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乳がんとともに  作者: 蒼井 つばさ


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15/17

親子3人での生活。治療の前進。

そんな1週間ほどの入院期間の後、実母の帰宅期間を迎えることになった。


私も少しずつできることも増えていた。

そんなこともあり、実母にはそのタイミングで完全に帰ってもらい、親子3人での生活をすタートさせることにしたのだった。


それでも、基本的に私はベッドの上。

動きの制限もある。

外出時は車椅子。


自宅の設計上、私が家事をすることは、まだまだ難しいという環境。

『ユンの身体的負担はむしろ増えたんじゃないかな…。』

という、申し訳ない気持ちも大きかった。


だが、精神衛生上の環境は良くなったのだ。

夫としても、“義母”に気を遣いながらの生活は大変だったに違いない。

むしろこの3ヶ月程、よく耐えてくれていたと思う。


私の体調の方はというと。

この頃の内服薬に麻薬系の痛み止め(薬剤名は差し控えるが)を使用していた。

その副作用から吐き気が強く出るようになっていた。


朝は麺類、昼はそこそこの普通食。


夕方以降に食べると、夜は嘔吐。


そんな日々を繰り返していたのだ。

おかげで、折角食後に飲んだ薬も一緒に嘔吐してしまう。


『薬も一緒に吐いてるし、これで大丈夫なんかな…。』

と、不安な日々でもあった。


そんな思いの中

11月を迎え、治療がまた一つ動くことになった。


以前言われていた、分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)の開始である。


この薬は副作用……特に下痢が強く出やすい薬だ。

まずは基準量から始め、毎週の通院で経過と様子を見ながら薬の量を調整することになったのだ。


抗がん剤の後は4週に1度程度だった受診は、週1ペースになった。


それと同時に、この薬を飲んでいる間は食べられなくなったものがある。


それがグレープフルーツだ。


その果汁が副作用を引き起こしやすくなるので気をつけなければならない。

だが、いろんなものに入ってることが多いと聞かされた。


だから、特に調味料などは原材料をチェックするようになっていた。

飲み物も、グレープフルーツの入っているものは避けるなど気をつけた。


薬を飲み始めて数日は大した副作用もなく過ごすことができていた。


だが、1週間が経つ頃には少しずつ副作用が出るようになっていた。


また、採血の結果も思わしくなく、薬の量が一段階減になった。


この頃には、副作用はしっかり出るようになっていた。

汚い話ではあるが、お手洗いまで間に合わない日もあった。

それくらい、ひどい下痢だったのだ。


次の受診でも、採血の結果も思わしくなかった。

それに加え、副作用もひどい。


薬は、更に一段階減った。


基本量から二段階限という、最低ラインの量だ。


これでやっと副作用がマシになったと思ったのだが、採血の結果はあまり良くない。

そんな理由から、一旦休薬することになったのだ。


この頃、すでに新年の背中が見えていた。


次回の診察は年明け。

それまで3週間程。


内服開始時から、医師からは体調次第で自己判断で中断しても良いとは聞かされてた。

とはいえ、


『そんなに休薬して大丈夫かな…』


副作用から解放されるという、ほっとした思いと同時にそんな不安も心をかすめた。


当然、医師の判断なのだから、問題ないのはいうまでもないのだが。


短いような。

長いような。


そんな3週間だった。

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