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其之三|第終章|エピローグ

 私に与えられた一週間は瞬く間に過ぎ去っていった。


 朝は早起きをして店を開け、昼に起きてくるハルトさんと店番をバトンタッチ。

 昼からは工房にこもって、正確に本番の召喚陣を書けるように何回も紙に書き写した。


 低級悪魔を召喚するのとは違い、大きさや角度などコンパスや分度器を使って正確に書き写さなければいけないと言う細かな作業に苦戦したけど、何とかハルトさんのお許しが得られるレベルには達していた。


 その図形が何を表しているのか?

 その記号が何をする為の物なのか?

 それらを覚えて何も見なくても書けるように書きまくった。


 図形を正確に書く。と、言う事に慣れるにはもう少し時間がかかりそうだけど、その図形が何を表しているだとか、この図形の角度は何度だとか、細かなお約束は不思議と頭の中にスルッと入ってくる。


 実用性が高いからだろうか?

 学校の勉強のように何故それが必要なのか分からずに覚えるのとは違って、何をするのに必要な物だと分かるからか頭に残る。そんな感じだなんだと思う。


 こんなに集中して何かを学ぶなんて元の世界の定期テストでもした事がない。

 やりきったと言っても良いと思う。


 同時に召喚の時に必要な物も頭の中に叩き込んだ。


 ハルトさんは「何を召喚したいかによって材料は違うから覚えなくても、その都度確認すれば良いよ。」と言ってはいたけど、基本的な物は覚えておいて損はないと思う。


 ハルトさんは『贄』と呼んでいたけど必要な材料の全てはその名の通り生贄だ。


 召喚の為に犠牲になる命。

 それは食材と同じで、私達が何かをする為に必要な材料。


 それを意味も覚えずに書いてあるから使うと言うのでは失礼だと思った。


 食事が私の血や肉になるように。

 魔術師としての。

 魔法使いとしての。

 私の血や肉になるのだから。


 それらが私の全てになるのだと思ったら覚えずにはいられなかった。


「召喚術を使って使い魔が欲しい!」


 私が言った軽率な言葉。


 もちろん、それ自体を後悔する事はない。

 だって、必要だと思ったんだから。

 でも、それに何が必要なのかなんて考えもしなかった。


 未熟な私が召喚したモノを暴走をさせないためにワンコの耳と尻尾。

 未熟な私が行う召喚の成功率を上げる為に必要をなる白い蛇。

 その他にも色々な材料が必要になる。


 その全てが私の使い魔の為に犠牲になるのだ…。


* * * * *


「それを単に犠牲と考えるか、妙子ちゃんが活かす為と考えるかは君次第だよ。」


 ハルトさんは冷静に私に告げる。

 それが必要なモノなのだと。

 食事と同じように魔術師や魔法使いには必要なモノなのだと。


「召喚を行う前に一つ確認しておこう。」


 そして、もう一つ…。

 ハルトさんが真剣な顔をして話し出す。


「魔法使いを目指すと言う事はあらゆる意味で死に関わると言う事だ。召喚に贄を消費し、実験に動物や悪魔、時には人間を材料とする者も居る。ポーションだってそうだ。薬草や鉱物を配合して人間の蓄えた魔力で精製をする。それは植物や鉱物と言う贄を消費しているのと同じだ。魔術を、魔法を使うのだって自分のマナや生命力を消費して発動するのだから。何のペナルティも無しに使えるモノじゃない。」


 何かを使い、何かを使う。

 元の世界でもそうだ。


 命をそのままエネルギーとして使うと言う事は無いけど、何かを消費して生活が成り立っている。


「魔術や魔法と言うのは多かれ少なかれ何かを犠牲にしなければ成り立たない。何かを得るには何かを失う。そこには何らかのペナルティが発生すると言う法則は、どの世界でも同じだと理解して欲しい。」


 そして、魔法使いとなる事によって失われるモノを。

 魔法使いがその特異性を手に入れるために犠牲とするモノ。

 普通の人間としての人生は歩めなくなると言う事実を優しく説明された。


「前に少し話した事があったと思うけど魔法使いは長命だ。それはマナを扱う量が普通の人とは違う為だ。この星に溢れるマナを常人以上に取り込み発動する事で「人」とは違う生物へと変質する。魔術師も長命と言えるが道具などを使って体外でマナを扱うから、その影響は無いと言えるくらい少ない。」


 そこまで話すと言葉を区切って窓の外を眺める。

 外からは夕日が差し込み、川の対岸から聞こえる子供達の声がここまで届いていた。

 その声を慈しむかの様に。

 少し悲しげな顔で話を続けた。


「魔法使い以外の人は魔法使いの長命を羨むだろう。でも、魔法使いとして生きると言う事は『人間』としての普通の人生を捨てると言う事。普通の人との時間を捨てて、老いて死ぬと言う普通の人生を歩めなくなると言うペナルティの上に成り立っているとも言える。 気がついた時には親しかった人が老いさらばえて、気がついた時には親しかった人がこの世を去ってしまう。そんな孤独の道を妙子ちゃんは歩む事になるんだ。犠牲は『贄』の様に消費されると言うペナルティだけでなく、自分の人生を変質させられると言う事を自覚しているかな? 今ならまだ引き返すことも出来るが妙子ちゃんにはその覚悟が有るか?」


 私がそこまで考えて魔法使いになると言っているのかと。

 私に魔法使いとしての長くて孤独な人生を歩む覚悟が有るのかと問われた。


 何となく知ってはいた。

 何となく覚悟はしてた。

 ハルトさんがそれとなく、これまでに何度か話してくれていたから。

 魔法使いが普通の人生を生きられないと言う事を。


 怖くない。

 と、言うと嘘になる。


 正直に言うと怖くないワケがない。

 私を支えてくれた人達と違う時間を生きるのだから。


 ローズさんが。

 シーナさんが。

 ニコちゃんが。

 ニナさんが。

 グリードさんが。

 ついでにリックが。


 これから出会うかも知れない誰かが。


 私を置いて寿命を迎えて居なくなってしまう。

 十七歳と言う短い人生しか積み重ねていない私にとっては想像も出来ない。

 でも、想像をすると凄く寂しい魔法使いとしての人生。


 でも、怖くはなかった。

 考えて考えて私の前に現れたのは寂しさ。

 怖いと言うよりも寂しいのだと思う。

 身近な人と同じ時間を生きられなくなると言う事が。

 私よりも早くにこの世から去ってしまうと言う事実が。


 でも、それは普通に生きていても訪れる少し寂しいお別れ。

 元の世界で隣に住んでた前田のおばあちゃんが亡くなった時と同じように。

 誰にでも訪れる少し寂しいお別れ。


 それが少し人よりも多くなる。

 普通に生きる人よりも多くなる。

 ありふれた自然の法則なのだと。


 だから、怖くはなかった。

 だから、私は声を振り絞って伝える。


「孤独とは少し違うと思います…。」



 だって…。



「私にはハルトさんが居るじゃないですか?」



 声が震えているのが自分でもよく分かる。

 ある意味での告白。

 生まれて初めて本気の告白。


 伝わっただろうか。

 今、私に言える精一杯が。


 感じてくれただろうか。

 今、私が胸に秘めた気持ちを。


 ハルトさんは困ったような顔をすると何も言わず私の頭を撫でてに立ち去った。


 これから私達がどうなるかなんて分からない。

 ハルトさんがどう考えているのかなんて分からない。


 でも、一人じゃないと言う事を。


 この世界に召喚された私達もこの世界で前を見て進んで行けるんだって。

 この世界で私達二人で探して行きたいと言う私の気持ちが。

 ハルトさんに伝わっている事を願って。


 私は彼の背中を見送った。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 時刻は深夜の一時を少し過ぎた所。

 あんなに真っ赤だった空も暗闇に覆われて月の光だけが優しく灯っていた。


 深夜の地下工房はいつも以上に静まり返っている気がする。

 静寂の中で私とハルトさんの足音や吐息だけが工房の中に響いて耳に返ってくる。


 マーケットで買ってきたワンコの耳や尻尾に白蛇などの材料をテーブルの上に置いて、すぐに手が届くように準備しておく。


 後で必要になる物だから手が届く範囲に。


 その中からスッポンの生き血とレモンの果汁を少々。

 これは生命力と若々しさのシンボルなんだそうだ。

 何と言うか意外と安易な感じがする。


 それをお皿に注ぎ…


「・・・ィッ」


 右小指の先をナイフで少し切って、私の生き血を混ぜる。


 そして、ここでかき混ぜながら詠唱を…。


「生と死の間に住まいし魂の道標となれ。」


 そう唱えると、赤かった生き血が青白く輝き出した。

 そこからもう一手間。


 小指でかき混ぜながら私の血を馴染ませる事で、私に隷属する使い魔が呼び出せるらしい。


 すっぽんの生き血と私の血が馴染んだ所で磨き上げた床に召喚陣を描く準備を始める。


 大きなコンパス。

 大きな分度器。

 大きな定規。

 そして、大量の脱脂綿。


 ハルトさんの様にフリーハンドで書けない私にとっては大事なアイテムだ。


「ハルトさーん?準備終わったけど描き始めて良いですかー?」


 準備が終わった私はテーブルの向こうに座っていたハルトさんに声を掛けた。


 近い場所に居るんだから大きな声を出さなくても聞こえるはずなんだけど、声が上ずってしまうと言うか、何となく制御が効かない感じだ。


 あれからと言うモノ、ずっとこんな調子。

 一世一代の告白をしたと言うのにハルトさん側からは何の反応も無い。


 何だか私だけが意識しているみたいで悔しいけど、前からハルトさんは私とある程度の距離を取っていたのは感じていたから仕方ないのかも知れない。


 ハルトさんの考えは何となく知っていた。

 私を私のまま元の世界に戻したかったと言うのが本音なのだろう。

 それが、どれだけ時間が掛かったとしても。


「もう少し混ぜた方が良いな。少し光が弱い。あと十回くらい混ぜてみようか。」


 近づいてきたハルトさんが冷静にアドバイスをくれる。

 その様子を見る限り、私が魔法使いを目指す事に関しては許してくれている気がする。

 でも、大歓迎と言う様子でないのは見て取れた。


「よし。それくらいで良いだろう。描き始めようか?」


 そこに有るのは、いつもの優しいハルトさんの笑顔。

 だけど、いつも通り(・・・・・)の、その笑顔に私は少しモヤモヤしていた。


 いや。今はそんな事に気を取られている場合じゃない。

 ハルトさんのサポートが有るとは言っても何者かを召喚するんだ。

 失敗すれば危険な事には変わりはない。


 私は気持ちを切り替えて召喚の準備を始めた。


「じゃあ、行きます!!」


 冷静さを取り戻そうと声を出して気合いを入る。


 まずは、コンパスに脱脂綿を付けて青く光る血に浸す。


 二重の円を慎重に描き始めた。

 これは全ての基本となる図形だ。


 召喚した者を拘束して外に出さない為。

 そして、全てのスケールの基準になる円。

 中心を決めて二百センチと百九十センチの円を一気に描ききった。


「オーケー。ここだけ少しかすれているから指で修正しようか。」


 ハルトさんに指摘された場所を修正する。

 万が一、ここから漏れてしまったら失敗してしまう。

 ちゃんと危ない場所をチェックしてくれるハルトさんが頼もしかった。


 次は隷属の為に必要な逆三角形だ。

 基本となる直線を描いて分度器を使って正確な角度で三角形を描く。


 ランダムで召喚を行う時には特に必要らしい。

 何が現れるか分からないから、何が現れても暴走させない為には必須らしい。


 次に使い魔の使用目的を考えると単独行動の可能性も有るから監視の為の図形を描く。

 中心部に目のマークを描き記す。

 このマークを中心に色々な召喚条件を描き込んで行くそうだ。


 あとは必須になるの希望条件はコミュニケーション能力。

 店番を任せたいと言うのが一番の目的だから大事なんだけど…。

 お店のアイドル的な存在は私一人で充分だから少し小さめに描いておこう。

 うん。そうしよう。


「あれ?必須条件にしては少し小さくないか?」


 と、ハルトさんが余計なツッコミを入れて来たけどコレで良いのだ!

 ニッコリと笑顔だけ返して私は作業を続けた。


 ハルトさんも何となく察したのかヤレヤレと頭を振って、それ以上のツッコミは入れなかった。


 他の条件としては…


 頭はそんなに良くなくて良い。

 魔力よりも腕力が欲しい。


 運とかはどうでも良いかな。

 それよりも素早さとか器用さとかの方はテキパキ働いてくれそうだ。


 防御力も人並みで良いよね。

 変に歯向かわれても何とでも出来るようにしておきたい。


 うーん。こんなものかな?

 最後に希望するだいたいの大きさと人型と言うか人間タイプの姿絵を書き加える。


「よし!こんなものでどうかな?」


 書き終えて振り返るとハルトさんと目が合いサムズアップを返してくれる。

 召喚陣の仕上がりに関しては問題無いようだ。


 後は、オプションを配置すれば完成だ。

 この『贄』を配置する事で、希望の能力をステータスに上乗せ出来る。


 ワンコの耳と尻尾は私に対する従属性を。

 白蛇は召喚の成功率を上げ私との縁を繋ぐ。


 今回はハルトさんが私を召喚した時の様に能力的なモノは付与する必要は無いから手に入りやすい材料で済ませられたらしいけど、場合によっては手に入りにくい素材を探し回らないといけない事も有るそうだ。


「よし。こんなものだな。まだ、時間が有る。休憩しよう。」


 召喚陣の完成を見てハルトさんがテーブルに戻りコーヒーを淹れてくれた。


 暖かなコーヒーに牛乳が入れられて丁度良い温度になった茶色の液体が喉を通り、お腹の辺りを温めてくれる。


「はぁ~。人心地ですね~。綺麗に描けるか心配だったけど何とかなりました!」


 そう言うと机にうつ伏せてへたり込む。

 そんな私の上からハルトさんの声がする。


「まあ、最初はそんなものだよ。描くだけなら召喚されないから何度も描いて体で覚えるしかないね。」


 いつものハルトさんだ。

 いつものハルトさんの声だった。


 それは私が安心感を感じる声。

 優しさを帯びたその声が私の気持ちを落ち着けてくれる。


 ハルトさんが何を考えているのか。

 その声からは、私が魔法使いを目指すと言う事にどう思っているのかは分からない。


 でも、どんな時にでもハルトさんが見守ってくれていると言う安心感が私を包んだ。


「ハルトさんは…。」


 口に出そうとして言いよどむ。


 ハルトさんは私が魔法使いを目指すと言う事に対して本当はどう思っているのか。

 夕方に振り絞って伝えた私の気持ちがハルトさんに届いているのか。

 色々聞きたい事はあるのに言葉が口から出ずにうつ伏せのまま顔も上げられなかった。


「俺はさ…。」


 言葉が出ない私を見かねてかポツポツと話しだしたハルトさんの声に耳を澄ます。


「妙子ちゃんがメリットもデメリットも考慮して魔法使いを目指すと言う目標を持ったなら応援したいと思っている。それが夢だと言うなら実現出来るように助けたい。」


 ゆっくりと紡がれるその言葉が私の耳に入ってくる。

 どこか優しく。どこか悲しげな言葉が私の心を埋めていった。


「ただ、夢を応援すると言っても実際にそれを成すのは妙子ちゃんだ。放任主義だとか言って無責任に自由に行動させたり、無闇にデメリットだけを突きつけて反対なんてしたくはない。でも、俺が出来るのは目標への道標を示すくらいで…。どう成るかは妙子ちゃん次第なんだ。」


 分かる。ハルトさんの言いたいことは。

 きっとハルトさんにとって私はどこまでも保護対象なんだ…。


 自由と言う綺麗な言葉で誤魔化し、責任を負わずに私から目を逸らす事が出来ない。

 夢と言う綺麗な言葉で誤魔化して、曖昧な目標に向かわせる事は出来ない。


 保護者(・・・)として。

 無責任な事は言えないのだと思う…。

 そう。保護者として。


 そうだと思っていた。


「だから。妙子ちゃんがこの道を行くと言うなら俺が一緒に歩こう。」


 だから、続いて紡がれた言葉に涙が溢れ出した。


「もしも、道に迷うことがあったなら俺が指し示そう。」


 もしも、この時の言葉が無ければ挫けていたかも知れない。


「もし、俺が道に迷ったら妙子ちゃんに導いて欲しい。」


 もし、この時の事がなければ私は…。


「妙子ちゃん。俺と一緒にこの道を歩いてくれるかい?」


 ハルトさん…。

 私はきっと…。

 これからも…。


* * * * *


 私が泣き止んだの確認したハルトさんが私に声をかけた。


「さあ。これからが本番だよ。そろそろ時間だし始めようか。」


 時刻は深夜二時十五分。


 どんなオカルトなのかは知らないけど…。

 二時二十二分に召喚を行うと良いモノが引けるらしい。


 召喚ってソシャゲのガチャみたいだなぁっと思っていたけど、そんな所までガチャっぽくなくても良いのにと思うのは私だけだろうか?


 当たりを引くかハズレを引くか。

 その辺りはコンマ0.1秒の差で後は運次第だってハルトさんは言っていたけど…。


 いやいや。

 元から運次第だから結局は印象に残るか残らないかだけの話じゃない?

 と、思うけど。この手の話を信者に言っても聞いてくれないので言うだけ無駄。

 確率が収束するとか言い出す人も居るけど、それって何かしらの操作が入ってるから。


 運営は言わないけど、出来る事をしないワケないんだから何らかのテーブル制御されていてもおかしくないでしょ?


 それに、そう言う人は引けるまで引くんだから。

 ぶっちゃけ、何が有っても良い様に受け取ってソシャゲと言う集金システムにお布施をするんだから確率なんて関係ないのだ。


 うん。今はソシャゲの話なんてどうでも良かった。


 ランダム召喚がどんな物かは分からないけど。


 今はこれに集中しよう。


「さあ、時間だ。詠唱を始めて。時刻表示は俺が行うから魔力のピークが二時二十二分になるように調整するんだ。」


 そんな事を言い出すからソシャゲガチャの闇について考えたくなってしまうけど、頭を切り替えて魔力を発動する。


 保険として用意された儀式用のカトラスを構えて詠唱を始めた。


「死と生の間に住まいし魂よ。我が呼びかけに応えよ。」


 詠唱を始めると召喚陣が青白く光りだした。

 思った以上に魔力が持っていかれる感じがして脱力感を感じる。


 徐々に徐々に魔力を込める。

 力を持っていかれないように細心の注意を払って。


 焦って魔力を注ぎすぎると召喚に失敗するらしい。

 ゆっくりと魔力を込める。


 二十二分までもう少し!

 二時二十二分丁度に終わるように詠唱を!


「我が求めに応じ!我が血を寄る辺とし!我が捧げし贄を喰らい!我が眷属となるべくその姿を現世に表せ!!!」


 一言唱える度に魔力が持って行かれる。

 一言唱える度に召喚陣の光が増す。

 私の力が注ぎ込まれて何かとの繋がりがハッキリしてくる。


 召喚陣の光がさらに増して光の中に影が浮かび上がった。


 大きさはそんなに大きくない。

 召喚陣の中で乱れる髪がシルエットになって目に入ってくる。


 大丈夫。

 落ち着いてやれば大丈夫。


 召喚陣に映し出された者を使い魔にすべく最後の詠唱を唱えた。



「我が使い魔よ!!汝の姿を我が前に晒し血と贄の契約に応じ現界せよ!!!」



 最後の詠唱を終えると溢れる光。

 ひときわ強い光に包まれた工房は静寂に支配された。

 徐々に和らぐ光のなかに何者かの気配がする。

 召喚自体は成功したみたい。


 でも、束縛や隷属が失敗していたら最悪はこの時点で襲われて終わりだ。


 ハルトさんが魔力を込める気配がする。

 私も万が一に事を考えていつでも攻撃魔法を発動出来るよう身構えた。


 光は和らぎ視界が戻ってくる。

 緩やかに光が収まって召喚陣の中に何者かのシルエットは確認出来る。

 静寂の中で仁王立ちするその者(・・・)が口を開き名乗りを上げた。



「我が名は呪々(じゅじゅ)。嫉妬と憤怒の魔人呪々!貴様が私の契約者か!!」



 召喚陣の中に立っていたのは


「うそ…。どうして…。」


 私を自殺に追い詰めた糸氏 樹々(イトウジ ジュジュ)だった。


どうも。となりの新兵ちゃんです。


いえーい。メリークリスマス!イブイブ!

交尾したり、オンゲしたり、ログインしない事でリア充を装ってみたり、手淫をしたり、子供の為にサンタさんの代理をしたり、仕事納めだったり、交尾したりと、この週末は皆さん忙しいでしょうでしょうから本日23日にアップしておきました。


次回はEXを週末と言うか大晦日までにアップ出来れば良いのですが、時期的にアップしても…と、言う感じなので、どうしようか迷いますね。


と、言う事で其之三は終了です。

其之四に続きます。


下手っぴなのはいつもの事なのでアレですね。

一つ前で召喚と言う話が出てきたので何となくこのオチを予想していた方も多い気がします。

言ってましたからね。オチは以前に。

それ以外にも何かモヤモヤっとした感じの部分も有るとは思いますが、何となく書いてみただけなので現時点では真っ白だったりします。

真っ白と言うと語弊は有りますけど、行きたい方向的な感じをボンヤリと示した感じでしょうか。


上手くつなげて行ければ良いのですが、文章力がアレですのでアレしすぎずにお待ち頂ければ嬉しいです。


次をどうしようかは考え中です。

其之四の着地点をどうしようかと。

最初は其之五くらいでシメられればと思っていたのですが、一旦区切りをつける方向で話を持っていくか。もう少し伸ばしてみるのか。


休みの間にでも考えてみます。

取り敢えずは年が明けてしばらく先にになると思いますので気長にお待ち下さい。


と、言う事で今回もお付き合い頂きありがとうございました。

良いお年を。

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