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オズと召喚士  作者: 森ハム
第2章 〜 神様地上生活編 〜
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魔法剣

ー 残り時間 7分 ー


 ゼブラの【写し身】に翻弄される牙王。その少し離れた場所では、ジャンヌはユーフォニアと大縄で遊んでいた。

 片方の縄は木に縛られ、もう片方はジャンヌが持っていた。

(何故、私は敵地で縄を回しているのだ……)

 しかし、ユーフォニアは喜んで縄を跳んでいる。その姿は微笑ましかった。

 だが、ユーフォニアは突然跳ぶのを止めてしまった。

『どうしたの? もう飽きちゃったかな?』

 意外と面倒見の良いジャンヌ。

『何でゼブラは戦ってるの?』

 ユーフォニアの視線は牙王達へ向けられていた。

『ねぇ、お姉ちゃん達は悪い人?』

 ジッとあちらの戦いを見たまま質問をしてきた。

『私達は悪い人じゃないよ』

 その答えに納得いかない様子のユーフォニア。仲間が戦っている。仲間は正しい。仲間の敵は自分の敵。コレが、純粋故の結論だった。

『ゼブラはいつだって正しいモン。良い事も悪い事も教えてくれるモン。ゼブラは悪い人としか戦わないモン』

 小さな身体は震えていた。

『お姉ちゃんはユーフォニアと遊んでくれたから好き。でも、ゼブラの事はもっと好き。だから、ゼブラの敵はユーフォニアの敵なのっ!!』

 ユーフォニアの身体から炎が溢れ出した。ジャンヌに向けられたその顔からは、先程までの無邪気さは消え、憎しみの表情を浮かべていた。

『待て、出来ることなら私は戦いたくは無い』

 だが、その言葉はユーフォニアには届かない。もはや、幼き少女は聞く耳を持っていなかった。

 炎を纏ったユーフォニアはジャンヌに向け突進した。彼女の通った後は、草も残らず灰に成り風に消えた。

 それを見たジャンヌは、まともに攻撃を受けたらマズイと判断し、動きに集中して避ける事を選んだ。

 相手が幼いお陰で軽いフェイントで翻弄出来た。その為、避ける事には苦労しなかった。

 だが、本来の姿を知ってしまったせいで、ジャンヌは攻撃をためらってしまう。だからといって、避け続けてしまえば子供の考える事だ、広範囲の攻撃を仕掛けてくるに違いない。それはリスクが高過ぎる為なんとか阻止したい。

 次の攻撃は、避けずに真っ向から向き合おうと決心した。

 しかし、ジャンヌの手には何も武器(えもの)は無かった。

 いつもの様にウッカリではない。これで、良かった。牙王の様に力が有る訳でも頑丈な訳でもない。それでも、コレが彼女なりのスタイルだった。

 再びユーフォニアがジャンヌ目掛け突進してきた。それをジャンヌは防ぎきって見せたのだ。

 ユーフォニアの突進を防いだジャンヌは、一体何処から出したのか、手に剣を持っていた。ユーフォニアの身体は、その剣により空へと弾かれた。

『ズッル〜イ!! そんな武器をずっと隠し持っていたなんて!!』

 犯則だと言わんばかりに、ユーフォニアはピーピー怒っていた。

『隠し持ってなんかいなかったさ。たった今生成したばかりの新品だからな。コレこそ私の新たな力、【魔法剣】だ!!』

 ジャンヌの魔法剣は、剣に魔法を掛けるタイプではなく、魔法で様々な剣を創り出すタイプだ。

 そして、今回は土を元に剣を創り出したため、強度を誇るゴツゴツとした剣になったのだ。

 子供相手だからといって、出し惜しみしていたら自分が灰に成る。ジャンヌはもう一つの得意な魔法、聖なる十字架(セイントクロス)を使った。

 更に、聖なる十字架(セイントクロス)に魔力を加え、風の刃を纏わせた。コレは魔法剣の応用技だ。

『今度はコチラから行くぞっ!!』

 聖なる十字架(セイントクロス)をユーフォニアに向け放った。ジャンヌは相手が子供という事もあり少しばかり手加減した。にも関わらず、ユーフォニアは反応出来ずに真正面から聖なる十字架(セイントクロス)を喰らってしまった。

『ウソーーーッ!!』

 ジャンヌは慌てた。ジャンヌの放った聖なる十字架(セイントクロス)がユーフォニアの左胸に突き刺さっていたからだ。

 ユーフォニアの炎は消え、その小さな身体を地に落とした。

 急いでジャンヌが駆け寄ると、ユーフォニアの心臓は停止していた。

『衛生兵ーーーッ!!』

 ジャンヌは敵地にも関わらず大声で叫んでしまった。その叫び声は響き渡り、牙王達の耳にも聞こえてきた。

『どうやら……アッチは決着が付いたみたいだな……』

 牙王は息を切らせながら言った。それを聞いてなお、ゼブラは笑みを浮かべている。

『決着? 何を言っているのですか?』

 すると、ユーフォニアは目をパチッと開け立ち上がった。

『いったぁ〜い、危うく死んじゃうとこだったよ〜』

(いやいや、死んでたし!! 心臓止まってたし!!)

 何事も無かったかの様に振る舞うユーフォニアにジャンヌは驚いた。

『アレはどういう事だ?』

 遠くから見詰めていた牙王も驚いていた。それを聞いたゼブラが言った。

『彼女は……、ユーフォニアは不死身なのです』

 そんな馬鹿げた事が有るのだろうか? 仮にそれが本当だとしたら、まず勝ち目が無い。攻撃を受け付けない敵と、不死身の敵。この二人を相手に成す術の無い牙王とジャンヌ。


ー 制限時間(タイムリミット)まで 後5分 ー

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