第23話〘開店前日――二人が完成させた新たなポーション〙
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
開店を明日に控え、最後の準備を進めるサイジョウ。
一方、ベルティとウルティも、教わった製作方法をもとに試行錯誤を重ねていました。
果たして二人が完成させた、新たなポーションとは。
それでは、本編をお楽しみください。
翌日――。
開店を明日に控え、サイジョウは朝から店内の最終確認をしていた。
店内には製作したアイテムや武器、防具が並び、開店に向けた準備もほとんど終わっている。
エルフィギルド長から商品の価格やオーダーメイドで製作する場合の価格についても教えてもらい、あとは明日の開店を待つだけとなっていた。
サイジョウは店内を見渡しながら、小さく息を吐く。
「いよいよ明日が開店かぁ」
現世では叶えることのできなかった、自分の店を持つという夢。
開く店は、かつて思い描いていた喫茶店とは違う。
それでも、自分の店を開けることに変わりはなかった。
そんな中、製作場ではベルティとウルティがポーションの製作を続けていた。
二日前、サイジョウは二人に自分が行っているポーションの製作方法を実際に見せていた。
その後、アイテム製作で使用する機材の使い方も一通り教え、二人はすぐに自分たちでも製作を始めていた。
しかし、最初から上手くいったわけではない。
これまで使ってきたものとは違う機材の扱いに戸惑い、製作方法も今まで二人が知っていたものとは違っていた。
何度も失敗し、その度に二人で原因を考える。
それでも分からないところがあれば、サイジョウに聞きながら一つずつ確認していった。
そして二人が初めて完成させたのは、HPを10%回復するポーションだった。
これまで二人が製作していた普通のポーションは、HPを2%から3%ほど回復するものだった。
それだけでも今までより大きく回復量は上がっていた。
だが、サイジョウが製作したポーションはHPを50%回復する。
二人は自分たちのポーションとサイジョウのポーションを比べながら、何が違うのかを何度も話し合った。
今までのやり方をそのまま続けるのではなく、教えてもらった製作方法を思い出しながら、機材の扱い方や製作工程を少しずつ変えていく。
昨日から何度も製作を繰り返し、ベルティとウルティは二人で試行錯誤を続けていた。
そして今日――。
「ベルティ、これ……」
「うん。今までのと違うよ」
完成したポーションを前に、二人は顔を見合わせていた。
そこへサイジョウが近づく。
「どうしました?」
「サイジョウさん、これを見てもらえますか?」
ベルティから渡されたポーションを、サイジョウは確認する。
「これは……HP40%回復です」
「やった……」
「ベルティ、出来たね」
二人は嬉しそうに顔を見合わせる。
普通のポーションではHPを2%から3%ほどしか回復できなかった二人が、サイジョウから新しい製作方法を教わり、何度も試行錯誤を重ねたことで、ついにHP40%回復のポーションを完成させたのだ。
「お見事です。ベルティ、ウルティ。呑み込みが早いですよ」
「ありがとうございます、サイジョウさん」
「何度も失敗しましたけど、やっと出来ました」
「失敗したからこそ、分かったこともあると思います。二人でここまで作れるようになったなら大丈夫ですよ」
サイジョウは完成したポーションを見ながら、二人の上達の早さに驚いていた。
自分が製作方法を見せてから、分からないところを聞きながら二人自身で何度も試してきた。
その結果が、目の前にあるHP40%回復のポーションだった。
「これなら、店に並べるポーションも二人に任せられそうですね」
「はい。もっと上手く作れるように頑張ります」
「私も頑張ります」
二人の返事を聞き、サイジョウは笑みを浮かべた。
店内の商品も揃った。
価格についても確認を終えている。
そしてベルティとウルティも、自分たちの力でポーションを製作できるようになった。
サイジョウは改めて完成した店内を見渡す。
「明日から、いよいよ始まるんだな」
念願だった自分の店。
異世界へ転生してから少しずつ準備を進めてきたその店が、ついに明日、開店の日を迎えるのであった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
今回はベルティとウルティが試行錯誤を重ね、新たなポーションを完成させることができました。
次回は、いよいよサイジョウの念願だった自分の店が開店を迎えます。
なお、次回の投稿は未定となります。 しばらくはメイン作品の作成を中心に進めていく予定です。
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今後とも『異世界で念願の店を開く転生者』をよろしくお願いいたします。




