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屋久島の奇跡
7月26日午前5時 屋久島町役場
「おはようございます町長。昨日は遅くまで来客お疲れ様でした・・・ってうわぁ!何だコレ!」
一向に戻らない町長を呼びに職員が町長室に入ると室内を見て驚き叫ぶ。
町長室の中は木箱に入った沢山の新鮮な魚介類と野菜や薬草が天井近くまで積まれており、水が入った大きな樽が幾つも置かれていた。
大木は樽にもたれ掛かるように熟睡しているようだった。
我に返った職員が慌てて大木町長に駆け寄って介抱を始める。
3羽のツバメはその光景を見届けると、町長室の窓際からシュッと飛び上がり北の空高く昇って行った。
大木町長が職員に起こされた直後、屋久島の停電が復旧し電力が回復した。
車や漁船の故障も治り、本土との通信も可能となった。
大木の悩みはひとまず解消されたが、大量の水や食糧がどこから届けられたのか、大規模な停電と電子機器の故障が何故「屋久島だけ」復旧したのか原因は不明だった。
この出来事は「屋久島の奇跡」として政府中枢が密かに注目する事になる。
不思議な事に大木町長と案内した職員からも深夜に訪問した老人達の記憶は消失していた。
翌日、世界遺産に指定されていた樹齢1700年の縄文杉が忽然と消失しているのが島民から通報されることになる。




