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毒キノコ転生〜地下ダンジョンに閉じ込められた最弱の魔物は、チートスキルと謀略を駆使して最強最悪の魔族を目指す〜  作者: さかなかさ
一章 『毒を喰らわば命まで』

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三話 『犬×茸』



「おら、てめーの住処は今日からここだ」


コボルトに捕まり、やってきたのは薄暗い地下牢のような場所だった。


さっきまで群れを取り仕切っていたリーダー役のコボルトに尻を蹴られ、鉄柵の扉を潜る。



檻の中には複数の気配があった。


目を凝らせば、さまざまな笠をもつ毒キノコが何匹も捕まっていた。



「あー、ちくしょう…」



「おぉ、やっぱりてめーキノコのくせに喋れるんだなァ。よえーくせに、知能だけは高えのか?」



チンピラみたいな口調のリーダー役に話しかけられる。

黙りこくっても仕方がない。ここはせいぜい媚びを売ることにしよう。


コボルトの方を向き直り口を開く。


「あぁ、あんたも犬畜生にしてはそれなりな言葉遣いだな。」



「…あぁ?」



間違えた。軽い挨拶をしようと思ったのに。

生来の口の悪さが仇になったか。


「うんまぁ、もちろん冗談でーー」


言い切る前に、強い衝撃が体を襲った。


コボルトの蹴りで、体ごと吹き飛ばされる。そのまま壁に叩きつけられた。


毒キノコたちが、怯えながら部屋の隅に逃げていく。



「てめえらクソキノコどもが出す毒はよぉ…俺らコボルトにとっちゃ最高にキマるクスリになんだよ」


リーダー役は薄ら笑いを浮かべながらそう話し出した。


「採っても採っても勝手に再生するから、尚のこと都合が良いよなぁ。」


「…ぅ…がぁ」


蹴られた痛みで、声も碌に出せない。圧倒的な力の差を感じる。


「コボルトだけじゃねぇ、地下都市にいる冒険者まで…ソレをチラつかせれば尻尾振って寄ってきやがる。全員、俺のドル箱って訳だ。」


リーダー役は俺に顔を近寄ると、あたまの傘を鷲掴みにし、顔を近づける。目尻が歪んでいて、口からは強烈な獣臭と、独特な甘い匂いがした。



こいつ、既にキメてやがる。



「自己紹介をしようぜぇ。俺はアンヘル…おめーは?」


「…名前なんてねーよ」



言うと、アンヘルは一瞬目を見開いたあと、唐突に笑い出した。



「はっはっはっはっは!!!!あぁーそうか!!そうだよなぁ!!」



唐突に笑い出したアンヘルに、呆気に取られる。






と、唐突に、本日何度目かの衝撃が体を襲った。


どすっ、と鈍い音がして、アンヘルの腕が腹にめり込む。


「がぁっ…!?あっ…!!」


犬のような前足に生えそろった鋭い爪が、俺の腹を切り裂いていく。


「あああああ!!!ああああああああ!!」


あまりの激痛に絶叫する。

痛みで意識が落ちそうだ。

アンヘルは容赦なく、まるで幼子が工作でもするかのように、俺の腹を内側からかき出していく。



ずぼっ、と嫌な音がした。


見るとアンヘルの手には、筒状にくり抜かれた俺の身体の一部が握られていた。傷口から吹き出した消化液で、その手はてらてらと光っている。




俺の腹は丸く切り取られ、穴が空いていた。




「お前らの毒はよ、もちろん俺らにとってサイッコーのオヤツだ。」


アンヘルの息は、先ほどより一層荒くなっていた。

目は血走り、ひどく興奮している。



「じゃあお前らが吐き出す消化液はどうだ?ヌルヌルしてるだけの水モドキ。だが、天才の俺様は使い道を考えた。」




朦朧とする意識の中、改めてアンヘルの姿を見た俺は、ある最悪の事実に気づいた。





()()が、猛々しく隆起している。




「いいかぁ?名前が無いってんなら名付けてやるぜぇ。」



震えと寒気が止まらない。

嫌な予感がする。


俺の腹には今、穴が空いている。ちょうど、何かを収められるほどの。穴からは、消化液が尚もドクドクと流れ出ている。



「あぁ…ちょっと待ってくれ…」



「お前の名前は、今日からカミラだ。俺の初恋の女…」



「嫌だ…頼む…」



「喋れるなんて嬉しいぜぇ…他のキノコじゃ味わえねー体験ができそうでさぁ………!!!」



手についた毒液を舐めとり、身震いしながら、アンヘルはにじり寄ってくる。



「嫌だあああああああああ!!!!!!やめっ、やめ…」



・・・


そうして俺は、雄としての尊厳を失った。

俺の叫び声と、アンヘルの雄叫びが、洞窟に一晩中木霊していた。


どこまで表現していいか分からずビビりながら書いています。

なろう運営様大好き♡

ゆるして(懇願)

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