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植人  作者: NAO
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御池飛来

【東京都千代田永田町 首相官邸裏庭】


 光太郎は夏乃のワンピース姿を透視するため、いや違う、人類の未来のために、早朝から邪な動機で純真無垢に研究に協力していた。


 ムクドリの群れが飛来して大量の糞をにわか雨の如く落とされた時には、ブチ切れた光太郎の心理状態を表すサイレンが鳴り響、機器がショートして火花を散らしたが今は暫しの休憩となっている。


 ちなみに、故意に破壊した機器の弁償費用は光太郎負担である。光太郎の預金残高はマイナスに突入しているのかもしれない。


 光太郎は勤務先の銀行から出向扱いで内閣官房所属の立場だ。


 夏乃も同じく出向扱いである。

 夏乃は家賃から食費まで全て内閣官房の費用持ちである為、着々と預金残高(けっこんしきん)は増えている。


 光太郎は一郎に邪念を感づかれていたとはつゆ知らず、夏乃にガラス製の如雨露に入った冷やし飴を根本にトクトクかけてもらいながら思念で彼女と雑談している。


 夏乃の好きな食べ物を質問している時に、上空から1羽の鷹が飛来して光太郎苗の側に着地した。


「こんにちわ、立派なお姿ですね!」

凛々しい鷹に思わず感嘆した光太郎が声を掛ける。


「こんなところで何をしておるのだ。屋久島の」


 光太郎を無視した鷹が遠くで光太郎を見守っていた久島兄弟に鷹が話しかける。


「おぬしは、信州の御池かの」

一郎が尋ねる。


「いかにも。屋久島の、なにゆえ、ここにおるのだ?」


「その姿もあれじゃろ。ここは旨いものが出されるからヒトになれんかのう?」

三朗が言う。


「致し方ない」


 鷹はピカッと光ると久島と変わらない年齢の老人男性に変身した。何故か弓矢を持った武者姿であるが。


「御池と言う。不穏な空気がこの列島に流れ込んでおる。何が有ったのじゃ?」

老武者が問う。


「詳しい話は後じゃ。中で話そうかの。今はいささか世相が物騒じゃしのう」


「それと、そろそろ足をどけてやってくれんかの。おぬしの足許で儂の弟子が瀕死じゃわい」

一郎が御池の足元を指差す。


「……(お、重くて死んじゃう)」


 御池が足元を見ると、光太郎が変身した御池に根元から苗を踏まれてクニャリとし萎れていた。


 鎧武者の重量は結構あっためか、光太郎はボディプレスをかけられていたに等しいのだが、やはり邪な報いかもしれない。


「人様の挨拶を無視するとは、相変わらず、不器用じゃのう」

呆れた口調の一郎。


 御池はばつが悪そうに光太郎からそっと具足をどけるのだった。


「それでは、お前さんに今の日ノ本の実質的な長にあってもらおうかの」


 久島一郎は御池をこの国の指導者に会わすために御池を連れて官邸の中に入っていく。


 久島一郎に連れられて官邸の中へ入っていく御池を横目で追いながら、歪に萎れて曲がった光太郎苗に慌ててスポーツドリンクをかける夏乃だった。


 二郎と三郎は苦笑してその光景を眺めているのだった。

ここまで読んで頂きありがとうございましたm(__)m

では(^^)/

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