復興と迎撃
9月10日のG8後の世界は地域ごとに復興を遂げていった。
最初に国内生産活動が軌道に乗り周辺国に支援を拡げたのは日本国である。
国土が比較的小さく人口密集地帯の規模は世界最大だが、それらは連なっているため1度回復すると後は僅かな時間で地方まで復興が拡がるようになっていった。
また、植人研究とその実用化がG8で一番最先端を走っていたからだろう。
久島兄弟や御池の支援のもと、光太郎の「ツバメ」大隊を中心に植人の救助・保護活動や復旧作業を通じた人類社会への懸命な献身が世間に認められたのである。
次に米国である。
広大な国土、自給自足の生産力に圧倒的な軍事技術や日本との共同研究による植人活用が世界をリードしていた。
後はヨーロッパ、ロシア連合、オーストラリアが続いた。
G8後に訪問者達の会合で交わされた内容は各国指導者に伝えられ、人類は復興の傍ら新たな''訪問者''を迎撃する為の準備を進めていた。
迎撃手段は、衛星軌道から地上に至るまで整備されつつあった。
衛星軌道上では、日米中心のISS(国際宇宙ステーション)と、地球の反対側軌道にロシア連合とヨーロッパ各国が建造したCESS(露欧宇宙ステーション)の2ヵ所で宇宙戦力の集結が始まっていた。
ISSでは退役したスペースシャトルの改良強化版が到着し、レールガンが据え付けられた。
DARPA(国防高等研究所)とNASAが開発した硬化ダイヤモンドを装備したドリル型弾頭ミサイル、多連装ロケットランチャーや、小型ビーム砲を装着した日本の「こうのとり」型無人艦艇が多数配備されていた。
CESSではロシア版スペースシャトル『ブラバ』に多弾頭ミサイルや小型ビーム砲を装備した物や、『ソユーズ』型連絡宇宙船にマイクロ波ビームを装備した「植人一人乗り」の突撃艦艇が多数配備されていた。
パイロットの植人達は志願制で募集し全員がバイコヌール宇宙軍本部で操縦訓練等を受けていた。
大気圏上層部ではジェット旅客機を改造して高出力ビームを発射する大型機と、中層部で小惑星破壊用ミサイルを装備した戦闘機部隊が特殊な発射角度(90度)で迎撃する訓練を行っている。
地上では主にサードミサイルがG8各主要都市に配備されていた。
光太郎率いる「植人」特別部隊も小惑星破壊用迎撃機、F15 S型(植人のS)の慣熟訓練を行っていた。
更に、地上作業や宇宙空間での戦闘も考慮して試験的な専用パワードスーツが大小で開発され、実験運用が始まっていた。
しかし、物理的な迎撃手段をいくら用意したところで訪問者の持つ能力”シールド”を破らねば意味は無い。
如何にしてシールドの発動を押さえるかが課題となっていた。
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