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オズと召喚士  作者: 森ハム
第2章 〜 神様地上生活編 〜
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暴食 ー グルトニー ー

 心を持たぬ殺戮兵器、ジークもかつてはそうだった。でも、今は違う。誰かの命令ではなく、自分の意思で動くことができる。主(マスター)の為、仲間の為に彼は立ち上がった。

『ワタシと主(マスター)の絆を見せてやろう』

 ジークの目の前に、機械のパーツが突然現れた。

 老婆は空間転移の魔法を分析し、いつでもどこでもパーツを転移させる事を可能にしたのだ。

 そのパーツをジークは装備した。ガトリングガン、ミサイル、ビーム兵器。どれも重装備だ。

 素早い敵でも手数でどうにかなると判断した。だが、それは間違いだった。

『オイラにそんなの通用しないんだな』

 バーチュは腰に下げた袋から何かを取り出し、バリバリと食べ始めた。

 すると、バーチュの身体は硬くなり、全ての攻撃を受けきったのだ。

『なっ!?』

 これには流石に驚きを隠せないジーク。

『オイラは今、ダイヤモンドを食べたんだ。食べた物を自分の力に変える。コレが、オイラの能力【暴食(グルトニー)】!!』

 つまり、バーチュが先程、袋から出していたのはダイヤモンドだったのだ。

『それじゃ、次はコレを食べようかな』

 再びバーチュは袋をあさり始め、また何かを食べ始めた。

 すると、ジークの身体がバーチュに引き寄せられていった。

『何だ!? 身体の自由が効かない!?』

 バーチュの目の前まで引き寄せられたジークは、身動きが取れず、ただの機械の塊にすぎなかった。

『そ〜れっ!!』

 バーチュはジークに殴り掛かった。金属で出来た身体でも、バーチュの攻撃は通用した。

 なんとかして離れようとするが、抵抗できない。

『オイラ、今度は磁石を食べたから、もう離れられないぞ?』

 ジークの弱点を突いてきたバーチュ。

『それそれそれ〜!!』

 バーチュは、サンドバッグの様にジークを殴り続けた。ジークは藻掻いた。ただ、ひたすらにもがき続けた。藻掻いた末に、ジークの身体は次第に熱くなっていった。

 これも、機械特有の性質。無理な起動をし続ければ、すぐに熱を帯びてしまう。寿命が縮む事を覚悟した、ジークの捨て身の抵抗だった。

 その甲斐もあり、ジークの身体の熱は走行後のバイクのマフラーの様になっていた。そのため、触れたバーチュは、

『あぢゃーーーーーっっ!! ぢゃぢゃっ!!』

 とてもじゃないが、触れていられなかった。すぐに、適当な物を食べ、ジークを自分から離したのだった。

 ようやく離れる事が出来たジークは、かなりボロボロの姿に成り果ててしまった。その上、オーバーヒート。しばらく動くことが出来そうに無かった。

『なかなかやるじゃねーか。でも、今がチャーンス!!』

 動けないジークに追い討ちを掛けようとするバーチュ。しかし、その瞬間!

 ピューッと風が吹くと、バーチュは飛ばされてしまった。

『ぎゃーー!!』

 先程バーチュが食べたのは、袋に入れっぱなしだった、いつか食べたキャンディーの包み紙だったのだ。

 これで少しは時間が稼げそうだ。今の内に身体を冷ますジーク。

 なんとか動くことが出来るようになった。しかし、機動時間は長くはないだろう。

 短期戦で決着を付けなければならない。そんな時、バーチュが戻ってきた。

『遠くまで飛ばしやがって! オイラ、もう怒ったかんなーーーっ!!』

 また自分が悪いのを人のせいにして怒り出したのだった。

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