたわ。」
「八重樫、賢いの?」
「叡智様まさかまさかこんなに賢いなんて思ってもいませんでしたよ。」
三人からは褒めてるのか貶しているのか分からない、と言うよりは貶している方が大きい意味を持った言葉を言っている。
「おいおい失礼だな、俺はどこからどう見ても知識人だろ。」
ハッハッハと、笑い飛ばしながら反論をする。が、三人は心の中でそれは無いと思いながら叡智をみていた。
「まぁ俺が手伝うのはここまでだ。あとは頑張れよ。」
「分かってるわよ。」
「いえっさー」
「頑張るのですよ!」
「はい!」
各々に返事をする。その後いつの間にか止まっていた足を再び動かし、ガルゥの所へ行く。
しばらく歩くと目の前に開けた場所か出てきた。地面には剣が刺さっており、その横にはブーツのような靴が置いてあり、中心には獣化したガルゥが寝ていてる。




