其之三|第四章|ハルトと王様と王女様
チュンチュン
チュンチュン
朝日が窓から優しく差し込み、外から小鳥の声が聞こえてくる。
窓から街を見下ろすと、朝の六時だと言うのに既にマーケットが開かれており、仕事に行く途中の市民たちが朝食を取っているのが見えた。
ダンジョンガーデンでも朝市みたいな屋台は並ぶが人の数が違う。
さすが、王都と言うべきか。
元の世界の通勤風景を思わせる規模だった。
「人ってのは居る所には居るもんだな。」
俺はコーヒーを飲みながら眼下の街を見つめた。
この世界では街を越境して通勤するなんて事は基本的に有り得ない。
住んでる街で働き、住んでる街で生活をするのが普通だ。
この前のポテトイーター討伐の様なイベントで数日泊まり込んで仕事をする場合や、傭兵などが転々を仕事の依頼先を目指して移動をすると言う事は有るが、仕事をする為に自分の住む街以外に出かけると言う事は少ない。
交通網が発達していないと言う理由も有るが、交通網が整備出来ない原因の一つとして、野生の大型・中型の動物やモンスターが普通に棲息しており、街から街への移動には多かれ少なかれリスクが伴うからだ。
街に居る限りは、教会の結界でそれらの外敵は退けられるから危険は無い。
人が増えれば街を拡張し、それと共に教会の数を増やして結界の有効範囲を拡張するので、街や街を取り巻く生産環境を整えれば、他の街に通勤するなんて必要は無い。
基本的に、この世界では街から出ること無く全ての生活が街の中で完結出来るのだ。
その最たるものが王都だと言えるだろう。
仕事や安全はもとより地位や名声を求めて人が大量に集まる街。
それが王都。
一発勝負を狙って来る者も居れば、地元で成功した者がさらなる成功を求めて王都に上京する者も居る。
自分の街で生活に困って王都に来ればおこぼれに有りつけるかも知れないと何も考えずに流れ着いた者も居るだろう。
それらの全てが朝早くから活動を始めては忙しく行き来をしている。
大きな差異など無く一括りの大きな生き物の様に見える。
だが、実際には貧富の差が激しく治安維持に苦慮していると聞くが…。
こうやって上から見る限りは平和な活気の有る街にしか見えなかった。
「まあ、色々有るわな。」
元の世界でもそうだった。
人が集まれば大なり小なりの問題は発生する。
いわゆる神が「人間は言葉でしか意思の疎通で出来ない」と設定した以上、それはどうにもならない事。
ちょっとした事でも、発する側と受け取る側との差異は生じる。
意思の疎通に差異が有れば、問題の原因となる。
意思の疎通に差異が有れば、それを利用し悪用する者が現れる。
この世界でもそうだが、人が集まれば問題が発生するように造られている。
だから、色々な方法でその差異を埋めようとしたり回避しようと人間は行動する。
だが、どんなに回避しようとも人が集まればトラブルは発生する。
そう。トラブルは人と人が関われば、どこに居ても発生するのだ。
ドンドン
ドンドンドン
「ハルト様!ハルト様!起きてらっしゃいますか!?ハルト様!」
うん。こんなふうに。
「なんだ。まだ早いだろ?こんな時間からどうしたって言うんだ。アーノルド?」
はぁ。てっきり単なるモブだと思っていたのに、しっかりと名前を覚えて、その名前を呼んでしまっている。
どうやら、少なくともアーノルドはイベントにガッツリ絡んでくるイベントキャラ以上な気がしてきた。
しかも、こっちが拒否しても絡んでくる厄介なタイプってのも確定なのだろう。
「すいません!何も言わず匿って下さい!お礼はします!今は手持ちは御座いませんが、ハルト様がお望みなら肉体的な労働でも何でも!!だから、このアーノルドを匿って下さい!!」
あぁ。やれやれだ。
王様に自称魔王についての報告をするだけの簡単なお仕事だったはずなのに。
朝っぱらから王宮勤めのアーノルドが飛び込んでくるとか。
俺としては、そんなイベントを所望した気も無ければ、関わり合いたくないのだが。
事情を聞かずに厄介事に関わるなんて無茶はしたくない。
取り敢えず、それとなく事情を聞く出すしかないだろう。
アーノルドは脇が甘い感じがする。
うまく誘導出来ればポロっとゲロってしまうに違いない。
「取り敢えず、目立つから入れ。匿ってやれるとしても、リンダさんが迎えに来るって言ってた十時までだ。良いな?」
うんうんと縦に首を振り、アーノルドが素早く部屋に滑り込む。
追い返しても良かったのだが、下手に追い返してもドアの前に陣取られ同じやり取りが続くだろうと言う事は、昨日一日中アーノルドと一緒に居たから容易に想像出来た。
朝の貴重な時間を無駄にするくらいなら、取り敢えず中に入れてしまった方が懸命だと思う。
思うのだが、また何かに巻き込まれた気がしてならないのは気の所為だろうか…。
「で?どうして仕事をサボってこんな所に来たんだ?出来れば朝はゆっくり準備したい派なんだが。俺は。」
「すいません。先程も申しましたが事情は聞かないで頂ければ…。」
流れでポロっと何が合ったかを言うかと思ったが、アーノルドもそこまで馬鹿ではなかったようだ。
部屋に入り込んだと思ったら、シュンとしながら部屋の隅っこで体育座りをしてジッと壁を見つめている。
勝手に押しかけて来て、勝手にそんな所に居座っていると言うのに、俺と目を合わせようともしない。
「まあ、良いけど。って、良くはないが。朝っぱら俺の部屋に押しかけたのには理由が有るんだろ?無理には聞かないが、話した方が楽になる事もあるぞ?」
俺は出来るだけ優しく話しかけたが話す気は無いようだ。
年齢やら性別が分かれば、もう少し対処の仕方も考えられるのだが。
仮面の効果だと思うが、その予測すら出来ない。
どうしたものか…。
「で、昨日はアレから大丈夫だったのか?リンダさんに怒られたんだろ?」
取り敢えず本筋から外れない範囲で話を逸らしてやる。
こんな時間に押しかけた原因は話せなくとも、愚痴を吐き出す事で少しは落ち着くかも知れない。
それを吐き出して帰ってくれるなら安いもんだ。
「そうですね。怒られました。でも、ハルト様に心配される程では…。どちらかと言うと呆れられたと言うか…。ともかく、大丈夫ではありました…。」
「そうか。なら、良かった。まあ、呆れられる様な失敗を今後はしないように注意すれば良いだけさ。」
「失敗はしていませんよ!ただ…。色々あるだけで…。」
俺としては、その色々が知りたい所なのだが聞いた所で答えないだろう。
王宮で働くって事は、それだけで大変な事だ。
最初はおっさんかと思ってたが、これまで話してきた感じアーノルドは若い気がする。
ならば、経験不足から来る失敗も有るだろう。
それを糧に次に繋げれば良いだけなのだが、そう割り切れないのも若さだ。
ここで少し気持ちを落ち着けて、次に繋げられるよう気持ちを切り替えられるなら、それで良い。
乗りかかった船だ。時間までは匿ってやろう。
最悪、アーノルドが迎えに来てくれた事にすればリンダさんも強くは責めないだろう。
「まあ良い。それよりも、そんな所に座ってないで椅子に座れ。俺が居心地悪い。何か飲むだろ?コーヒーで良いか?」
「あ。出来れば紅茶で。じゃないです!私がやりますので!ハルト様は座っていて…。」
紅茶の缶を取ろうと手を伸ばした俺から缶を奪おうとしてアーノルドがバランスを崩す。
「あっ…。」
全く、鈍くさいと言うか何というか。
アーノルドにも困ったもんだ。
反射的に手を伸ばしてアーノルドを支えようとする。
が、アーノルドが身をよじって俺から逃げようとして変な方向に力が掛かる。
結果、俺まで巻き込まれ二人して床に転げ落ちた。
「くそ。お前、支えようとしたのに。俺の好意を無駄にするなよ。俺まで巻き込まれたじゃないか。」
すっ転んで男の胸元に顔を埋めて組み伏せると言う酷い体勢。
ウチの腐女子どもには見せられない様な体勢のままアーノルドに文句を言う。
「す…すいません。いきなりだったからビックリして…。ごめんなさい…。」
「もう良いよ…。助けようとした俺が悪かったんだ。もう二度とお前は助けないから。」
「そんなー!酷いですよ!ハルト様!」
「いや。酷くないし。ってか。それより怪我とかしてないだろうな?こんな事で怪我して仕事に支障が出たんじゃシャレにならんぞ。」
「はい。それは大丈夫そうですけど…。その。そろそろどいて頂ければ…。」
確かに。言われればその通りだ。
その通りなんだが。
俺の右腕がアーノルドの体に敷かれていて、抱きかかえる形になっているので腕を抜くに抜けない。
「おい。ちょっと体を浮かしてくれないと腕がお前の体に敷かれて抜けないんだが…。」
「え?あ!はい!え?いや…。えーー!!」
俺に言われて腰を浮かそうとしたアーノルドが、いまさら俺達が酷い状態で転がっているのに気がついたのか暴れだした。
「ダメです!ハルト様!ダメです!」
ああ。うん。俺も男同士でこの状態は耐えられない。
出来れば普通に体を浮かしてくれれば、すぐに解決する問題なのだが…。
混乱したアーノルドが見当違いの方向に力を入れて暴れるので、服の装飾に使われている紐か何かが絡まって逆に抜け出せなくなっている気がする…。
むにゅ
「きゃっ!」
脇腹に俺の手でも当たったのかアーノルドが気持ち悪い悲鳴を上げた。
むにゅむにゅ
「くっ…。ハルト様…。手を動かさないで…。」
何か柔らかい物が手に触れた。
むにゅむにゅむにゅ
「あぁん!」
・・・・・・。
いやいやいや。
待て。待て。待て。
落ち着こう。
取り敢えず落ち着こう。
そう。落ち着いて…。
今は冷静にこの状態からの脱出だ。
「座標取得。位置修正。座標確定。テレポーター。」
最初からこうしていれば良かった。
アーノルドが男だろうと思っていたから、そこまでする必要は無いと思っていた。
テレポーターで脱出した俺が見たのは、暴れて仮面が脱げ落ちたアーノルドの姿。
美しい顔があらわになったアーノルドと名乗る少女の姿だった。
* * * * *
「あの…ハルト様…。」
「すまない!皆まで言うな!王宮では男も女も仮面を被って仕事をする。お前を男だと決めつけていたのは俺のミスだ。すまない!」
「いえ…。それは良いのですが…。」
「分かってる!素顔を見た事は誰にも言わない!ちょっとしか見てないから!色々触ってしまったのも悪いと思ってる!ごめんなさい!」
「えっと。あの…。」
仮面を被り直し、身なりを整えたアーノルドが俺の正面に座ってモジモジしている。
俺も俺で何だかバツが悪い。
考えなかったワケではないが、名前やら行動やら見た目の身長から男だと思いこんでいた。
あの仮面は身長や雰囲気まで男女の識別が出来ないように認識阻害するアイテムだったとは。
よく考えれば『王』でも個人の識別を出来なくするくらい従者の仮面は強力なアイテムだ。
俺ごときが仮面を被った者の正体を看破出来る様なアイテムで無いのは当然だ。
アーノルドが女性だと言う可能性も考えて接するべきだった。
あのウザイ喋りと雰囲気に騙されて変なおっさんだと思いこんでしまっていたのが間違いだった。
「ハルト様。本当に気にしないで下さい。私は大丈夫ですので。それにさっきの騒動で色々と悩んでいた事も、何だか全部飛んで行ってしまいました。結果オーライです!」
あぁ。なぜかアーノルドに気を使われて慰められていると言う情けない状態に。
だが、悩みが飛んでいたと言うなら、アーノルドがここに来て俺に胸を揉まれてしまったのも無駄じゃなかったのだろう。
うん。俺としては柔らかかっただけで問題は無かったしな。
「ハルト様。恥ずかしいのでそう言う事は心の中に閉まっておいて頂けるでしょうか…。」
「おぅ…。声に出てたか?」
「はい…。」
「それは、すまない…。」
俺とした事が声に出していたようだ…。
気恥ずかしさを誤魔化すために違う話題に切り替えよう。
「ともかく。もう大丈夫そうか?」
そう聞くと少し困った様な表情をする。
と、言うかそんな雰囲気を醸し出す。
「まあ良い。男だろうが女だろうがアーノルドはアーノルドだ。何の連絡もなく押しかけて来られても迷惑なのは変わらないが、名前を覚えてしまった人間を無碍にするほど俺も鬼じゃない。話をする気になったなら話せば良い。少し休みたいなら匿ってもやる。ただ、溜めすぎて壊れるくらいなら我慢はするなよ。」
こくりと頷く。
「俺も一人で抱え込んで壊れた事が有るからな。他人事には思えない。死ぬ気になれば何でも出来るなんて言うヤツも居るが、死ぬ気になった時には死ねてしまうんだよ。人間ってのは。王宮なんて特殊な環境に居たら余計に自分の感情を把握しにくくなると思う。逃げ出すくらい悩みを抱えているなら辞めるのも手だ。そこまでじゃないってなら上司や仲間と話せ。話す相手が居ないってなら俺が聞いてやっても良い。呼吸と同じで溜め込んだ物は吐き出さないと心が呼吸困難になっちまうからな。」
俺の言葉にもう一度頷く。
「ありがとうございます。ハルト様。王宮の事をお話する事は出来ません。王宮を抜け出す事は出来ても逃げ出す事は出来ません…。この先も私は責任を背負って生きて行かなければ行けないので…。 でも、ハルト様の所に来て良かったです。これからは何か自分なりに何か…。不安な気持ちを溜め込まない方法を見つけてみます。もし、私がハルト様を頼る様な事があった時には、お力を貸して頂けるでしょうか?」
「本当は面倒だから嫌だけどな!アーノルドは絶対に面倒なタイプの人間だし!でも、本当に必要なら話くらいは聞いてやれるし、必要なら手を貸しても良い。ローズの知り合いでもあるようだから無碍にはしないよ。」
「それを聞いて安心しました。出来れば私も自分の力だけで困難に立ち向かいたいのですが…。万が一の時にはハルト様にお願いする事が有るかも知れません。その時にはよろしくお願いいたします。」
ゴーン ゴーン
午前九時を告げる時計の鐘がなる。
「もう、こんな時間ですか。ハルト様。随分と落ち着きました。ありがとうございました。お名残惜しいのですが、大事な仕事がこの後有りますので今日はこれで…。」
「おう。俺もそろそろ準備をしないといけないから嫌だと言っても追い返してたよ。まあ、無理だけはすんなよ!じゃあな!」
「はい。分かっております。では、後ほど。」
そう言ってアーノルドは王宮に戻って行った。
王宮勤めは朝から忙しいと聞く。
リンダさんに怒られるのは間違いないだろうが、少なくとも来た時よりもマシな顔で帰って行ったアーノルドは怒られてもヘコタレないだろう。
貴重な時間を無駄にしたが知り合いが立ち直ってくれたなら、無駄にした時間も無駄な時間ではなかっただろう。
後は、さっさと支度をして王様に報告をして早くお家に帰ろう。
このまま王都でダラダラしていると、色々巻き込まれそうで嫌だ。
なるべく、今日で切り上げられるなら今日中に帰りたい。
とにかく、準備をして時間が来るのを待とう。
それしか、今の俺には出来ないのだから。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
午前 九時 四十五分
コンコンコン
軽く朝食を終えて、俺が身なりを整えたのを見計らったかの様にノックの音が響く。
予定の十五分前。
多分、リンダさんだろう。
さすが王宮侍従長と言うべきか余裕の有る来訪だ。
「はいよ。」
昨日と良い、今朝と良い、王宮の人間に気を使うのも馬鹿らしくなっていた俺は軽い感じでリンダさんを出迎えた。
「おはよう。リンダさん。」
「お早う御座います。ハルト様。昨日、お話していた通り本日の予定をお伝えに参りました。」
「はいはい。ありがとう。それで?今日は王様に謁見出来そうかな?」
あまりにも柔らかい応対で驚いたのか鋭い目つきを丸くしていたリンダさんだが、俺の質問に答えるべく姿勢を正した。
「そうですね。今朝、少し色々と有りまして…。出来れば十一時までにセッティングをと考えていたのですが…。そうも行かなくなりまして…。早くて昼食時に会食を行いながら報告をして頂くと言うのが王の提案なのですが…。私と致しましては食事の場では…。ハルト様にお許し頂けるなら妥協して十五時頃のティータイムに謁見をセッティングさせて頂ければと思うのですが…。」
うーん。俺としては早ければ早いほど嬉しいのだが。
報告を終えて早く帰れるなら、それに越したことはない。
ただ、主人の食事中にまで仕事をさせると言うのは従者としては受け入れがたいだろう。
それに休憩時間に謁見を設定すると言う事は、その後の予定もビッチリ入っているに違いない。
ここは無理を通すよりも受け入れるべきか…。
「そうですね。俺が問題ない事は散々調べられたでしょうが、食事の場にご一緒するほど信用に足る様な功績を上げた訳では有りませんから。十五時の方が都合が良いと仰るなら構いませんよ。これ以上遅れないと言うなら、そちらの方が有り難いです。」
と、丁寧に答えたが要約すると「お前が指定したんだから、これ以上遅れんなよ!」である。
「申し訳ありません。助かります。重ねて申し訳無いのですが、早めに時間が作れる可能性も無いとは言えませんので、これから一緒に登城して頂けるでしょうか。昨日の様に何の連絡も無くお待たせする事も、食事の用意をしないと言う様な失礼も致しませんので。」
まあ、昨日アレだけ何の連絡も無く待たされたのだ。
同じ条件で待たされるとなると拒否をする所だが、流石にそれは無いだろう。
それに報告を終えて肩の荷が降りない限り、王都見物も楽しめない。
この部屋に居ても何もする事が無いのだから、早く終る可能性が有るなら王宮に出向いていた方が得策だろう。
「まあ、そういう事なら王宮で待ちましょうか。無理しなくて良いので十五時には謁見して王に報告を出来る様に調整して下さい。」
「それはもう!女神ニナの名に誓ってお約束します!」
うむ。女神ニナと言うとアレな方の女神だよな。
一抹の不安を感じたが、そこを言及しても誰も幸せになれない気がするのでスルーしておく。
取り敢えず、お仕事を早く無事に終えれるよう願うしかなかった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
許す。
あぁ。全てを許そう。
そう思うくらい王宮の昼食は美味かった。
何なら謁見が先延ばしになって、夕食を食べ終わった後に謁見が明日になりましたと言われても許せるくらい美味かった。
昨日、食べたお菓子も美味しかったが想像の範囲内だった。
材料に関しては良い物だと言うのは感じられたのだが、驚きの美味しさとまでは言えなかった。
だが、今日食べた昼食は違った。
正直、何をどうすればあの味が出せるのかは分からない。
素材の旨味を最大限に引き出す調理と味付けがされているのは確かだ。
確かなのだろうが、どうやってあの味を引き出しているのか分からない。
この世界の作物は基本的にどれも美味しい。
中でも王室お抱えの農園で採れる作物は格別に美味いと言う。
代々王家に仕える世界一のファーマーが丁寧に農作物を育てて献上していると言う事も王宮の食事が美味い理由の一つだろう。
この世界の作物は王家の農園で品種改良された物で、その多くが一般でも育てられるよう安価で種などが売られているが、その作物の特性を最大限に引き出して育てられているだろうと言うのも王宮の食事が美味い理由の一つだろう。
だが、それだけじゃないってのはアレを食べれば嫌と言うほど思い知らされる。
王家にしか伝えられていない調味料や調理法、調理器具などが有るのではないだろうか。
そう思うくらい今までに食べた事の無い美味さだった。
残念ながら、あの料理を正確に表現する言葉を俺は持っていない。
何がどうなっているのか理解するだけの料理の知識を俺は持っていない。
悔しいが王宮で提供される料理と言うのは、俺程度の客人に提供される料理であっても半端ない美味さなのだ。
ただ、惜しいのは冷えた料理しか無かったと言う事。
あと、毒味したっぽい形跡が有る事。
それを込みでの盛り付けで、冷えた時の事を考えての味付けなのだが…。
あの料理が温かいままで提供されたなら、どんなに美味しい味になるのかと考えると悶絶しそうだ。
・・・・・・。
はぁ。もう、王宮で一生引きこもってたい…。
キッチンとかに住み込んで毒味でも良いから温かい状態の料理をひたすら食べていたい…。
コンコンコン
部屋にノックの音が響き、俺の妄想を打ち破る。
「どうぞ。」
もっと、あの料理の味を反芻していたかったが、お仕事の時間のようだ。
俺の了解を得てリンダさんが部屋に入ってきた。
「お待たせしました。ハルト様。あと十分程度で準備が完了致します。」
「ああ。分かった。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
しかし。あと十分なら準備が完了してから呼びに来てくれれば良いものを。
ここに来て、あまり親しくもないリンダさんと十分間と言う中途半端な時間を密室で二人きりで過ごすと言う気まずさを味合わされるとは…。
特に何も話す事も無く凄く気まずいんですけど…。
「そう言えば、昼食はお口に合いましたか?」
「あぁ!美味かった!何がどうなっているのか分からないが、あんな美味い物を食べたのは初めてだ!」
「それは良かったです。料理人に伝えておきますね。普段はそれが当たり前なので感想を聞く事もあまり無いので喜ぶ事でしょう。」
「あぁ!あんなに美味しい料理を作ってくれて凄く感謝していたと伝えてくれ!」
「はい。承知しました。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
会話終了!
もぉ!すっごく気まずい!
「はぁ。さすがに緊張してきたな。」
あまりの気まずさと、間の持たなさに本音が漏れる。
「大丈夫ですよ。王が民と接する機会は少ないですが、王は民を愛されておられますから。最低限の礼節を持ってお話して頂ければ問題ありませんので。私としては貴族の傍若無人っぷりの何割かを見習って頂きたいくらいなのですが…。本当に分け隔てなくお優しい方ですから。」
「ふむ。噂には聞いてはいるけど、本当に優しい方なんだな。」
「えぇ。それも魅力なのですが…。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ほら!やっぱり気まずい!
コンコンコン
二度目の沈黙を打ち破りノックの音が響く。
「リンダ様。準備が整いましたので移動をお願い致します。」
「わかりました。すぐに向かいます。」
冷静な受け答えとは裏腹に満面の笑みを浮かべるリンダさん。
「リンダさん。次に同じ様な機会が有ったら準備が出来てから呼びに来てね。」
コクと頷いた様に見えたが、次の瞬間には気を引き締めたのか凛々しい表情を取り戻した。
「さあ、王を待たせる訳にはいきません。移動をお願い致します。」
* * * * *
リンダさんに促されて王の待つ部屋まで数分。
「ハルト=ニイド氏。入室致します。」
中からの返事を待ち、突き当りの角部屋に通される。
待合室も充分に広かったが、この部屋は広さも造りも全く違った。
王が客人を招く為の部屋だと言う事が見ただけで分かる。
多分、この時刻にはこの部屋に通されるのだろう。
外からの太陽の光の入り方などが計算して造られていると言う事がよく分かる。
俺が部屋に入ると太陽に照らされたステンドグラスを背負い、王と思われる人物のシルエットが目に入る。
その光景は神との遭遇を思わせるような。
特別な人物との遭遇を演出する荘厳とも言える光景だった。
「待たせてすまないね。私としてはもっと気楽な部屋で謁見したかったのだが。どうも周りの者がこう言う演出が好きでね。気を楽にして席に着いてくれたまえ。」
優しい声が部屋に響く。
この世界に来て王と謁見するのは初めてだが、どこか懐かしく安心感を覚える声。
そして、包容力の有る雰囲気が場を支配する。
全種族の長。
王と言う種族の存在意義を一言発するだけで示す事の出来る人物。
もっと軽く考えていたが『王』と言う存在は特別な存在なのだと異世界から来た俺にも感じられた。
「失礼致します。この度は謁見の機会を頂き有難うございます。ハルト=ニイドです。」
席に着く前に深々とお辞儀をする。
「いやいや。もっと気楽にしてくれたまえ。それにもっと近い席に。せっかく非公式にした意味が無いからね。気楽に詳しく話してもらわないと意味がない。ほら!人がこんなに居たんじゃ彼もリラックスも出来ないだろう?もう大丈夫だからリンダ以外は外に出て!それに彼はフィーナの弟子なのだろ?彼女ならともかく彼女が自分に迷惑を掛ける様な弟子を取るはずがないだろう?安心して外に出て。ほらほら。」
王の声を受けてぞろぞろと従者の人達が部屋を出て行く。
何だか王様がうちの師匠についてサラっと酷い事を言っていた気がするが「あぁ。知り合いなのか」程度で聞き流しておいた方が、みんなが幸せな気がする…。
うん。ここは深く掘り下げずにいよう。
俺は言われるがまま王の近くの席に着席した。
この距離まで来て初めて王の顔がハッキリと見える。
その顔は、噂に聞く通り色々な種族の特徴が合わさった様な不思議な雰囲気を持つ顔立ちだった。
そして、もう一人。
王の近くにベールを被った女性が座っているのに気がついた。
「では、改めて私の自己紹介をしよう。私が現王のメビリオ=アンリエル=ソルティエラである!なんて言うと王様っぽいが魔王が復活でもしない限りお飾りだから、この席ではあまり気にしないでくれたまえ。」
「あはははは…。」
意外と気さくっぽい感じだが、その軽いノリにどう受け答えをして良いのか困ってしまう。
気楽にしてと言う言葉を本気にして「そうですね!お飾りですよね!」とか答えようものなら、リンダさん辺りから何か飛んでくる気がする…。
もう、笑うしかないと言うのはこの事だろう。
「そして、同席を一人お願いしたいのだが構わないかい?」
と、王がベールを被った女性に目を向ける。
確かに俺も気になっていた。
従者が退室させられ、残った者と言う事は今回の報告に直接関係する人物だと言って間違いないだろう。
つまり…。
「ええ。構いませんよ。と、言うよりも私に選択権は無いでしょうから。それに今回の報告を聞かなければ行けないのは現王よりも、そちらの女性だと言う認識で構わないでしょうか?」
「理解が早くて助かるよ。ハルト君の予想通りで正解だ。継承前なのでベール着用の無礼を先に詫ておくが彼女は私の娘。次王継承第二位アイリス=ノアルード=ソルティエラ。もし、魔王と対峙する機会が早く訪れるとするなら私か彼女と言う事になる。私が『王』である期間は残り少ない。出来れば今回の件の全てを彼女に伝えて欲しい。もしもの場合、彼女が困らない為にも。」
「承知しました。少しのお時間ですがよろしくお願いいたします。アイリス王女。」
コクリと頷く王女。
以降の反応はない。
当然と言えば当然だろう。
王位を継承していないと言う事は『王の種』を消費していない状態なのだ。
万が一の事を考えて戴冠前の王子王女が王宮の従者以外の異性の前に現れだけでも特別な事。
この謁見で直接に言葉を交わす事は無いだろう。
「許してくれたまえ。事情は理解してくれているだろうが、戴冠前の子が異性と同じ席に居ると言う事態が特別でね。それだけ魔王襲来と言うのは我々『王』にとっては最優先事項と言う事なのだよ。故に今回は話を直接聞かせたくて同席させている。出来れば昨日のうちに謁見したかったのだが、第一子を病で亡くし継承順位第二位として王宮に住むようになって以来、役割を果たそうとこの子も必死でね。異性と同席する事は出来ないと逃げ回っていたそうだ。ハルト君にはそのせいで謁見が遅れてしまった事を重ねて詫びるよ。許してくれ。」
「げふんげふんげふん…」
リンダさんが王の発言に咳き込むくらい、昨日は俺の知らない所で色々あったようだ。
確かに、王族の血の力を考えると王女が警戒するのも分からなくもない。
王女がプルプルと肩を震わせているのも、この場に居ると言う不自然さに違和感を感じての事だろう。
第一子が病で亡くなった事で、本来なら担わなくても良い重責を担い役割を全うしようとする王女を責める事は出来ない。
王女の昨日の行動は彼女なりに次王として役割を果たそうとした結果なのだろう。
許そう。
全てを。
お昼ごはんが美味しかったとかでは無く、王女の責任感を考えれば当然だ。
「いえ。お気になさらずに。昨日は何も伝えられなかったのでモヤモヤとしましたが、事情が分かれば当然の事です。王女も先程から肩を震わせ泣いていらっしゃる。必要な報告を早く済ませて、この普通では有り得ない状況から開放して差し上げるのが最善かと。」
ガク…
プルプル…
「申し訳ありません!申し訳ありません!申し訳ありません!」
なぜ、このタイミングでリンダさんが膝をついて、うなだれてプルプルしながら謝っているのか分からないが、昨日は相当な王女大捜索があったのかも知れない。
「うむ。リンダよ。ハルト君もこう言ってくれている。昨日の事はお前だけの責任では無いのだから気に病まなくて良い。継承順位八位とは言えお前は私の妹だ。『王』の血を引くお前に頭を下げられては、逆にハルト君が困ってしまうぞ?さあ。資料を配っておくれ。ハルト君が言う様に報告を聞こうではないか?」
え。あ。うん。そう言う事は出来れば知らないでおきたかった。
昨日から王族に頭を下げられっぱなしなんですけど…。
* * * * *
リンダさんが現王の妹で継承順位八位だったと言う事実に衝撃を受けたものの報告は順調に終わった。
王としての特徴が発現するのは戴冠した『王』だけだとは言え、王宮侍従長と言う微妙に重要な位置に王族が居るとは思わなかったから動揺はしたが、報告を始めたら意外とスラスラと話せるもので問題は無かっただろう。
「なるほど。確かに判断しにくい状況ではあるな…。」
俺が提出した報告書を何度も見返しながら王が思案している。
「そうですね。ポテトイーターと言っても七つ星の帝王ですから、それなりの魔法抵抗力は有るはずです。その七つ星の帝王を自由自在に操り、その体を通してグラビティウォールプレスを放つと言う曲芸を行えるくらいの実力の持ち主と言うのは間違いないでしょう。そんな状態でも比較的初級とは言え禁忌魔法を操れるくらいには。」
「もし、魔王カルキノスでは無かったとしても、相当の使い手が無傷で野放しと言う可能性も考えられると?」
「はい。そう言う事になります。ポテトイーター以外の部下を引き連れていなかったと言う状況から単独犯だと思いますが、そんな芸当が出来る人物がこの世界で反旗を翻すとなれば、それはそれで厄介ですね…。」
「そうだな。これまでの反抗勢力を考えても別格と言って良いだろう。その様な人物が何の予兆も無く突然現れたと言うのは考えにくいのだが…。」
「ですが、才能に突然目覚める者や天才と言うのは予兆無く現れる事も有ります。魔王カルキノスであると言う可能性も考えつつ、今回の件を成し得る人物が居なかったか調査する必要はあるでしょう。」
「多角的に検証する必要はどうしても有るな。そちらは全力で調べさせるとして…。本当にこの報告通りの人物が魔王カルキノスだったのかと言う点なのだが…。」
『それは私も気になります!!なぜポテちゃんを操ったのか!?』
やっと気になる話題に入ったとばかりに、王女がスケッチブックを贅沢に使い話題に参加した。
ベールを被って顔は分からないが、純白で清楚ながらも豪華な衣装をまとった王女がスケッチブックに文字を書いて会話する姿は何ともシュールだ…。
かなり気になるが、王族のやる事をイチイチ気にしていては話にならない気がする…。
「自称魔王が言うには波長が合って操れたのが七つ星の帝王だったと言う事ですね。まあ、この理由がもっともな理由な気がして微妙に本物感を感じますね…。」
俺の言葉を聞くと喜々としてスケッチブックをめくり新たに文字を書き出す王女。
それを嬉しそうに眺める王様。
うん。この王様の表情。
多分、相当な親バカな気がする…。
第一子が亡くなっているだけに、他の子が可愛いのかも知れないが、ダメなタイプな親バカな気がしてならない。
書き終わったのか王女はフン!と鼻を鳴らしてスケッチブックを前に掲げる。
『どうして、それが「もっとも」と感じるのでしょうか?実は可愛い物好きだった可能性は!?』
可愛い物好きだった可能性は考えなかった…。
そうだとしたなら、威厳を損なってまで魔王カルキノスを名乗ったかどうかと…。
「そうですね。おとぎ話では簡単に魔王を異世界に追いやったと書かれていますが、異世界への扉を開くのは容易では有りません。例えば天界や魔界への扉を開くよりも難しいと言えます。天界や魔界は大きな括りで言うと少し位相が違うだけで、この世界の延長線上に有る同じ世界だと言っても過言じゃないです。私の師匠が異世界への扉を開こうと研究をしていますが、彼女でも異世界の存在を確認する事は出来ても、その異世界を観察する事すら出来ないのです。成り立ち事態が違うのではないでしょうか。魔王が異世界に封印されて何千年もこの世界に干渉出来なかった事を考えると、ランダムで制御出来る個体を探して偶然に操れたのが『七つ星の帝王』だったと言うのは確かに真実味が有る理由だと私は感じるのですが、ご理解頂けるでしょうか?確かに可愛い物好きを隠す言い訳と言う可能性も少しは有るかも知れませんが…。」
長々と説明をしたものの途中から用意していたのだろう。
『(´・ω・`)よくわかりません…。』
と、書かれたスケッチブックが早々と差し出された。
出来れば、分からないと思った時点で出して欲しかった…。
「そうだな。アイリスよ。この世界が魔王カルキノスの出現までは種族間の争いが有ったのは習っただろう?もし、魔王カルキノスが現れず種族間抗争の末にドワーフしか生き残らない世界になっていたとする。そうなると肉体派の彼らの事だから世界は魔法の廃れた世界になっていただろう。つまり、世界の構造は現在とは違う世界になっていた可能性も有るのだ。それが異世界かと言うと違うとは思うのだが、この世界とは違う仕組みの世界が他にも有るとされている。それが『異世界』だと考えると分かりやすいのではないか?」
『何となく分かった気がします!(`・ω・´)ノ』
少し違うが何となくでも分かってもらえたなら問題ないだろう。
「正直な所、私が簡単に説明出来る次元の話ではないので、大体こんな感じと言う事が分かって頂ければ問題ないですね。世界の理が全く違い、双方の世界は干渉や観察すら非常に困難だと言う事を理解して頂いた上で、自称魔王の話を鵜呑みにするなら、その理を解析して再びこちらに干渉や帰還をしようと画策している可能性が有ると言う話は真実味が有ると言う事なんです。」
『確かに…。そんなに難しいなら、まずは足がかりを探そうと小さな事からコツコツと実験してみると言うのも分かります。』
「え?じゃあ、やっぱり本当に魔王カルキノスの可能性もあるのか?」
王女が声を出せないながらも頑張って発言しているのを見て和んじゃったのか、王が素っ頓狂な声を上げる。
貴重な声を拝聴出来てアレなのだが…。
一応、王と言う立場を考えると、もう少し緊張感を持って発言してもらわないと、こっちがビックリしてしまう。
俺もビックリしたが、リンダさんも驚いたのか一瞬目を丸くしてすぐにキッとした目つきで王様を睨んで自制を促していた。
「失礼。そう考えると魔王カルキノスの可能性も有るのか。数千年諦めずに戻って来よう頑張っているとは…。意外と努力家なのだな。」
思った以上にテンパってるのか魔王を賞賛する王様に俺はどう返せば良いのか…。
「自称魔王が努力家かどうかは置いておいて…。全てを信じるならこの世界への帰還を諦めていないと言う事になるでしょう。女神が『王』を造られたのが万が一の際の予防対策だったとしても、その可能性を考えられた上で行われた事でしょう。今回の件を予兆として本格的に準備をしても損は無いのではないでしょうか。明日戻ってくるか何百年、何千年先に戻ってくるのかは分かりませんが…。」
「うむ。そうだな。取り敢えず定期的な調査と報告の徹底を指示しよう。後は各種族との連携の強化と実力者への協力要請か…。万が一、私達が生きている時代に魔王が帰還する事になったら申し訳ないが力を借りる事になる。君たちに拒否権は無く申し訳無いが力を貸して欲しい。よろしく頼む。」
俺としてはこの世界で何事もなく無事に人生を全うできれば、それが一番の幸せだ。
出来れば街でダンジョンを運営しながら冒険者が最深部に到達するのを眺めながら地下の工房にでも引きこもっていられるのが理想だ。
何かを頑張ったとしても魔法の研究や妙子ちゃんを元の世界に戻す為の研究をして、あっちとこっちの行き来が自由に出来るようになったら面白いだろうなくらいしか考えていなかった。
だが、実は単なる親バカっぽい、人の良さそうな王様に頭を下げられて頼まれたら…。
こう言うしかないだろう。
「もちろん。私でお役に立てるなら。」と。
どうも。となりの新兵ちゃんです。
うん。どうしよう。
読み返してみると結構長いのに思ったよりも内容が無いよぅ!?
忙しさと精神的に落ち気味だったので、いつも以上に文章も下手ですし。
書き直す機会があったら書き直したい感じですね。
こんなんで思っている通りの着地点に持っていけるのだろうか…(´・ω・`)
これまで以上にアレな「其之三」ですが次回以降もお付き合い頂ければ幸いです。
と、言う事で今回もお付き合い頂きありがとうございました。
それでは、またいつか。




