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異世界で念願の店を開く転生者  作者: うさだデジ子
第一章『異世界転生』

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第19話〘職人と共に作る新たな武器――三人で完成させた新たな弓〙

いつもお読みいただきありがとうございます。


今回は、サイジョウがカルロゼとザキヴァルと共に、ミューラから依頼されていた弓の製作へ取り掛かります。


三人で選んだ素材を使い、初めてとなる共同製作。


果たして、どのような弓が完成するのでしょうか。


それでは、第19話をお楽しみください。

サイジョウは、カルロゼとザキヴァルと共に、ミューラから依頼されている弓の製作に取り掛かった。


製作場に並べられているのは、三人で選んだ素材。


【聖霊大樹】。


【鋼鉄鉱石】。


そして【風属性結晶鉱石】。


「それでは、まず弓から始めましょう」


「わかりました」


カルロゼは【聖霊大樹】へ視線を向ける。


「サイジョウ様、聖霊大樹は私に任せていただけますかな?」


「お願いします」


「では、私が聖霊大樹から弓を製作します。その間にサイジョウ様とザキヴァルで、鋼鉄鉱石と風属性結晶鉱石の加工をお願いします」


ザキヴァルが頷く。


「こちらは我々で進めましょう」


「はい」


こうして三人は、それぞれの作業へ取り掛かった。


カルロゼは【聖霊大樹】を手に取り、弓を作るための加工を始める。


一方、サイジョウとザキヴァルは【鋼鉄鉱石】と【風属性結晶鉱石】を加工するため、必要な製作道具を準備した。


「それでは始めますかな」


「よろしくお願いします」


二人も鉱石の加工を始める。


鋼鉄鉱石を加工しながら、風属性結晶鉱石の状態も確認していく。


どちらも最後には、カルロゼが製作する弓へ組み合わせるための素材である。


サイジョウは固有スキルによって得られる知識を頼りに、ザキヴァルと共に一つずつ工程を進めていった。


しばらく作業を続けていると、サイジョウはふとカルロゼの方へ視線を向ける。


カルロゼは黙々と【聖霊大樹】を加工していた。


しかし、その手が止まることはほとんどない。


一つの工程を終えると、すぐに次の道具を手に取る。


聖霊大樹の状態を確かめ、加工し、また次の工程へ進む。


その一連の動きに無駄がなかった。


(凄いな……)


サイジョウは思わず見入ってしまう。


昨日、エルフィから紹介された時に、カルロゼが長年武器製作を専門としてきた職人だと聞いていた。


だが、実際にその技術を見るのは初めてだった。


「カルロゼの仕事が気になりますかな?」


ザキヴァルの声に、サイジョウが我に返る。


「あっ、すみません。あまりにも流れるように作っていたので」


「昔から武器を製作する時は、あのような感じです」


「やっぱり凄いですね」


「クラウディル様と共に、長年製作を続けてきた職人ですからな」


「なるほど……」


サイジョウはもう一度カルロゼを見たあと、自分の作業へ視線を戻した。


「俺たちも進めましょう」


「ええ」


再び二人は鉱石の加工を続けていく。


そして――。


数時間後。


「こちらは出来ましたぞ」


カルロゼの声が聞こえた。


サイジョウとザキヴァルが振り返る。


カルロゼの手には、【聖霊大樹】から製作された弓があった。


まだ鉱石を組み合わせていないため完成品ではないが、弓本体は綺麗に仕上がっている。


「もう出来たんですか?」


「ええ。あとは加工した鉱石を組み合わせればよろしいかと」


「こっちも、もう少しです」


サイジョウとザキヴァルも最後の加工を進める。


しばらくして――。


「こちらも終わりました」


「それでは、仕上げに入りましょう」


これで三つの素材が揃った。


【聖霊大樹】から製作した弓。


加工した【鋼鉄鉱石】。


そして【風属性結晶鉱石】。


「ここからは三人でやりましょう」


「わかりました」


「初めての共同製作ですな」


三人は完成前の弓を囲み、最後の工程へ取り掛かった。


まず加工した鋼鉄鉱石を弓本体へ組み合わせる。


さらに、風属性結晶鉱石を融合させていく。


サイジョウは固有スキルから得られる知識を頼りに、二人と声を掛け合いながら作業を進めた。


それから約二時間後――。


キィィィン――。


澄んだ音が製作場に響いた。


三人の手が止まる。


「……完成した」


サイジョウの目の前には、一つの弓が完成していた。


カルロゼが弓を手に取り、全体を確認する。


続いてザキヴァルも弓へ触れた。


すると――。


「付与されていますな」


「ええ。私もそう感じます」


「え?」


サイジョウは二人を見る。


「分かるんですか? 付与が付いているのを」


二人は頷いた。


「長年武器や防具を製作しておりますからな」


「クラウディル様とも数多くの物を製作してきました。完成した物に触れれば、付与があるかどうかはある程度感じ取れます」


「触っただけで……」


サイジョウは驚きながら二人を見る。


自分には固有スキルがある。


だが二人は、長年職人として積み重ねてきた経験から付与の存在を感じ取っている。


(やっぱり二人とも凄い職人なんだな……)


「どんな付与なのかも分かるんですか?」


「いえ。そこまでは分かりません」


カルロゼが答える。


「付与の存在を感じ取れるだけです。詳しい性能までは分かりませんな」


「なるほど」


サイジョウは完成した弓へ視線を戻した。


「それじゃ、鑑定してみます」


固有スキルを使い、弓の性能を確認する。


レア度★4。


攻撃150。


耐久3000。


そして――。


【エアーアロー】


弓に風属性の攻撃を付与する。


放たれた矢の貫通力を高め、硬い魔物であっても貫くほどの威力を発揮する付与だった。


「本当に付与が付いています」


「やはりそうでしたか」


「【エアーアロー】という付与みたいです」


サイジョウは二人へ効果を説明する。


「矢に風属性の力を付与して、貫通力を高めるみたいですね。硬い魔物でも貫けるほどの威力があるみたいです」


「それはミューラ様に合いそうですな」


カルロゼの言葉に、ザキヴァルも頷く。


「風属性を選んだのは間違いではなかったようですな」


「はい」


サイジョウも嬉しそうに完成した弓を見る。


三人でミューラの戦い方を考えて選んだ【風属性結晶鉱石】。


その力が、付与として弓に発現していた。


そして最後に、サイジョウは完成した弓の名前を考える。


「名前は……【エアーアルヴァ弓】にします」


「エアーアルヴァ弓ですか」


「はい」


こうして――。


レア度★4。


攻撃150。


耐久3000。


付与【エアーアロー】を備えた、ミューラのためのオーダーメイド武器【エアーアルヴァ弓】が完成した。


サイジョウは完成した弓を見つめる。


自分一人ではなく、カルロゼとザキヴァルと共に初めて製作した武器。


「これなら、ミューラさんにも喜んでもらえるかな」


サイジョウはそう呟きながら、【エアーアルヴァ弓】を大切にマジックボックスへ収納した。


これで一つ目の武器は完成した。


しかし、まだレイアから依頼されている杖が残っている。


サイジョウはカルロゼとザキヴァルへ顔を向ける。


次は、三人で選んだ【土属性結晶鉱石】を使った杖の製作。


こうしてサイジョウたちの初めての共同製作は、次のオーダーメイド武器へと続くのであった。

最後までお読みいただきありがとうございます。


今回は、サイジョウがカルロゼとザキヴァルと共に初めての共同製作を行い、ミューラのための【エアーアルヴァ弓】が完成しました。


三人で選んだ【風属性結晶鉱石】から発現した付与【エアーアロー】。


初めて三人で力を合わせて完成させた弓を、ミューラはどのように受け取るのでしょうか。


次回は、レイアから依頼されている杖の製作へ取り掛かります。


今後とも『異世界で念願の店を開く転生者』をよろしくお願いいたします。


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次回もよろしくお願いいたします。

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