第25話〘新たな来店者――S級ギルド団からのオーダーメイド依頼〙
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
『ディルサイドウ』を開店してから数日。
少しずつ店を訪れる冒険者が増えていく中、新たな来店者がサイジョウの店を訪れます。
その人物が持ち込んだのは、これまでとは違う新たなオーダーメイドの相談でした。
それでは、本編をお楽しみください。
開店から数日――。
念願だった自分の店『ディルサイドウ』を開店したサイジョウは、店主として慣れない日々を過ごしていた。
開店初日は【楓鳳凰】を含め十数人の冒険者が訪れ、その後も店を訪れる冒険者は少しずつ増えていた。
そんなある日――。
一人の冒険者が『ディルサイドウ』を訪れた。
「いらっしゃいませ」
店を訪れた男性に、ベルティが声をかける。
「少し尋ねたいのだが、こちらがサイジョウという方の店で間違いないだろうか?」
「はい、そうですが……貴方は?」
「失礼した。私はヴァランだ。【翠黎翼】のリーダーをしている」
「【翠黎翼】……」
ヴァランが名乗った瞬間、ベルティとウルティは驚いた表情を浮かべた。
【翠黎翼】――。
それは、この国でもトップに位置するS級ギルド団だった。
サイジョウが初めて護衛を依頼した【楓鳳凰】でさえ、当時はB級。
その後、緊急討伐依頼で功績を上げ、現在はA級へと昇格している。
そのさらに上――S級に位置するのが、ヴァラン率いる【翠黎翼】だった。
「それで、ご用件はなんでしょう?」
「こちらでオーダーメイドを受けていると聞いてね。そのことで相談したいのだが、サイジョウはいらっしゃるかな?」
「少々お待ちください。店主をお呼びいたします」
ベルティはそう答えると、サイジョウを呼びに向かった。
しばらくして――。
「お待たせしました。私が店主のサイジョウです」
「君がサイジョウか。初めまして、私は【翠黎翼】のリーダーをしているヴァランと申します」
「ヴァランさんですね。ベルティからお話は聞いております。オーダーメイドのご相談ですね」
「ええ、その通りです」
「では、奥の部屋で詳しくお話を伺います。どうぞ」
サイジョウはヴァランを店の奥にある部屋へと案内した。
二人は席につくと、さっそくオーダーメイドについて詳しい話を始めた。
「それで、オーダーメイドのご依頼ということですが、どのような武器をご希望でしょうか?」
「実は、武器のオーダーメイドをお願いしたくてね」
「ヴァランさんが普段使われている武器は、どのようなものですか?」
「私が主に使っているのは剣です。こちらですね」
そう言って、ヴァランは自身の剣をサイジョウへ差し出した。
「参考になるのであれば、実際に見てもらった方がサイジョウさんも作りやすいでしょう」
「ありがとうございます。では、拝見しますね」
サイジョウは受け取った剣を手に取り、その形状を確認していく。
「長剣ですね。それに、一般的な長剣よりも少し長い……」
サイジョウは剣の長さや形を確認すると、大体のイメージを頭の中で組み立てていった。
そして確認を終えると、剣をヴァランへ返した。
「ありがとうございます。大体のイメージはできました。ただ、ヴァランさんの剣を製作するにあたって、一つ条件があります」
「条件とはなんでしょう?」
「ある鉱石が必要になります。その鉱石を採掘できる場所まで、護衛をお願いしたいんです。それが条件です」
サイジョウから提示された条件を聞いたヴァランは、少し考えたあと頷いた。
「分かりました。その条件、お受けします。メンバーにも伝えておきましょう」
「ありがとうございます。明日からでも大丈夫ですか?」
「問題ありません。こちらを優先しますので、明日からでも大丈夫です」
こうして話はまとまり、ヴァランとのオーダーメイドについての相談は終わった。
サイジョウは店の奥から戻ると、ヴァランを見送った。
開店してまだ数日。
そんな『ディルサイドウ』へ舞い込んだ、S級ギルド団【翠黎翼】からの初めてのオーダーメイド依頼。
そして、その武器を作るために必要となる鉱石。
サイジョウは明日、その鉱石を求めて【翠黎翼】と共に採掘へ向かうことになったのであった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は『ディルサイドウ』を訪れたS級ギルド団【翠黎翼】のリーダー、ヴァランから新たなオーダーメイドの依頼を受けることになりました。
ヴァランの新たな武器を製作するため、必要となる鉱石を求めて【翠黎翼】と共に採掘へ向かうことになったサイジョウ。
果たして、その先にはどのような出来事が待っているのでしょうか。
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今後とも『異世界で念願の店を開く転生者』をよろしくお願いいたします。




