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異世界で念願の店を開く転生者  作者: うさだデジ子
第一章『異世界転生』

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第6話〘初めての素材採取――見えてきた捜査スキル〙

いつも『異世界で念願の店を開く転生者』を読んでいただき、本当にありがとうございます。


今回は、サイジョウが異世界で初めて素材採取に挑戦します。


少しずつ自分のスキルを理解しながら成長していくサイジョウの姿を、楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、第6話をお楽しみください。

翌朝――。


サイジョウは身支度を整えると、約束の時間に合わせて冒険者ギルドへ向かった。


今日はいよいよ、異世界で初めての素材採取へ向かう日だ。


店を開くために必要な素材を集める、大切な第一歩。


サイジョウは自然と気持ちを引き締めながら、冒険者ギルドの扉を開いた。


「おう、サイジョウ。時間どおりだな。」


受付の奥から声を掛けたのは、冒険者ギルド長のロックヴァルクだった。


「おはようございます。ロックヴァルクギルド長。」


「おはよう。約束どおり、護衛を引き受けてくれるギルド団を呼んである。」


ロックヴァルクはそう言うと、近くで待機していた四人へ視線を向けた。


「紹介しよう。ギルド団『楓鳳凰』だ。」


一人の青年が一歩前へ出て、落ち着いた表情で軽く頭を下げる。


「ギルド団『楓鳳凰』のリーダーを務めているナルガスだ。職業は剣士。今回の護衛を担当する。よろしく頼む。」


「よろしくお願いします。」


続いて、大柄な男が腕を組んだまま一歩前へ出た。


「ボランダだ。重戦士を務めている。」


短い挨拶だったが、その低く落ち着いた声からは頼もしさが伝わってくる。


「よろしくお願いします。」


その隣では、一人の女性が優しく微笑みながら会釈をした。


「私はレイアです。魔道士として後方支援を担当しています。今日はよろしくお願いします。」


その穏やかな笑顔に、サイジョウも自然と笑みを返した。


「こちらこそ、よろしくお願いします。」


最後に、もう一人の女性が元気よく前へ出る。


「私はミューラ! 弓使いと召喚士をやってるよ! 一緒に頑張ろうね!」


明るく親しみやすい笑顔に、ギルド内の空気も少し和らいだ。


「はい。よろしくお願いします。」


四人との挨拶を終えたサイジョウは、改めて頭を下げた。


「本日は護衛を引き受けていただき、本当にありがとうございます。」


ナルガスは穏やかに笑みを浮かべる。


「気にするな。依頼を受けた以上、君の安全は俺たちが守る。」


ボランダも静かにうなずく。


「任せろ。」


レイアは優しく微笑みながら言葉を添えた。


「困ったことがあれば、遠慮なく言ってくださいね。」


「素材採取なら私たちに任せて!」


ミューラは元気いっぱいに胸を張った。


その様子を見ていたロックヴァルクは満足そうに腕を組む。


「よし、それじゃ準備も整ったな。気を付けて行ってこい。」


「はい!」


こうしてサイジョウは、ギルド団『楓鳳凰』と共に、異世界で初めてとなる素材採取へ向けて歩き出した。


ビースヴァの街を出発してから三十分ほど歩くと、一行はアラドの森へ到着した。


見渡す限り緑豊かな木々が立ち並び、小鳥のさえずりと心地よい風が森の中を包み込んでいる。


「ここがアラドの森だ。」


ナルガスは足を止め、周囲を見渡した。


「この辺りは初心者の冒険者も素材採取に利用する場所だ。薬草や解毒草などの素材も多く採れる。ただし、森の奥へ進めば魔物も強くなるから、今日はこの周辺で採取を行う。」


「わかりました。よろしくお願いします。」


サイジョウは軽く頭を下げた。


「俺とボランダは周囲を警戒する。レイアとミューラも近くにいるから、安心して採取してくれ。」


「はい。」


サイジョウは森の中へゆっくりと足を踏み入れた。


(それじゃ、始めよう。)


心の中で呟くと、自然にスキルを発動させる。


【捜査】


その瞬間、サイジョウの視界だけが静かに変化した。


森に生えている草木の一部が、淡い光を放ち始めたのである。


白く光る薬草。


白く光る麻痺草。


白く光る毒草。


白く光る解毒草。


さらに少し離れた場所では、緑色に輝く植物が二種類見えていた。


(色が違う……。)


サイジョウは表情を変えることなく周囲へ視線を向ける。


ナルガスたちは警戒を続けており、自分の様子を気にしている者はいない。


(この色が素材の価値なのかな……。)


そう考えながらも、サイジョウは普段どおりの動作で白く輝く薬草へ歩み寄った。


しゃがみ込み、丁寧に根を傷付けないよう採取していく。


採取した薬草は、ごく自然な動作でバッグへしまった。


もちろん、収納した先はアイテムボックスである。


しかし周囲から見れば、普通のバッグへ入れているようにしか見えなかった。


その後も麻痺草、毒草、解毒草を順番に採取していく。


(よし……。)


ある程度採取を終えると、サイジョウは何気ない様子で緑色に輝く植物へ近付いた。


(これが緑色……。)


周囲に怪しまれないよう自然にしゃがみ込み、まずは一本だけ採取する。


採取した植物も、他の薬草と同じようにバッグへしまった。


続いて、その近くにあったもう一種類の緑色に輝く植物も一本だけ採取する。


(全部採ったら不自然だよな。)


そう判断したサイジョウは、残っている緑色の植物には手を付けず、その場を離れた。


後でまた採取に来ればいい。


そう考えながら、何事もなかったかのように再び白く輝く薬草の採取を続けていくのだった。


一通り素材を採取し終えたサイジョウは、周囲を見渡してからナルガスのもとへ向かった。


「ナルガスさん、採取は終えました。」


「おっ、もう終わったのか。」


ナルガスはサイジョウが採取した素材を確認し、満足そうにうなずいた。


「初めての素材採取にしては十分な成果だな。」


「ありがとうございます。」


サイジョウは笑顔で頭を下げた。


「それじゃあ、次の場所へ向かおう。この先には、もう少し珍しい素材が採れる場所がある。」


「わかりました。よろしくお願いします。」


サイジョウはギルド団『楓鳳凰』と共に、新たな素材を求め、一行はさらに森の奥へと歩みを進めるのだった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。(`・ω・´)ゞ


今回は第5話と第6話を同時投稿させていただきました。


少しでもサイジョウの物語を楽しんでいただけたなら嬉しいです。


次回の更新は未定となります。


現在はメイン連載『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』を優先して執筆しておりますので、こちらの作品は不定期更新となります。


再開まで少しお時間をいただきますが、一話一話を大切に執筆していきますので、気長にお待ちいただけると嬉しいです。


いつも読んでくださる皆様、評価や応援をしてくださる皆様、本当にありがとうございます。


最後に、よろしければブックマークや評価をしていただけると、今後の励みになります。


これからも『異世界で念願の店を開く転生者』をよろしくお願いいたします。

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