作戦会議
火星隕石群が地球に迫る中、迎撃手段に決め手を欠く人類と''訪問者''達は作戦会議を開く事になった。
【東京都新宿区市ヶ谷 防衛省統合幕僚監部 特別任務部隊 植人司令部】
「師匠、俺なんかが参加しても良いのですか?」
光太郎が一郎に不安そうに尋ねる。
「おぬしは、植人としては早い時期に能力に目覚めたのじゃ。そして、儂が知る限りでは一番人間らしくもある。じゃから、何かしらのヒントを皆に与えられるかも知れんな」
一郎が珍しく光太郎を褒める。
おだてられると直ぐにその気になってしまう光太郎は、
「はいっ、師匠の一番弟子として恥ずかしくない意見を出して見せますっ!」
元気よく返事をするのだった。
そんな姿を夏乃は眺めながら光太郎が斜め上の発想にならなければいいけど、と一人危惧していた。
全世界の科学者、軍人、訪問者、各分野で活躍する植人代表が衛星回線で作戦会議を始めた。
「つまるところ、我々は''訪問者''のシールドを破壊しなくては、どんな武器も通用しないのです」
迎撃作戦司令官のシャープ中将が皆に説明した。
「訪問者が形成するシールドは電撃、ミサイル、銃弾、素手、毒ガス等あらゆる物理的な攻撃を無効とします」
「レーザーや音波兵器は?」
「シールドで反射又は吸収されてしまい、やはり効果がありません」
「植人のバリアーは?」
「訪問者達に比べると微弱です。具体的には100分の1程度でしょう」
「では訪問者1体に付き、100人の植人部隊が対応すれば良いのでは?」
「おっさん、無茶ぶりするなよ~」
泣いちゃうぞ、と光太郎は思った。
「どう思いますか?ミスター・コウタロウ?」
え?俺?焦る光太郎だが、思わず。
「シールドを破る事を考えるのも大切ですが、思念波を発動させない又は乱す事が出来るか?ではないでしょうか?」
と言ってしまった。
会議参加者が黙考した。
「儂らが思念を乱すことはあるのかの?」
チクシュループ婆が言った。
「訪問者の皆さんは『心が乱される』事やトラウマとかないのでしょうか?」
「……」
光太郎に訊かれた訪問者達は更に黙ってしまう。
「例えば、日本の昔の映画で『日本○没』や、アメリカの映画で『ア○マゲドン』とか『ディープ○ンパクト』有りますけど知ってますか?」
光太郎が質問する。
「……」
訪問者は皆返事がない。屍の様だ。
「では、1度ご覧になられては如何でしょうか?」
光太郎がアッサリと言った。
光太郎の発言で会議は休憩に入ったが、訪問者達は引き続き、参考映画の上映会となった。
5時間後、会議が再開されたが、訪問者達は皆が泣いていた。
「主人公が一人残って娘の幸せを祈りながら爆破スイッチを……」
号泣するバリー。
(えー?おたくの国の映画でしょうに)
唖然とする光太郎。
「恋人を想いながら海底に沈む彼が~うわーん」
クイーンがハンカチを噛み締めて涙を流す。
「儂はそんなつもりは無かったんじゃ~ちょっと大きいからって調子に乗るなと思って焚き火を炊いただけじゃ~」
何かのトラウマに触れてしまったのか、チクシュループ婆が鼻水を振り乱しながら懺悔する。
「チクシュループ婆は恐竜時代に地球に落下したから……ねぇ」
カナダのチャップがこっそり光太郎に念話で説明する。
(恐竜にムカついて、地球規模の焚き火なんて、ちょっと洒落になりませんがな)
呆れる光太郎。
「え……そんなに?」
人類側参加者は予想外な訪問者達の過激な反応に相当引いていた。
「何だか大きいヒントが出てきたような?出てないような?」
シャープ司令官は首を傾げながら会議を再開するのだった。
作戦会議の終了後、米国ハリウッドや日本の映画、アニメスタッフが両国の国防施設に集められ、とある作戦への協力を求められるのであった。
ここまで読んで頂き、ありがとうございましたm(__)m




