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異世界で念願の店を開く転生者  作者: うさだデジ子
第一章『異世界転生』

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第7話〘新たな素材の発見――静かなる異変の森〙

今回は、新たな素材を求めてサイジョウたちが森の奥へ向かいます。


少しずつ異世界の知識を身につけながら成長していくサイジョウの姿を、楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、第7話をお楽しみください。

サイジョウは、新たな素材を求めてナルガスたちの案内で森の奥へ歩みを進めた。


しばらく歩くと、ナルガスは足を止め、周囲を見渡しながら口を開く。


「この辺りからは、さっきの場所とは違う素材が採れる。主に回復系や魔力回復系の素材が多い場所だ。」


「そうなんですね。」


サイジョウは軽くうなずくと、再び周囲へ視線を向けた。


(それじゃ、もう一度試してみるか。)


心の中で呟き、静かにスキルを発動する。


【捜査】


その瞬間、サイジョウの視界に映る草花が淡い光を放ち始めた。


白く光る素材。


緑色に光る素材。


そして、その少し先には――。


一株だけ青色に輝く植物が生えていた。


(青色……!?)


サイジョウは驚きを表に出さず、周囲を見渡す。


ナルガスたちは周囲を警戒しており、誰もサイジョウの様子には気付いていない。


サイジョウは白や緑の素材を採取しながら、何気ない様子で青色に輝く植物の前まで歩み寄った。


(見たことがない素材だな……。)


すぐには採取せず、近くにいたレイアへ声を掛ける。


「レイアさん、ちょっといいですか?」


「はい? どうしました?」


「この素材なんですけど、初めて見たので教えてもらえませんか?」


サイジョウが植物を指差すと、レイアは近寄ってその素材を見つめた。


「え?……。」


次の瞬間、レイアの表情が一変する。


「えええぇぇぇぇ~~っ!? こ、これ……回復草よ!」


その大きな声に、ナルガス、ボランダ、ミューラも慌てて駆け寄ってきた。


「どうした、レイア!?」


「これ、滅多に発見されないハイレア素材なの! 上級薬草がさらに進化した回復素材で、エクスハイポーションの製作に必要な貴重な素材よ!」


「そんなに凄い素材なんですか?」


サイジョウは初めて知ったような表情を浮かべる。


しかし心の中では――。


(そんなに凄い素材だったの!? いやいや、おかしいって……。)


レイアから説明を受けたサイジョウは、慎重に回復草を採取し、他の素材と同じように自然な動作でバッグへしまった。


もちろん収納した先はアイテムボックスだが、周囲から見れば普通にバッグへしまったようにしか見えない。


周囲の視線が離れたのを確認すると、サイジョウは心の中で静かに鑑定スキルを発動した。


【鑑定】


【回復草】


上級薬草から進化した希少な回復素材。


エクスハイポーションの製作に必要な素材。


滅多に発見されないハイレア素材。


(鑑定の結果も同じか……。まずは、この世界の素材を少しずつ覚えていこう。)


サイジョウは何事もなかったように、再び素材採取を続けるのだった。


回復草を採取したサイジョウは、再び素材採取を続けていた。


ナルガスたちも周囲を警戒しながら、サイジョウの採取を見守っている。


森の中は静かで、時折小鳥のさえずりだけが響いていた。


しかし、その静寂は突然破られる。


「……来る!」


ナルガスが鋭い声を上げると同時に、ボランダは大盾を構え、レイアとミューラもすぐに戦闘態勢へ入った。


次の瞬間――。


茂みの奥から数匹のホーンラビットが姿を現した。


「ホーンラビットか。」


ナルガスは剣を構えながら前へ出る。


だが、それだけでは終わらなかった。


一匹、二匹、三匹――。


次々とホーンラビットが姿を現し、気付けば群れとなってサイジョウたちへ向かってくる。


「……おかしい。」


ナルガスの表情が険しくなる。


「この辺りのホーンラビットは群れても数匹程度だ。こんな大群になることはまずない。」


レイアも驚いた表情で群れを見つめる。


「こんなの初めて見ました……。」


ボランダは盾を構え直しながら低い声で言った。


「何かいるな。」


その言葉を聞いたサイジョウは、群れの奥へ視線を向ける。


(何かいる……。)


違和感を覚えたサイジョウは、静かにスキルを発動した。


【捜査】


その瞬間、群れの最後方にいる一体だけが、他のホーンラビットとは違って見えた。


銀灰色の体毛。


金属のような光沢を放つ一本角。


さらに、その身体からは他の個体とは明らかに異なる威圧感が漂っている。


(あれは……。)


サイジョウの頭の中へ自然と情報が流れ込んできた。


【メタルホーンラビット】


ホーンラビットの上位個体。


群れを率いるボス級の魔物。


魔法を無効化する特性を持ち、硬い皮膚に覆われているため通常の攻撃では傷を与えにくい。


(メタルホーンラビット……。)


サイジョウは一瞬驚いたが、すぐにナルガスへ声を掛ける。


「ナルガスさん! 群れの最後方に、一体だけ他とは違う魔物がいます!」


「何っ!?」


ナルガスはサイジョウが指差す方向へ視線を向けた。


群れの最後方。


そこには銀灰色の体毛を持つ一体の魔物が静かにこちらを見据えていた。


「まさか……メタルホーンラビットだと!?」


ナルガスの表情が一変する。


レイアも息をのむ。


「そんな……。この辺りに現れるはずがありません!」


「話は後だ! まずはホーンラビットを迎え撃つぞ!」


こうしてサイジョウは、自ら製作した短剣を手に、異世界で初めての戦いへ挑むのであった。

次回もお楽しみに。


いつも『異世界で念願の店を開く転生者』を読んでくださっている皆様、そして評価や応援をしてくださっている皆様、本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ


皆様の応援が、毎日の執筆の励みになっています。


次回はいよいよ、サイジョウにとって異世界で初めての戦いが始まります。


最後に、よろしければブックマーク登録や評価をしていただけると、とても励みになります。


今後ともよろしくお願いいたします。

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