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虚飾の城 7

「人の心に永遠などあるものか。婚礼の儀でそう誓ったところで、実際はどうだ」


 俺の母、皇帝ゲオルグ、愛妾を持つ貴族たち——。


「では、どうしたら信じていただけますか?」

「分からん。分からんが今はこうしていたい」


 フィーアの胸に自らの顔をうずめた。


「大きな子供ですこと」


 エルンストの頭をフィーアは優しく抱えた。


 開け放たれた窓からは、満開を迎えた百合の香りが風に運ばれて、部屋を満たす。


「ちょうど今頃だ、母が亡くなったのは。俺は夏が嫌いだ」

「お辛い記憶ですね」

「生きながら罰を受けているようだ。母の犯した業が俺と言う存在だからな。だが、お前に比べれば・・・」

 

 エルンストの指がフィーアの髪に絡む。


「お前を大切なものにしてしまったら、お前にも災いがおこりそうで怖いのだ・・・」


 予言めいた言葉はフィーアによって遮られていた。エルンストの不安を打ち消すように。


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