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植人  作者: NAO
39/57

~未改稿~

8月29日【ドイツ連邦共和国 フランクフルト郊外 NATO軍 前線司令部】


ロシア連合軍が怒濤の勢いでウクライナからポーランドまでの諸国を占領、併合し、オーデル川でNATO防衛軍と攻防戦を繰り広げて1か月が経とうとしていた。


当初は、''訪問者''ポピガイの能力による遠距離火力支援や、研究途中の植人検体を搭載した戦車や装甲車で何度もNATO軍防衛線を崩壊寸前まで追い込んだが、ドイツの''訪問者''シュタインハイムと、最近戦場にふらりと合流してきた新たな''訪問者''メルトリンガーの参戦により、双方の戦力は拮抗し、膠着状態となっていた。


メルトリンガーはドイツの片田舎で永い期間、眠っていたが、この戦争で片田舎の人々が郷土防衛隊として次々と戦いに身を投じ、散っていく際の思念が積もりに積もって、目覚めてしまったのであった。


「そろそろ休んだらどうだ?」

ロシア軍の最新鋭戦車T90を何台も空高く巻き上げて、敵陣後方に放り投げたシュタインハイムにメルトリンガーが声をかけた。


「かたじけない。少しこの場をお願いしてもよろしいか?」

「任されよう。後方で美味い白樺の樹液(シロップ)が飲めるぞ。」僅かに口端をニヤリとさせたメルトリンガーがシュタインハイムを労う。


前線司令部でタンク一杯の白樺シロップをゆっくりと口に含みながら、シュタインハイムは3日ぶりの休息をとった。

メルトリンガーという援軍により、シュタインハイムはこうして適度に消耗した能力を回復して、英気を養う事が出来るようになった。


9月1日、日本が植人との対話装置を完成させた翌日、NATO軍は秘かに対話装置を用いて結成していた「植人軍人」を中心とした機甲部隊と、戦闘攻撃機部隊によりオーデル川の防衛線から、反撃に転じる事となる。


戦争は新たな局面に入ろうとしていた。

ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m


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