表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
角を狩るモノ  作者: Samail
二章 刀の名

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/66

十九話 埋葬

土を掘る。


湿っていた。

重く、指にまとわりつく。


音は、少ない。


兵介が無言で手を動かす。

ソウも続く。


運ぶ。

横たえる。

土をかける。


崩れた屋敷の中は、静かだった。

血の匂いが、溜まっている。


「……惨いことをしやがる。」


肩で、ムジナが小さく言う。


返事はない。

ソウは、手を止めない。


もう一掬い。

土を落とす。


兵介が、ふと手を止める。


「……これ。」


拾い上げる。

土にまみれている。


布。

紋。

拭う。


「……これもあいつらのもんなのか?」


静かに言う。


ソウは見る。


「……それ、弥助坊に調べてもらおう。」


兵介は頷く。


「……それで?探してたヤツだったのか。」


「……違う。」


短い。


兵介は、しばらくそれを見ている。

やがて、土の上に置いた。


また、掘る。


何も言わない。


ソウも続く。

土が、均されていく。

形が消える。

埋まる。


ソウは、手を止める。


視線を落とす。

兵介の手元。

土にまみれている。

荒い。


それでも、止まらない。


ソウは目を細めてそれを見る。


もう一度、土をかける。




屋敷の外に出る。


風が抜ける。

雲が低い。

押し込められているようだった。


「……今度、稽古つけてくれないか。」


兵介が言う。


「……いいよ。」


短く返す。


それで足りる。


二人、並んで歩く。

屋敷を離れる。


振り返らない。


ソウは、空を見る。

何も言わない。

歩く。

止まらない。


夜明けはまだ訪れない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ