センブルク
目的地をセットし、自動運転が起動…。案内ルートが表情され、到着予定時間は2時間との事…。
車の中は静寂に包まれている、お互い今日が始めましてだからだ。
すると、シオリの方から先手を打ってきた。
なんで"センブルク"にするの?不意に隣に座っているシオリが聞いてくる。彼女はゲームに参加する為に組まされたバディだ。
【聞きたいのか?】
そう返すと、シオリは小さな頭を縦にぶんぶんと振り返答を待つ。
【武器を調達する為さ、、、】
そう言い、悪い顔を浮かべる
センブルクは治安が悪い事で有名で、他の都市に比べ1日の犯罪件数1位…&死亡数1位。
となっている為、とてもではないがオススメ出来る所ではない。
俺に借りがある奴がセンブルクに住んでるんだ。
そいつから、利息付きで借りを返して貰うんだ。
【うん、理解した。】
反論などが投げかけられると思ったが、特になかったらしい。俺の計画に納得した様だった。
しばらく、車を走らせたのち…。
センブルクに向かう道中、レバロンに差し掛かった。
中央国家
すべての原点、ここから始まった。祖先たちが積み上げて来たものを、風景として感じられる場所。
人類のすべてがここにある。
高度に発展した街、流行の最先端。
とてもではないが、地下世界とは思えないぐらい煌びやかな街並みが並んでいた。
しかし所々に歪さを感じる場面が見られた、ホームレス、ヤク中…警察の腐敗。
【こんなクソな世界、潰れりゃ良いのに。】
歯を食いしばり…そう呟く…。
レバロンを通り過ぎ、車を北へ走らせる。
すると、段々と煌びやかな場所から、一転…地獄の様な風景を目の当たりにする。
ロケットランチャーを構えた暴走族が人を引きずり回し、チェンソーを吹かし追いかけ回す変人。警察署など落書きだらけで、機能していなさそうだった。
まるで、世紀末ヒャッハーな世界だ。
自由の国
すべてが自己責任、ここではルールはない。
人が制限される事はないが、自分を守るルールもない…。すべてが自業自得の国
【ここなら、俺等が問題をおこしても捕まる事は
ないだろ…】
そう、センブルクならお尋ね者がやらかしても、誰も気にも止めないし、口を挟むこともないだろう。
【ぐっ…ぐぅ~むにゃむにゃ】
相棒は長旅でおねむの様だ。
【やっぱり…ガキだな】
シオリの寝顔を見てそんな事を思っていると。
(到着しました、ご乗車ありがとう御座いました。)
自動運転に設定した場所に到着を告げるため、
アナウンスが車内に流れた。
その音でシオリも目が覚めた様で目を擦りながら。
【もぅ…つ、着いた?】
夢の世界から急に起こされ、若干寝ぼけているようだ。
車は一軒の家の前に停車した。
【あぁ、着いたぞ。】
そう言い、シオリに声をかけ車を2人で降りた。
すると、車は自動で発進して来た道を帰っていった。
【ここであってるの?】
そんな言葉がシオリから出るはずである、その家はボロボロのあばら家だからだ。
【悪りィな…これが俺の家だ】
そう…ここはロットのアジトだった。
呆然と立ち尽くすシオリを他所に、ロットは家の方に歩を進める。
ドアを開け、部屋の電気をつけると古いカセットテープ、オーディオ、ブラウン管テレビが散らばっている。
【まあ、気楽にくつろいでくれや】
シオリに声をかけて、我が家に招き入れた。




