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オズと召喚士  作者: 森ハム
第2章 〜 神様地上生活編 〜
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ミミズの缶詰め

『まったく、先走りおってからに……』

 呆れ顔で牙王はドロシー達を見つめた。

『目が覚めたら居ないので探しました。まさかと思いましたが……やはり、そのまさかでしたね』

 追い討ちを掛ける様に、続けてジャンヌは言った。

『ワタシの改造も間に合いました』

 ジークの姿は前と変わらないが、あの老婆が改造を施したらしい。

『取り敢えず、一旦退きましょう』

 レイがドロシーの手を取り、外へ行こうとした時、ゼブラはメガネをクイッと上げながら言った。

『人様の住処を荒らしておいて、見す見す帰すとでも思っているのですか?』

 ゼブラの言っている事はごもっともだ。

『そうだよ。悪いことしたらゴメンなさいだよ!!』

 それも間違ってはいないが、どこか違っている。

『ゴメンなさい』

 取り敢えず、ドロシーは謝った。

『分かれば良いのよ。もう悪いことしたらダメだからね』

 そう言ってユーフォニアは立ち去ろうとするが、ゼブラに引き止められた。

『コラコラ、ユーフォニア。ゴメンなさいでも許して貰える事と許して貰えない事が有るんですよ?』

『そうなの?』

 よく分かっていないユーフォニアに説明を施した。

『例えば、ユーフォニアの大好きな絵本【ミミズの缶詰め】が、破かれたらどうですか?』

 ミミズの缶詰め!? とても内容が気になるがまったくもって惹かれない。むしろ、考えただけで気持ちが悪い。

『それは嫌なの……』

 今にも泣きそうな顔のユーフォニア。

『今、それと似たような状態なのですよ』

『じゃあ、新しいのを買って貰おう?』

 ヤレヤレといった感じでしゃがみ込み、ユーフォニアに親切に説明を続けるゼブラだった。

 ユーフォニアはゼブラの肩を指で突付いた。

『いいの? みんな行っちゃったよ?』

 ゼブラは、説明に夢中になり、ドロシー達が外へ逃げ出した事に気が付かなかった。

『ここで逃がす訳にはいきません!!』

 ゼブラは片手を空へと掲げた。すると、空には魔法陣が浮かび上がった。

『これで、この世界から逃げる事は出来ません』

 魔法陣は異世界へ逃げるのを防ぐ為の結界だった。

 ドロシー達は、この世界から離脱するつもりなど無かった。だが、いざという時の為の退路は残しておきたい。その為にも、何とかして結界を解く必要が有った。増援が来る前に二人を仕留めておきたい所だ。

 そこで、牙王とジャンヌが立ち上がった。

『俺が、あのメガネを叩く!!』

 今の所、敵意を見せないユーフォニアの相手を避ける為、牙王は先手を取った。

『なっ!? ズルいぞ!! 私だってあの娘と戦うのは気が引ける!!』

 ジャンヌは焦った。だが、牙王は譲る気など毛頭無い。

『【漢】たるもの、如何なる時も女に手を上げるべからずだ……』

 ジャンヌは腑に落ちないが、それでいくしか道は無かった。

 ドロシー達はなるべく離れた所へ退避し、政宗の回復を待つ事にした。

 ゼブラとユーフォニアが、建物から出て来ると牙王とジャンヌは二手に別れ、ゼブラとユーフォニアを切り離そうとした。

『お譲ちゃん、悪いが俺はメガネの旦那に用が有るんだ。だから向こうのお姉さんに遊んでもらいな』

 すると、ユーフォニアは目を輝かした。

『遊んでくれるの〜? ワーイ! ワーイ!』

 走ってジャンヌの方へと向かうユーフォニア。それを見て、心底相手をしなくて良かったと思う牙王だったが、騙す形に成ってしまい心が痛んだ。しかし、そんな事を考える余裕もすぐに無くなった。

『あの子を離してくれた事に感謝します。あの子だけは、傷付けたく有りませんので……』

 牙王とゼブラの戦いが、今、始まろうとしていた。

 一方ジャンヌは……

『ねぇねぇ、何して遊ぶ? 縄跳び? 縄跳びが良いなぁ〜?』

 本気で普通に遊ぼうとするユーフォニアに翻弄されていた。

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