山田大地、商人に会う。
村長宅を出てすぐに、後ろからこちらに向かって走ってくる音がした。振り向くと、ピナちゃんだった。
「いっ、一緒に散歩行きます。」
握りこぶしを作って気合いの入っているピナちゃんと一緒に村を散歩することにした。
歩いてると、陽が昇って時間が経っているためか、村の人たちが外に出ていた。
その人たちに昨日のお礼をしながら、船場のほうに向かった。
船場に着くと、荷馬車が何台か停まっており、結構な量の魚を載せていた。
その前に、リナさん漁師の人達と商人らしい格好をした人たちが集まっていた。俺たちが近くまで来るとサラさんが気づいて手を振っていた。
「みなさんおはようございます。昨日はありがとうございました。」
挨拶とお礼を言うと、漁師の人達は照れた様子で、それぞれ返してくれた。
「こちらこそ、礼を言うよ。楽しかったしな。」
「そうだぜ。いつも女だけだったからな。」
「男性がいるだけで、いつもの酒がうまくなったしな。」
「そうだよな。いくら飲んでも足りなかったぜ。」
「お前のそれは、いつもの事だろう。」
そんな話を聞いてると、リナさんが、声をかけてきた。
「ダイチさん、おはよう。これから滞在中に、必要なものが出てくると思うから、その時は村長か、こっちのシエルに言えば、用意してくれるから。」
リナさんは隣に立つ茶髪の女性を指差した。
「リナ、紹介するならちゃんと紹介してください。
改めまして、ログナの街にある商人ギルドに所属しているシエルと言います。事情はリナの方から聞いていますので、何か必要な物がありましたら、おっしゃってください。あと、手紙の方も領主様に届けておきますので、安心してください。」
「はい、宜しくお願いします。」
「お任せください。じゃあリナ、また明日。」
挨拶したシエルさんは荷馬車の操者台に乗り、他の商人の人と一緒に村の入り口の方に向かっていった。




