表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/71

EX-1.0|Do you believe the Devil?

 日が暮れる。

 空を真っ赤に染めて太陽が沈み夜がやってくる。

 朝日と違って夕日はどうしてこんなにも切ない気持ちになるのだろうか。


 それは失うから。


 動物と言うのは無意識的に失う事を恐れる。


 犬猫でも大事な物を土に埋めたり、隠したりするでしょ?

 あの畜生どもだって失うのを恐れるのだから。

 人間が夕日を見て無意識に光を失う怖さを覚えても仕方がない。


 闇夜であろうと街に光が溢れる現代。

 その光の中に居ても人間は闇を恐れる。


 それは至極当然の事だ。


 失う恐怖は生命が誕生してから何億年も紡がれた呪い。

 その呪いに打ち勝てる生命など、ごくわずかなのだから。


 失うと言っても色々ある。

 小銭を落としてちょっとガッカリする事も有れば、身近な人間を失って何日も立ち直れない事もある。


 大なり小なり質に違いは有れど…

 失うと言う事象によって発生する『ソレ』は私にとってとても美味しい栄養素。


 特に、人間が自分の死を認識しながら、死に怯え死んでいく時のアレは格別だ。


「WW1くらいまでは良かったのにな。WW2のアレはダメだ。死の間際に神に祈る事も、お母ちゃんを思い出す事すら出来ない虐殺なんてのはクソだ。そりゃヤツもコントローラー投げるわ。」


 思わず、声に出しひとりごちる。


 自分の死の瞬間に強烈な恐怖や恐れを感じられない死なんて、いわゆる魔の者でも鼻をつまむ。


 ただでさえ、マニュアルを改ざんして自分たちの良いようにルールを変更するなどと言う愚行を人間は行っている。


 コマンド選択してもコマンドが実行されないとか、どんなクソゲーだよ。

 私ならその時点でクソゲー認定して怒りに任せてディスクを叩き割るぞ。

 人生クソゲーとか言うヤツが居るがお前ら全部クソゲーだっつーの。


 その点、彼はネバッた方だと思う。


 ちゃぶ台返して、地球規模の大洪水を引き起こすとかは、事情を知らないヤツから見れば酷い仕打ちに見えるかも知れないが、言う事を聞かない駒を必死に育ててやっとマシになったと思えばあの仕打ちだ。そりゃお気に入りのキャラ以外はデリるだろ。


 まあ、助けたお気に入りのキャラも、結局は代を重ねるとマニュアルを改ざんして同じ事をするワケなんだが、ヤツがお人好しだからこそ、あそこまで引っ張ったワケで頑張った方だと思うよ。


 じゃなければ、放置中もイベントが進むこの世界で、人間が未だに滅亡もせず生き残ってるワケがないからな。


『あいつ、たまにログインしてるんじゃね?』と、思うくらい今のこの世界の状況は奇跡的なのだ。


 まあ、ヤツに関しては私も他人から聞いた話。

 本当に居たのかどうかなんて分からない。

 今となってはヤツが居たのかも知れない痕跡が語り継がれるだけ。

 バチカン辺りが証拠を隠し持っているかも知れないけど、一般には公開どころか公表される事すら無いだろう。

 聞いた話じゃ、あそこは昔からそう言う組織だ。


 ユニットを引き上げた側からマニュアルを改ざんされるとか実に笑える。

 そりゃ、中東辺りで新たにユニットを作ってリスタートしようと思うわな。

 まったく、笑える話だ。

 もし、ヤツに会えるなら同情と慈愛を込めて思い切り煽ってやりたい。

 それは、さぞ楽しい事だろう。


 彼がこの世界を投げ出した後でも、己の欲望に従い繁栄しつづけた人間達の繁栄。

 だが、その奇跡的な繁栄も終焉の時は近い。


 人間の多くは勝手に潰し合ってくれて、人間同士の憎悪は拡大を続ける。


 美味しいったらない。


 人間の我儘が原因で、ヤツはこの世界を投げ出してくれた。

 おかげで、私たちは随分と楽しませてもらっている。


 と、言っても。

 私自身は何の旨味もない極東の過疎地で生まれたから、こうやって地道に稼ぐしかないのだがな。


 ヨーロッパ辺りの仲間は向こう千年ぐらい何もしなくても良いくらいの蓄えがあるらしい。


 と、言う話を聞くと羨ましくなる。 まあ、最近は取りっぱぐれたイスラム圏の仲間から嫌がらせを受けているみたいだしいい気味だ。 北米辺りも生き難いとは聞くがアレだけ人口と人種が入り混じれば、貯蓄は出来なくとも生きていくには不自由しないだろう。 恵まれた環境に居るのに北米の奴らはハンバーガーをクチャクチャ食いながら愚痴をこぼしやがる。 そんな奴らには「黙れデブ」と言ってやりたい。 FPSなら真っ先にヘッドショットして「nooooob!!」って煽ってやるところなのだが…。 あいつら粘着質なので本当は相手したくない。


 まあ、極東の島国に縛られてる私からすれば、どの地域を見ても羨ましい話だ。


 なにはともあれ、今日も今日とて地道に内職をして日銭を稼ぐ。


 色々と張り巡らし、色々と紡ぎ、追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで!


 一番、美味しい時に美味しく頂く。

 お腹いっぱい食べられるのも嬉しいけど、熟成して旨味が凝縮した絶望もまた違った美味しさがある。


「でも、こないだのは惜しかった」


 結構、手間暇をかけたのになぁ。

 どう言うワケか『私のお気に入り』が突然消えた。

 私の結界が万能では無いとは言え、街を出たなら街を出た時点で分かりそうなものなのに。


 私に気が付かる事なく街を出る事ができるだろうか?


 お守りや護符で私の探知を防げたとしてもおかしな話だ。

 そんな強力な物を所持したなら、所持した時点で効果を発揮しているだろう。

 私がそれに気が付かないワケがない。


 その護符などが、封印されていた可能性も有る。

 だが、そこまで強力な護符やお守りに封印を施せる人間なんて、作れる人間が居たとしてもこの星に数人いるのか?ってくらいのレアアイテムだ。


 そんな物を普通の女子高生が入手出来るワケがないしな。


 あの夜『自殺衝動(小)』が発動したから小踊りして待っていた。

 待っても待っても何も起こらない時点で気がつくべきだったのかも知れない。

 おっさんを誘導してラジオの音量を大きくし、絶妙なタイミングでメールが読ませてフラグ立てまくったのに何も起こらない事に疑問を感じるべきだった。


「まあ『小』だから」と放置するんじゃなかった。


 次の日から学校にも来ないとか意味不明だ。

 さらに次の日には先生からの行方不明宣言。

 あれから数日が経っているが手がかりも無し。


 世間で出回っっている超常現象なんてのは、大半が妄想やでっち上げだが…


「これは本物だ。」


 私が言うんだから間違いない。

 明らかにおかしい。

 あまりの異常な状況に、確認するため家まで来てはみたが…。


 外からは何も確認出来ない。

 何かの痕跡すら感じられない。


「押し入って部屋を確認するか?」


 そうしても良いけど、今の私ではリスキーな賭けだ。

 もう少し、この街で稼ぐつもりなのに。

 今、ここで危ない橋を渡るのか?私?


 思案している間に周りはもう真っ暗だ。クソ!

 遠くで輝くLRDの街灯がやけに眩しく鬱陶しい。


 私としてはこれからの時間の方が活動しやすい時間なのだが…。


「確認するだけなら、無駄に危険を犯してまで押し入る必要もないか…。」


 幸いあいつとは同クラだ。

 先生を通して、あいつの親にアポを取って日曜日にでも堂々と部屋を見せてもらうとしよう。


「ったく。面倒くさいにゃー。」


 そう決めて引き返そうとした時、四十代半ばくらいのおばさんに声をかけられた。


「失礼ですが、もしかして妙子のお友達でしょうか…」


『ナイスタイミングだよ!ババア!年増は趣味じゃないが事が終わったら特別に美味しく頂こうじゃないか!!光栄に思え!!』


 テンションが上り、素の私が出そうになる。

 だが、グッと堪える。

 人間を騙してしゃぶり尽くすのには第一印象が大切だ。


 私は初めて会った伊丹妙子の母親に対しに自己紹介をした。


「はじめまして…。突然すいません。妙子ちゃんのお母さんでしょうか。妙子ちゃんとは凄く仲良くしてもらっています。同じクラスの『糸氏 樹々』と申します。妙子ちゃんが行方不明と聞いて心配で立ち寄ったのですが、押しかけるような形になって申し訳ありません…。あの…あの…。」



 妙子と同じ制服を着た『イトウジ ジュジュ』と名乗る少女は丁寧に挨拶をする。

 一拍置くと、感極まった様に大きな声で泣き出して、その場で泣き崩れてしまった。



 太陽が沈みきった街の中に響く泣き声。

 嘘で塗り固められた泣き声。

 その嘘泣きを見破れる『人間』など、この世界には居なかった。


 伊丹妙子が真綿で首を絞められるように紡がれた呪い。

 その呪いが伊丹妙子の母親にも向けられようとしている。


 それに気付く『人間』など、

 この世界には誰も居なかった。

どうも。隣の新兵ちゃんです。

番外編ですが新キャラ登場です。

女性キャラです。

舞台は現行の地球に近い、どこかの世界です。

気分を悪くされる方も居るかも知れませんが、キャラの個人的な考えです。

万が一の事を考えて魔法の言葉を記載しておきます。


※この物語はフィクションであり、実在の団体、地域、施設、個人とは一切関係は有りません!


どこで本編に絡ませようか未だに思案中ですが、そのうち出て来ると思います。

結構、酷い感じになると思いますので、あまり期待せずにお待ち頂ければと思います。


それでは、またいつか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ