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オズと召喚士  作者: 森ハム
第2章 〜 神様地上生活編 〜
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熱いハート

 ようやく動ける様になったジークの元へ、バーチュが戻ってきた。

 そのバーチュは自分を追い込みキレだした。

『喰ってやる! 何もかも! 全てオイラにしてやる!』

 怒り狂うバーチュに対し、ジークは冷静な言葉を告げる。

『自分の行いを人のせいにしてはいけない。……そう、ワタシも……』

 命令とはいえ、過去に多くの命を奪ったジークは罪を感じていた。だが、その罪を誰かに擦(なす)り付けたり、拒もうともしなかった。彼は全て受け止めようとしていた。

『ウルサイ! ウルサイ! ウルサーーーイ!!』

 叫びながら、ドンッと大きく腕を横に振り、木を薙ぎ倒すバーチュ。

『オイラは悪くない! 全部他のヤツがいけないんだ! オイラをイジメたヤツもそう! オイラをフッたあの女もそう! 全部ぜんぶゼ〜ンブッ、アイツ等がいけないんだーーー!!』

 バーチュは薙ぎ倒した木を貪(むさぼ)り始めた。すると、バーチュの指がつるの様に伸び、ジークの身体に巻き付いた。

『オマエも喰ってやる!!』

 指が縮みジークを引き寄せる。そして、ジークの肩にかぶり付いた。すると、バーチュの身体は鋼鉄の身体へと変わっていった。

『凄い! 疲れる事の無い、この身体なら何でも出来そうだ! ハーハッハッハッー』

 高笑いをするバーチュのスキをつき、離れるジーク。

 食べられてしまった側の腕は使い物に成らない。そう判断して腕を切り離した。

 バーチュはギンッと目を光らせ、ニヤッと笑うと、ジークに向かって走り出した。

『アナタの様な人は、ワタシが必ず止めて見せます』

 ジークもバーチュに向かい走り出した。

 しかし、パワーもスピードもバーチュの方が上だったため、ジークの身体は吹っ飛ばされてしまった。

『機械って凄いなぁ。オイラ感動しちゃったよ』

 自分の身体を眺めながら興奮している様子。

『ワタシは……』

 ガタガタの身体をゆっくりと起き上がらせようと、ジークは力を振り絞った。

『ん? まだオメー動けたのかぁ』

 バーチュはゆっくりとジークに歩み寄った。

『ワタシ……は……』

(また、ぶっ壊れたら容赦しないんだから!)

『ワタシは、負けないっ!』

 カッとジークの目が光った。

『ウオォォーーーーッ!!』

 ジークが叫ぶと目の前に新たなパーツが現れ始めた。

 ガシャンと音を立てながら、ソレ等が装着されていく。

 手には紅く染まった熱を帯びた刀。胴体を守る白と赤のアーマー。翼を型どった様なブースト。【Gー9 SIN】

 この装備を造った時、老婆が言った。

『絶対に死ぬんじゃないよ。お前を造り直すのは簡単だ。でも、お前はお前しかいないんだ。それに、罪を償いたいんだろ? 死んだらそれも出来やしないよ』

 笑いながら語りかけてくれた。その言葉がうれしかった。約束を果たせないかもしれない。だけど引くことは出来ない。仲間のため、自分のため、そして目の前の敵のため。ジークは、バーチュに人のせいにせず、自分の罪は自分で背負わせたかった。自分と向き合って欲しかったのだ。

『ワタシは逃げない!! 例え全てを失っても、ワタシは逃げずに立ち向かう!!』

 刀を構えると、ジークは飛び出した。

『逃げれば良いものを……』

 ジークの胸は、機械と化したバーチュの腕に貫かれていた。

 ジークの目の光は消え、機能が停止。いわゆるシャットダウン状態だ。

 次の瞬間、停止したはずのジークの腕が動き出し、胸を貫いたバーチュの腕を掴んだ。

『クッ、離せっ、離せっ!!』

 バーチュは抵抗するがジークは、決して離さなかった。ジークの目は、チカチカと切れかけの蛍光灯の様に点滅している。それでも尚、なんとか力を振り絞り、刀をバーチュに突き刺した。

『マ……スター……』

 ジークもバーチュも、両者共に動きを止め、この戦いは幕を閉じた……。

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