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異世界で念願の店を開く転生者  作者: うさだデジ子
第一章『異世界転生』

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第20話〘職人と共に作る二つ目の武器――選んだ土属性の答え〙

いつもお読みいただきありがとうございます。


今回は、ミューラの弓を完成させたサイジョウたちが、続いてレイアから依頼されている杖の製作へ取り掛かります。


三人で選んだ【土属性結晶鉱石】を使い、二つ目となるオーダーメイド武器の共同製作。


果たして、完成した杖にはどのような付与が発現するのでしょうか。


それでは、第20話をお楽しみください。

ミューラの【エアーアルヴァ弓】を完成させたサイジョウたちは、少し休憩を挟んだあと、次のオーダーメイド武器の製作に取り掛かることにした。


次に製作するのは、レイアから依頼されている杖。


製作場には、三人で選んだ素材が並べられている。


【聖霊大樹】。


【鋼鉄鉱石】。


そして【土属性結晶鉱石】。


「次はレイアさんの杖ですね」


サイジョウがそう言うと、ザキヴァルが【聖霊大樹】へ視線を向けた。


「今度は私が聖霊大樹を担当しましょう」


「ザキヴァルさんが杖を作るんですか?」


「ええ」


サイジョウは少し意外そうにザキヴァルを見る。


ザキヴァルは防具製作を専門としている職人である。


そのため、サイジョウは杖もカルロゼが製作するものだと思っていた。


そんなサイジョウの表情に気付いたのか、ザキヴァルが笑みを浮かべる。


「もちろん専門は防具ですが、長年職人をしておりますからな。基本的な武器であれば製作できます」


「そうなんですね」


「それに、クラウディル様のもとでは専門に関係なく、様々な物を一緒に製作しておりました」


「それなら、お願いします」


「お任せください」


ザキヴァルは【聖霊大樹】を手に取り、杖本体の製作へ取り掛かった。


するとカルロゼが、残された二つの素材を見る。


「それではサイジョウ様。今度は私と鉱石を加工しましょう」


「はい。よろしくお願いします、カルロゼさん」


サイジョウとカルロゼは【鋼鉄鉱石】と【土属性結晶鉱石】を担当する。


先ほどの弓では、カルロゼが弓本体。


サイジョウとザキヴァルが鉱石の加工を担当した。


今度は担当を入れ替えた形で、三人は再び製作を始める。


サイジョウはカルロゼと共に二種類の鉱石を加工していく。


その途中、サイジョウは時折ザキヴァルの作業へ視線を向けていた。


防具を専門としているとは聞いていたものの、ザキヴァルの手に迷いはない。


【聖霊大樹】の状態を確認しながら、一つずつ丁寧に加工していく。


徐々に木材だった【聖霊大樹】が、一本の杖へと形を変えていった。


(カルロゼさんだけじゃない……ザキヴァルさんも凄いな)


エルフィから紹介された二人。


実際に一緒に製作をすることで、サイジョウは改めて二人が長年製作を続けてきた職人なのだと感じていた。


「サイジョウ様、こちらも進めますぞ」


「あっ、はい」


カルロゼの声に、サイジョウは自分の作業へ視線を戻す。


二人は【鋼鉄鉱石】と【土属性結晶鉱石】の加工を進めていった。


そして――。


数時間後。


「こちらは完成しましたぞ」


ザキヴァルの声が聞こえた。


サイジョウとカルロゼが振り返る。


ザキヴァルの手には、【聖霊大樹】から製作された一本の杖があった。


まだ二種類の鉱石を組み合わせていないため完成品ではない。


しかし、杖本体は綺麗に仕上がっている。


「本当に杖も作れるんですね」


「長年職人をしておりますからな」


ザキヴァルが笑みを浮かべる。


「こちらの加工も、もう少しで終わります」


サイジョウとカルロゼも最後の工程を進める。


しばらくして――。


「これで大丈夫ですね」


「ええ。問題ありません」


これで必要な素材の加工が終わった。


ザキヴァルが【聖霊大樹】から製作した杖。


サイジョウとカルロゼが加工した【鋼鉄鉱石】。


そして【土属性結晶鉱石】。


「それでは、こちらも三人で仕上げましょう」


「はい」


「わかりました」


三人は杖を囲み、最後の工程へ取り掛かった。


杖本体へ加工した鋼鉄鉱石を組み合わせる。


さらに、土属性結晶鉱石を融合させていく。


先ほど【エアーアルヴァ弓】を製作した時よりも、三人の作業は少しずつ噛み合うようになっていた。


それでも気を抜くことなく、一つずつ慎重に工程を進めていく。


そして――。


キィィィン――。


再び製作場に澄んだ音が響いた。


「完成しましたね」


サイジョウは目の前の杖を見る。


【聖霊大樹】を中心に、【鋼鉄鉱石】と【土属性結晶鉱石】を組み合わせた杖が完成していた。


カルロゼが完成した杖へ触れる。


続いてザキヴァルも杖を確認した。


そして二人は顔を見合わせる。


「こちらにも付与されていますな」


「ええ。間違いありません」


サイジョウは二人を見る。


先ほど完成した弓に続き、今回も二人は鑑定することなく付与の存在を感じ取っている。


(やっぱり二人とも凄いな……)


長年武器や防具を製作してきたからこそ身についた、職人としての感覚。


サイジョウは改めて二人の凄さを感じていた。


「それじゃ、こちらも鑑定してみます」


サイジョウは固有スキルを使い、完成した杖を鑑定した。


レア度★4。


攻撃200。


耐久2500。


そして――。


【アースロックウォール】


土属性以外の属性魔法を敵へ命中させた際、使用者が任意で発動することができる。


発動すると、命中した敵を土属性の力で拘束し、一定時間身動きを取れない状態にする付与だった。


「……これ」


サイジョウは表示された内容を確認すると、ザキヴァルへ顔を向けた。


「ザキヴァルさんが話していた付与に似ています」


「私が話していたものですか?」


「はい。別の属性魔法を敵に当てたあと、土属性の力で相手の動きを封じるみたいです」


「ほう……」


ザキヴァルは完成した杖を見る。


杖に使用する属性を決める際、ザキヴァルは自身の経験から土属性を提案していた。


かつてクラウディルと共に製作した、攻撃が命中した相手を土属性の力で封じる付与を持つ物。


今回完成した杖にも、それに近い付与が発現していた。


「これはレイア様に合いそうですな」


カルロゼが口を開く。


「はい。レイアさんは火属性魔法をメインに使いますから」


レイアが火属性魔法を敵へ命中させる。


そして必要な時に【アースロックウォール】を発動すれば、敵の動きを一定時間封じることができる。


その間に次の魔法を使うこともできれば、一緒に戦っている仲間たちも攻撃しやすくなる。


「土属性を選んで良かったです」


「サイジョウ様ご自身で決められた結果ですからな」


ザキヴァルが笑みを浮かべる。


サイジョウも頷き、改めて完成した杖を見る。


「あとは名前ですね」


しばらく考えたあと、サイジョウは口を開いた。


「【アースワトロ杖】……これにします」


「アースワトロ杖ですか」


「はい」


こうして――。


レア度★4。


攻撃200。


耐久2500。


そして【アースロックウォール】の付与を持つ、レイアのためのオーダーメイド武器【アースワトロ杖】が完成した。


サイジョウは完成した杖を手に取る。


先ほど完成したミューラの【エアーアルヴァ弓】。


そして今回完成したレイアの【アースワトロ杖】。


これで二人から依頼されていた武器は、すべて完成した。


「カルロゼさん、ザキヴァルさん。ありがとうございました」


「いえ。こちらこそ、久しぶりに楽しい製作ができました」


「これからも必要な時は、いつでもお声を掛けてください」


「はい。よろしくお願いします」


サイジョウは二人へ笑みを浮かべる。


そして完成した【アースワトロ杖】を大切にマジックボックスへ収納した。


こうしてサイジョウは、カルロゼとザキヴァルとの初めての共同製作で、ミューラとレイアから依頼されていた二つのオーダーメイド武器を完成させるのであった。

最後までお読みいただきありがとうございます。


今回は、サイジョウがカルロゼとザキヴァルと共に、レイアから依頼されていた【アースワトロ杖】を完成させました。


三人で選んだ【土属性結晶鉱石】から発現した付与【アースロックウォール】。


ザキヴァルが提案した土属性が、レイアの戦い方に合った付与として形になりました。


これで、ミューラとレイアから依頼されていた二つのオーダーメイド武器が完成しました。


今後とも『異世界で念願の店を開く転生者』をよろしくお願いいたします。


よろしければ、ブックマーク登録や評価をしていただけると、今後の執筆の励みになります。


次回もよろしくお願いいたします。

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