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異世界で念願の店を開く転生者  作者: うさだデジ子
第一章『異世界転生』

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第27話〘目的の鉱石を求めて――S級ギルド団【翠黎翼】の実力〙

いつも『異世界で念願の店を開く転生者』を読んでいただき、ありがとうございます。


前回は、ヴァランの新たな長剣を製作するため、必要となる鉱石を求めてS級ギルド団【翠黎翼】と共にビースヴァの街を出発したサイジョウ。


今回は、目的地である【ヴェゼリア洞窟】へ向かい、長剣の製作に必要となる鉱石の採掘へと挑みます。


それでは、第27話をお楽しみください。

サイジョウと護衛を引き受けたヴァラン達【翠黎翼】は、目的地である【バルヴィンゼ山岳】へ向かっていた。


道中では何度か魔物と遭遇したものの、その度にヴァラン達が素早く対応し、次々と魔物を倒していく。


サイジョウはそんな【翠黎翼】の戦いを見ながら、特にヴァランの動きへ注目していた。


長剣を振るう時の動き。


攻撃を終えてから次の動作へ移るまでの流れ。


昨日、カルロゼとザキヴァルへ相談した新たな長剣を実際に製作するため、ヴァランの戦い方を見ながら、頭の中で少しずつイメージを組み立てていく。


そしてサイジョウが見ていたのは、ヴァランだけではなかった。


ギーゼ、ガルザ、ゼノロド、アヤナギ。


S級ギルド団【翠黎翼】のメンバー達が、それぞれどのように戦い、互いに動いているのか。


サイジョウは道中、その様子も見ながら【バルヴィンゼ山岳】を目指して進んでいった。


やがて一行は【バルヴィンゼ山岳】へ到着する。


そこからさらに山岳地帯を進むこと数時間――。


サイジョウ達の前に、今回の目的地である洞窟が姿を現した。


【ヴェゼリア洞窟】。


洞窟の入口を前に、ヴァランがサイジョウへ尋ねた。


「サイジョウさん、今回探している鉱石について聞いてもいいでしょうか?」


「はい。今回の目的は【翡翠極銀鋼鉄鉱石】と【メタリックミスリル鉱石】です」


「その二つが、私の長剣に必要になる鉱石ということですね」


「はい。この二つを採掘するのが今回の一番の目的です」


目的を確認したヴァランは頷いた。


「分かりました。それでは行きましょう」


「はい」


サイジョウ達は【ヴェゼリア洞窟】の中へ入っていく。


洞窟へ入ったサイジョウは周囲を確認すると、【捜査】を発動した。


目的は、この洞窟に存在する鉱石の場所を探し出すこと。


【捜査】で周囲の反応を確認しながら、サイジョウ達は洞窟の奥へと進んでいく。


そして洞窟へ入ってから一時間ほどが経った頃――。


「この辺りですね」


サイジョウ達は、鉱石の反応が集まっている場所へ到着した。


そこからサイジョウは採掘を始めていく。


目的としていた鉱石だけではなく、周囲には様々な鉱石が存在していた。


採掘できるものを一つずつ確認しながら、サイジョウは次々とアイテムボックスへ収納していく。


そして採掘を終え、今回手に入れた鉱石を確認した。


【轟雷鉱石】×10


【純雷鉱石】×10


【黒鉄鉱石】×35


【翡翠極銀鋼鉄鉱石】×15


【メタリックミスリル鉱石】×15


「目的の鉱石も採掘できましたね」


ヴァランの新たな長剣に必要となる【翡翠極銀鋼鉄鉱石】と【メタリックミスリル鉱石】。


その二つを無事に採掘することができたサイジョウ。


さらに【轟雷鉱石】や【純雷鉱石】、【黒鉄鉱石】も手に入れることができ、今回の採掘は十分な成果となった。


採掘を終えたサイジョウ達は、【ヴェゼリア洞窟】を出るため来た道を戻っていく。


目的だった鉱石も無事に手に入れることができた。


あとは洞窟を出るだけ――。


そう思っていた、その時だった。


突然、サイジョウが足を止めた。


【捜査】に反応があったのだ。


しかも、その反応はこちらへ向かって近づいてきている。


「何か来ます!!」


サイジョウの叫びに、ヴァラン達が一斉に反応した。


ギーゼとガルザ、ゼノロドがそれぞれ武器を構え、ヴァランも長剣を構える。


アヤナギもすぐに周囲を警戒した。


そして――。


洞窟の奥から、一体の魔物が姿を現した。


その姿を確認したヴァランの表情が変わる。


「サイレントバーグル……なぜここに」


現れたのは【サイレントバーグル】。


本来であれば、【ヴェゼリア洞窟】の最深奥にいるはずの魔物だった。


しかし今、その魔物がサイジョウ達の目の前に姿を現している。


ヴァランはすぐに状況を判断すると、メンバー達へ指示を出した。


「アヤナギ、サイジョウさんを守ってくれ」


「分かりました」


アヤナギがサイジョウを守るように位置を変える。


「ギーゼ、ガルザ、ゼノロド。俺達四人で仕留めるぞ」


「了解」


「任せろ」


「分かりました」


ヴァランが長剣を構える。


その左右では、ギーゼが双剣、ガルザが大剣、ゼノロドが槍を構えていた。


サイジョウを守るアヤナギを残し、ヴァランを含めた四人が【サイレントバーグル】へと向かう。


すると【サイレントバーグル】は四人を睨みつけ、大きく翼を広げた。


次の瞬間――。


「グオオオオオオオッ!!」


洞窟内に凄まじい雄叫びが響き渡る。


その雄叫びを聞いたアヤナギが、すぐに反応した。


「状態異常攻撃よ!」


アヤナギは杖を構えると、ヴァラン達へ魔法を発動する。


「【パラライズプロテクガード】!」


放たれた魔法がヴァラン、ギーゼ、ガルザ、ゼノロドを包み込み、状態異常を無効化する効果が付与された。


「助かる、アヤナギ」


ヴァランの言葉と同時に、最初に動いたのはギーゼだった。


双剣を構え、一気に【サイレントバーグル】との距離を詰める。


「喰らいな! 【連撃斬】!」


繰り出された連続攻撃が、【サイレントバーグル】の翼を次々と斬りつけていく。


そしてギーゼの背後から、ゼノロドが飛び出した。


「喰らいやがれ! 【虚空一閃】!」


鋭く突き出された槍が、【サイレントバーグル】の左側の翼を貫いた。


「グオオオオッ!!」


攻撃を受けながらも、【サイレントバーグル】は反撃へ転じる。


大きく翼を振るった瞬間、無数の風刃がヴァラン達へ襲いかかった。


「来るぞ!」


四人はそれぞれ武器を構えて防御する。


風刃が次々と襲いかかり、完全には防ぎきれずダメージを受けながらも、その場で耐えていく。


そんな中――。


ガルザだけは大剣を構えたまま、その場から動かなかった。


相手の動きを見据え、ただ一撃を放つ瞬間を待っている。


そして【サイレントバーグル】が風刃を放ち終えた、その瞬間――。


ガルザの身体が沈み込んだ。


次の瞬間、一気に地面を蹴り、巨大な大剣を構えたまま【サイレントバーグル】との間合いを詰める。


【サイレントバーグル】もガルザの動きに気づき、翼を動かそうとする。


だが――遅い。


「こいつを喰らいな! バーグル!! 【スラッシュブラスト】!」


ガルザが大剣を一気に振り抜いた。


重い大剣から放たれたとは思えないほど鋭い一閃が、【サイレントバーグル】の右側の翼を通り抜ける。


一瞬遅れて――。


右側の翼が、その身体から斬り落とされた。


「グオオオオオオッ!!」


左側の翼を大きく傷つけられ、さらに右側の翼を失った【サイレントバーグル】が大きく体勢を崩す。


その隙を、ヴァランは見逃さなかった。


長剣を握り締め、一気に【サイレントバーグル】へ迫る。


「これで終わりだ!」


ヴァランが長剣を振りかぶる。


「喰らいやがれ! 【餓狼斬刃剣】!」


振り抜かれた長剣が【サイレントバーグル】の身体を捉えた。


鋭い斬撃が、その身体を一気に斬り裂く。


【サイレントバーグル】の身体が真っ二つに切断され、そのまま地面へ倒れ込んだ。


洞窟内に響いていた雄叫びが消え、静けさが戻る。


その戦いをアヤナギに守られながら見ていたサイジョウは、驚きを隠せずにいた。


ギーゼが先陣を切り、ゼノロドがその動きに合わせて追撃する。


相手の反撃を受けながらも、ガルザが一撃で翼を斬り落とし、最後はヴァランが仕留めた。


それぞれが自分の役割を理解し、迷うことなく動いていた。


「これが……S級ギルド団……」


サイジョウは改めて、目の前にいる【翠黎翼】がこの国でもトップに位置するギルド団なのだと実感していた。


戦闘を終えたあと、サイジョウ達は倒した【サイレントバーグル】から素材を回収していく。


そして回収した素材を、サイジョウが次々とアイテムボックスへ収納していった。


採掘した大量の鉱石に加え、【サイレントバーグル】から回収した素材まで、すべてがアイテムボックスへ収まっていく。


その様子を見ていたギーゼが、思わず声を漏らした。


「あんだけの量を全部アイテムボックスに入れたけど……」


ヴァランもサイジョウのアイテムボックスへ視線を向ける。


「どんだけの容量なんだ? サイジョウのアイテムボックスは」


「詮索しないの、ヴァラン」


アヤナギの言葉に、ヴァランはサイジョウを見る。


一方のサイジョウは、どう答えればいいのか分からず苦笑いを浮かべるだけだった。


その後――。


目的だった鉱石の採掘を終え、思わぬ【サイレントバーグル】との戦闘も乗り越えたサイジョウ達は、【ヴェゼリア洞窟】をあとにした。


帰り道では大きな問題もなく、一行は無事にビースヴァの街へ戻ることができた。


そして『ディルサイドウ』へ到着すると、サイジョウはヴァランへ声をかけた。


「ヴァランさん、今日は護衛していただきありがとうございました」


「いえ。こちらこそ、必要な鉱石が無事に手に入ってよかったです」


「はい。これで長剣の製作に取りかかれます。ただ、完成までは数日ほどかかると思います」


「分かりました。急いではいませんので、サイジョウさんにお任せします」


「ありがとうございます。完成したらお伝えしますね」


「よろしくお願いします」


ヴァラン達【翠黎翼】はサイジョウへ挨拶すると、『ディルサイドウ』をあとにした。


その姿を見送ったサイジョウは、今回採掘してきた鉱石のことを思い返す。


ヴァランの戦い方を実際に見ることもできた。


そして長剣に必要となる【翡翠極銀鋼鉄鉱石】と【メタリックミスリル鉱石】も手に入れることができた。


あとは、それらを使って形にするだけだ。


「明日から、製作を始めよう」


こうして――。


S級ギルド団【翠黎翼】と共に向かった採掘を無事に終えたサイジョウ。


明日から、いよいよヴァランの新たな長剣の製作へ取りかかるのであった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


今回はS級ギルド団【翠黎翼】と共に【ヴェゼリア洞窟】を訪れ、ヴァランの新たな長剣に必要となる鉱石を無事に採掘することができました。


さらに、洞窟で遭遇した【サイレントバーグル】との戦いでは、サイジョウもS級ギルド団【翠黎翼】の実力を目の当たりにすることとなりました。


必要な鉱石を手に入れ、無事に『ディルサイドウ』へ戻ったサイジョウ。


いよいよヴァランの新たな長剣の製作が始まります。


皆様からの応援やブックマーク、評価が執筆の大きな励みになります。


今後とも『異世界で念願の店を開く転生者』をよろしくお願いいたします。

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