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乳がんとともに  作者: 蒼井 つばさ


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2/13

MRIと身体の変化。衝撃の電話。

つわりは私にも人並みにあった。


一般的によく聞く通り、まずは匂いがダメになった。

更に所謂食べづわりのような症状などもあった。

お腹がすくと気分が悪くなり、満腹になっても気分が悪い。

その挙句、私の場合は結構長引いていたタイプだったようだ。


安定期を迎え、一般的にはつわりも落ち着くと言われる時期になってもなかなか治らなかった。

気分は悪い、身体はだるい、常に眠い。

そんな症状と闘う日々だった。

一度だけだったが、風呂上がりに嘔吐したこともあった。


それでも時折感じるようになっていた胎動を、愛おしく思っていた。


出産準備も楽しかった。

抱っこ紐の試着をしに、電車に乗ってアカチャンホンポへ行ったこともある。

徒歩20分ほどの距離にあるベビザラスに腹帯などの準備をしに行ったこともある。


そんな中、再調整をしてもらったMRIも無事に終え、結果を聞きにいく少し前。

少しずつ身体には異変が起き始めていた。


激しい腰痛に悩まされ始めたのだ。


腰痛なんて妊婦にはよくあることで、別段気にしすぎることはなかった。

腰痛を和げるストレッチをスマホで調べたりもした。

夫に言われてカイロを腰に貼ったりもした。


そんな風に、一日の大半をベッドで過ごしていた。

それでも一向によくならない。


むしろ腰痛を感じ始めた2、3日後には激痛で起き上がるのにも苦労するまでになった。


トイレに行ったり、食事をするためにダイニングへ向かうのも床を這っていく。


そんな状態で皮膚科の診察に行くにも行けない。

腰痛は相変わらず改善されず、幾度に渡り病院に予約の延期をお願いしたのだ。


3回目の延期のお願いをした日、電話がかかってきた。


「ちょっと怪しいものが写ってるから、無理してでもきてほしい。」


皮膚科主治医からの、直接の来院要請だった。


『…は?』


一瞬頭は真っ白になったが、この時はすぐに冷静さを取り戻す。

それでも動ける状態ではないことを説明した上で、


「数日後に妊婦健診が控えているから、そのときは必ず行きます。」


と約束をしたのだった。


この時も不安は覚えつつも、

『…いや、まさかね。』

と思っていた。


万が一悪性だとしてもMRIを撮った部位は腰部骨盤部。

まさか乳がんだなんて思いもしていなかった。


夫の認識も同じだった。

ふたりして骨肉腫などそういうものを疑って心配していたのだ。


外は桜の季節。


この年の桜は見ることはなかった。


夫がわざわざ、一駅離れたところに住む義母から車椅子を借りて来てくれた。

車椅子を夫が押してくれ、そうしてなんとか大学病院へ妊婦検診に向かうことができたのだった。


その頃には、車椅子の片方の肘置きに体重を預けてやっと座れる程度。

その支えがなければ、自分の膝に肘を置きバランスを取る。

そんな状態で、当然尿検査なんてできるはずもなかった。


そのまま産科外来へ向かい外来受付に事情を話す。

すると、助産師を通し担当医のところへ相談に行ったようだった。


おそらく、事前に皮膚科の担当医から話は通っていたのだろう。

産科担当医が駆けつけてきて、そのまま産科病棟への入院が決まった。



この日から、約3ヶ月半にわたる入院生活の始まりである。

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