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乳がんとともに  作者: 蒼井 つばさ


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入院説明

入院説明は事務的なことだけではない。


麻酔科医による、麻酔に関する説明や同意書へのサイン。

乳腺外科での主治医による、手術の形式。

入院支援センターでの、入院に関する手続きやら。


全身麻酔での手術になるため、全身麻酔の流れやリスク説明がある。

もう何度か聞いたことではあるが、改めて聞くと不安にもなるのだ。


そんな内容が書いてある説明書は8ページのものが1冊

実際に私に使われる麻酔に関するの説明書・同意書は4ページのものが1冊


控えとして1部ずつコピーを受け取りはしたが、読み返すと気が重くなる。

不安が大きくなる。


なので読み返すことは、おそらくないのだ。


その後は、乳腺外科で主治医から病状説明と手術に関すること。

3年少しぶりに改めて、一部頭から抜けていた告知当時の診断を目にした。


診断:右乳癌、肝転移、骨転移

進行度:ステージ4

ホルモン受容体:陽性

HER2:陰性


HER2とは、乳がん細胞の表面にあるたんぱく質

ヒト上皮成長因子受容体2型

のことだそうだ。


これの数値が正常範囲内であることが陰性ということである。

治療法として“HER2を狙い撃ちする以外の治療法を選びましょう”ということだ。


簡単にいうと、私の場合はHER 2を狙い撃ちするよりも“ホルモン療法がよく効くタイプ”ということになる。


告知当時頭に残っていた主治医からの説明そのものだった。


手術としては

右乳房(にゅうぼう)の上側を切開

癌を切り取り、背中側の肉を持ってきて縫合


という、シンプルなものだと聞いた。

「どうしてもボリュームは減ってしまうけど、元々豊満な方ならそんなに気にならないと思う。」

と、ホームケアクリニックの医師からは聞かされていたので、あまり気にしないことにした。


最後は入院支援センターで、いよいよ入院手続きに関することだ。

入院する部屋はどうするのか。

病衣はどうするのか。

内服中の薬はどうするのか。

入院時の持ち物説明。


個室は安くても1泊10000円ほどする。

入院期間は4〜6日ほどだと聞いている。

部屋代だけでそんなにかけるわけにはいかなかったので、追加料金のかからない大部屋にすることにした。


病衣に関しては、夫からも

「入院中に合うものを買うくらいなら、レンタルの方が安いから。」

と言われ、病衣は借りることにする。


「他に何かありませんか?」

と言われたので、食事に関して少しわがままを言わせてもらうことにした。


通常の病院食ではなく、食欲減退の人用の献立にしてもらうようお願いをした。

更には、牛乳が苦手なので朝食の牛乳をジュースにしてもらえるようにもお願いした。


…ジュースにしてもらえるように、お願いしたのだ。


持ち物は入院パンフレットにマーカーを引いてもらった。


薬は入院が決まった時から聞いてはいた。

その通り改めて、分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)は、入院1週間前から休薬という指示が出た。



翌日から、入院に向けた準備を本格的にすることにした。


入院の荷物をまとめる事も勿論だが、手術後すぐにシャワーが浴びられるわけもない。

いい感じに伸びてきていた髪を一旦短く切ってしまうことにする。


美容院の予約をとって髪を切ってもらうと、娘と同じような髪型になった。

肩につかないくらいの、いわゆる“ミニボブ”というような髪型だ。


そんな私の髪を見て、娘もニコニコしていた。


久しぶりに家族3人で買い物に出かけたりもした。

物理的にも精神的にも、入院の準備を整えたのだった。

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