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毒キノコ転生〜地下ダンジョンに閉じ込められた最弱の魔物は、チートスキルと謀略を駆使して最強最悪の魔族を目指す〜  作者: さかなかさ
二章『虚穴の亡霊』

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十話 『名付け』

[眷属に経験値の配分が可能です。配分しますか?]



ゴーレムを倒した後、そんな通知がステータス欄に表示された。



「なるほどね、これで眷属の育成が可能ってわけか。かなり便利だな。」



しかしこれ、MPがある限り無限に眷属を召喚できるのだから、強力なレアスキルを持った眷属が生まれるのを狙って、ガチャのように分裂を行うのは結構名案なのではないだろうか。


MPの回復速度的に現状2〜3日に一回のペースでしか中キノコは生み出せないが、余裕が出来次第どんどん分裂していくのが得策だろう。


最終的には、寝てるうちに眷属のキノコが魔物を倒してきて、不労所得的にレベルアップができるようになるかも知れない。



そんな怠惰な野望に夢を見つつ、俺は経験値を均等に眷属に分配することに決めたのだった。



・・・


[注:現在の最大眷属所持数は5匹です。]




5日後。


満タンまで回復したMPで3匹目の眷属を作ろうとしたら、こんな通知が表示された。


「なるほど、一応上限が決まってるのか…」


どうやら所持できる眷属の数には限りがあるようだ。

眷属の2匹をちらりとみやる。



(…数に限りがあるなら、間引いて強力な眷属だけを残す必要がある…だが、)


不思議そうにこちらを眺める2匹のキノコたち。


「流石に無理だよなぁ。」



2匹の傘を、ぽんぽんと撫でてやる。なんとなく心地良さそうにしているのが伝わってくる。

ひとまず、上限の5匹を創り出すまではその辺のことを考えるのはやめておこう。



[眷属との関係値が一定値に到達。称号"族長の才”を獲得しました。]



すると、新たな通知が聞こえてきた。 


「称号…そんなものまであるのか。とことんゲームに近いな、こりゃ。」


新しく加わったステータスを確認してみる。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【カレオバナタケ Lv.42】

 HP:121/121

 MP:133/133

 力:66 敏捷:89 知能:92

 

 ■スキル

  ・どくのからだ

  ・毒酸雨(ポイズンレイン)

・変幻自在


 ▪️獲得称号「族長の才」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



ステータス欄に新たな記載が追加されている。「族長の才」の項目をタッチすると、詳細な説明が記載されていた。


「族長の才」…眷属の最大所持数を+1する。



お、なるほど。どうやら称号にはボーナス効果があるようだ。これで俺の最大眷属所持数は6匹となった。


「ま、最大所持数まで、ひとまずは分裂はやり得ってこった。」


数に限りがあるので、なるべく最大MPを消費して分裂を行い、レアスキル持ちの召喚を狙うべきだろう。


現状のMPから10だけ残して、123のMPを消費して分裂を実行する。


ぽてっという音と共に新たな眷属が生まれる。


俺はそこから1月半をかけて、MPの回復を待ちながら分裂を繰り返し、新たに4匹の眷属を作り上げたのだった。




・・・


「よーしお前ら、一列に並びなさい。」


俺の目の前には今、6匹のキノコがお行儀よく並んでいる。


左から1番最初に造った小キノコ、王水スキルを持つ中キノコ、そして新たに生まれた4匹のキノコたちだ。


新たに生まれた4匹のうち、レアスキルを持って生まれたのはそのうちの1匹だけだった。


真っ黒な傘が特徴的な、そのキノコのステータスを改めて確認する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【眷属:毒キノコ(分裂体)Lv6】

 HP:10/10

 MP:10/10

 力:5 敏捷:4 知能:4

 

 ■スキル

  ・どくのからだ


▪️レアスキル

  ・硬質化

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



このキノコが持つスキルは硬質化。

名前の通り、体を硬くすることができるスキルだ。一度試しに使ってもらったが、全身が鋼のように硬くなり、生半可な攻撃では通らなそうな防御力を誇っていた。


「眷属も6匹になって、わかりやすく識別する必要が出てきた。今日はお前らを部隊に分けることにした。」



キノコたちがおおっと、驚いた動きをする。まだ喋るほどの知性はないだろうが、その分動きがオーバーで面白い。愉快な奴らだ。


「まずは小キノコ、それとスキル持ちの2匹。前にでなさい。」


俺の呼びかけで、最も小さなキノコと、それぞれ「王水」「硬質化」のスキルを持つ2匹が一歩前に出る。



「お前らは今日から隊長だ。後ろのキノコ1匹ずつを副長として補佐につける。それぞれが協力し合い、良いチームを作るんだ。いいな?」


3匹のキノコがこくり、と頷く。


にしても、キノコが多すぎて、なんとも呼びづらいな。いちいちスキル名を呼ぶわけにもいかないし…


よし、ひとまずこの3匹には名前をつけることにしよう。


「特別に、お前らには名前を授ける。えーーっと…」


そうはいったが、なにも思いつかない。3匹は期待に満ちたようにこちらの言葉をじっと待っている。

表情はないのになんでこんなに感情表現豊かなんだこいつらは。


「あーー…王水持ちのお前。お前の名前は、ルーカスだ。」


結局、この世界に来て最初に出会った友の名前をつけてしまった。しかし、こうなれば話は早い。


「硬質化のお前は、アンヘルだ。忠犬として、俺の指示によく従うように。」



もう1匹の名前はどこぞのシャブ漬け犬から引用した。

何より"「硬質化」するキノコ"で今最も想起しやすいのがアンヘルのアレだったのだ。


最悪な名付け方してごめんな。

なんの罪もないが、汚名返上を目指して頑張って欲しい。



「…で、小キノコの君の名前は____うーーん、じゃ、サクラだ。」


名前の由来は単純明快、頭の傘の色がピンクがかった色だから。


サクラと命名された小キノコはその場でくるくる回って喜びを表現している。




部隊編成が完了すると、俺はキノコたちに周辺の警備をお願いし、自身は寝ることにした。


ここ1月はMPの消費が激しく、やや体調の悪さを感じていた。これを区切りに、一度しっかり休息を取ることにしよう。そう思い、俺は眠りにつくことにしたのだった。


・・・


*眷属一覧


サクラ…1番目の眷属。ピンク色の傘を持ち、6匹の中で一番背丈が小さい。


ルーカス…2番目の眷属。王水のスキルを持つ。名付けはかつての親友から。黒と赤のマダラ模様の傘を持つ。


アンヘル…3番目の眷属。硬質化のスキルを持つ。名付けはこの世界で現状最悪の思い出から。


4.5.6番目の眷属は、現状名前無し。


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