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オズと召喚士  作者: 森ハム
第2章 〜 神様地上生活編 〜
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アックス

 自分を2番目に強いと叫ぶアックス。アックスを倒せば後は強いのは雫だけ……。否!! 彼の言葉を、もはや信じる者は誰も居ない。負け犬の遠吠えという言葉が有るが、まさに彼の事を指す言葉だ。どちらにせよ、アックスを倒せるだけの力が無ければこの先進む事は出来ないだろう。

『お前は2番目にすら成れやしないよ……俺の方が強いからな』

 政宗は挑発する様に言った。

『俺様は強い! 強くなきゃいけねぇんだ!』

 アックスには強さに拘る理由が有った。

 まだ、アックスが幼かった頃……。父と兄の三人で暮らしていた。家は貧しかった。その日に食べるのも困難で、父は毎日狩りに出掛け獲物を仕留めて持ち帰ってきた。しかし、その大半は借金の肩代わりとして持っていかれる日々だった。

 父は子供達にだけは満足のいく食事を摂らせようと、自分はほとんど食べずに与えていた。

 そんなある日の事、父はこんな噂を聞いた。

【水晶の翼を持つ怪鳥を討伐すれば莫大な報酬を得られる】と。

 父は過去にドラゴンを仕留めた事も有り、腕っ節には自身があった。そこで、怪鳥を討伐しに出掛けたのであった。

 数日後、父は家に帰ってきた。屍と成って……。

 それからは、兄と共に協力しあい暮らしていった。

 やがて、二人は父の様な立派な青年となったのだった。二人で狩りに出掛けた時の事である。空が急に暗くなったと思い見上げると、そこには父の仇である怪鳥の姿が有ったのだ。曇って暗くなったと思っていたのが、巨大な鳥だったのだから二人は大慌てで走って逃げた。

 しかし、怪鳥は二人を追いかけてきた。兄は、アックスを逃がそうと必死に食い止めようとするが、怪鳥の力は凄まじく、呆気なく殺されてしまった。

 父だけでなく兄までも怪鳥に殺され、アックスの怒りは頂点へと達した。

 アックスは怪鳥へと向かって走って行った。持っていた槍で怪鳥を一突き!! だが、怪鳥は水晶の翼で防ぐと同時にアックスごと跳ね飛ばしたのだった…………羽だけに。

 運悪く、跳ね飛ばされた衝撃で片腕を痛めてしまった。そこへ、容赦なく怪鳥がアックスに襲い掛かってきた。その時、一人の少女が何処からか現れ怪鳥を真っ二つに斬り裂いた。

 命を救われたばかりではなく、父と兄の仇を討ってくれたのだ。家族を失った悲しみ、憎き者が死んだ喜び、自分の弱さの不甲斐なさ、それぞれが入り混じり、激しく泣いた。少女は泣き止むまで片時も離れず側にいてくれた。そんな少女の力になる為、強くなろうと決心した。

 少女の名前は雫。彼女がまだ異世界で絶望し、堕天する前の事らしい。堕天した後も、アックスは雫への忠誠心を変えること無く、強さを求め続けたのだった。

『俺様は……俺は……もっと強く成りたい! あの人と同じ目線に立つために!! うおぉぉぉーーっっ!!』

 アックスの周りの大気が震えだし、見る見る姿を変えていく。アックスの爪が鋭くなり、翼は水晶に。その姿は、まるであの怪鳥の様だった。

『なんだコレは……? 力が……力が満ち溢れてくるようだっ!!』

 アックスは限界を超え、新たな力を手にしたのだった。

『もう、遅れは取らねーぞ』

 アックスは政宗に向かって飛び掛かった。ただでさえ速かったスピードは、更に速く政宗が身構える事も出来ず回り込まれてしまった。そして、素早い拳の一撃で政宗を吹っ飛ばし、壁に叩きつけた。とっさにシールドが間に合い、重症を負わずに済んだ。だが、政宗に再びピンチが訪れたのである。

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