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乳がんとともに  作者: 蒼井 つばさ


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術前検査

9月初旬。

造影剤を使用したMRI検査と、どの範囲で手術をするのかを決める診察。


予約時間よりも随分早くに病院に着いていた。

朝食も摂らずに病院に向かっていたので、院内のコンビニで軽食を摂る。


予約時間の30分ほど前に受付に向かった。


受付をして間もなく、検査着への着替えに呼ばれる。

普段通り、金属がついているものを外すだけで良いのかと思っていた。

だが、検査着の上着も渡される。

不思議に思いながらも、渡されたのだからと着替えて待つ。


ほどなく、ルート確保(点滴用の針刺し)に呼ばれた。

どうやら左腕と指定があったそうだ。


血管は細く、奥にあるらしい。

私の血管は左腕からは取りにくいのだ。


だが、流石はこういったところの看護師だ。

一発で決めてくださった。


ただし、肘の裏側(腕の内関節部分)に針が入っているため、腕は曲げないようにと注意を受けた。

1番わかりやすく取りやすい血管で、なおかつ少しでも痛くない血管を選んでくださったのだ。

それくらいの事はやむを得ない。


それが終わるとすぐに検査に呼ばれた。

以前MRIを撮った時とは違う場所の検査室だった。


検査台には、顔を置くクッション台と胸を入れる筒が繋がったような台があった。

クッション台は、真ん中に穴が空いており、胸を入れる筒もカップのようになっている。

そのため、一目でそこに顔と乳房(にゅうぼう)を納めるのだということが理解できる。


うつ伏せで撮るとは聞いていたが、ここまで専用な装置になっているとは思いもよらなかった。


なるほど。

ここまで専用なセッティングになっているのだから、別の部屋に呼ばれた事

乳腺外科用の仕様なのだとしたら、すぐに呼ばれた事

前開きにできる検査着に着替えさせらた事

全てに合点がいった。


体勢が整うとすぐに撮影が始まる。

『あれ?造影剤は…?』

そんな事を思いながら撮影が進む。


半分ほどの撮影が終わっても、造影剤の投与をされる気配がない。


些(いささ)かの不安が胸をよぎる。

『え?このまま、造影剤ないまま終わるなんて事ないよね?』

『造影剤ないまま進んで、後から気づいたら、またこの体勢で撮影進むの?』


そんな事を思っていたら

「では、造影剤入れていきますねー。」

と検査室にアナウンスされる。


だが、技師が入室してくる気配はない。

それにも関わらず、左腕の針が入っているところがひんやりとする。

造影剤が入ってきているのだと、その感覚でわかる。


『え?遠隔できるの!?すごっ!』

そんな風に感じた。


その後、ほどなくして撮影は終わった。

着替えも終わらせて時間を確認すると、元の予約時間過ぎくらいの時間だった。


その約2時間後

乳腺外科の診察だ。


結果として、思っていたよりも小さな範囲での肥大だったようだ。

抗がん剤、手術、内服の薬を変える…

治療法としては、いくつかの選択肢がある。


だが身体への負担を鑑みても、手術が一番負担が少なく済むだろうとのことだった。

そうして、9月下旬の手術が決まったのだ。

翌週、入院に向けた診察や説明が行われることになった。


主治医から

「旦那さんも一緒に来れますか?」

と訊かれたので、当日は夫にも同席してもらうことにした。

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