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オズと召喚士  作者: 森ハム
第2章 〜 神様地上生活編 〜
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いざ、天界へ

 やっとの事で見つけ出した雫は、堕天の王と化してしまい、何処かへ消えていってしまった。

 取り残された政宗は何も出来ずに、座り込むだけだった。

 その姿を見たドロシーは、一度天界へ帰る事にした。

 政宗を連れて。

『政宗君、雫ちゃんは必ず取り戻してみせるから、一度一緒に天界へ行ってみない?』

 優しく政宗に声を掛けるが返事は無かった。

 相当ショックだったのだろう。

 とりあえず、ドロシーとレイは政宗を連れて家に帰った。

 雫が居ない事でパニックにならぬ様、家族の記憶は改変させておいた。

 政宗の部屋へ入ると、ドロシーは紙に魔法陣を描き始めた。

 魔法陣は光出し、そこに牙王が現れた。牙王の姿は以前に比べて鍛えられている様で、少し大きくなっている様にも見えた。獅子の如くボサボサの髪も、今ではスッキリとして威厳を感じさせる様だった。

(この男が牙王……)

レイはドロシーから牙王の事も聞かされてはいたが、想像以上の強さを感じ取っていた。

『おう、久しぶりじゃないか。俺に何か用事でも出来たか?』

 見た目は違えど性格は変わってはいなかった。

『えぇ、貴方の力が必要なの。良いかしら?』

『お前等には恩が有るからな。何処までもとことん突き合わせてもらおう。それに、王というものは退屈でな』

 牙王はギリキンの王に成っていた。牙王の世界では、あれから数年の時が立っていた。なので、彼もそれなりに王として立派に成っていたのだ。

『ところで、コイツはどうしたんだ?』

 何も知らない牙王は政宗の方を見て言った。

『実は……』

 ドロシーが事情を説明すると、なるほどと頷き、牙王は政宗を持ち上げた。

『とにかく、ここに居ても始まらないのだろ? なら、天界とやらへ行こうではないか』

『では、私が天界の門を開きます』

『えぇ、お願い』

 レイが両手を床に付け、ブツブツと呪文の様な物を唱えると、空間に大きな穴が開いた。

『さ、行くわよ』

 ドロシー達が穴を通ると、そこは青空の元、木々に囲まれ自然に満ちた綺麗な景色が広がっていた。

 その中心に大きな建物が見える。どうやら、そこがドロシーの住処のようだ。

 歩く事数十分。景色は一変し、街のようなものが見えてきた。

 街には天使や精霊、妖精達が暮らしていた。まるで、おとぎの国みたいだ。

 そんな世界を目の当たりにしたら確実にはしゃぎだすはずの政宗は、今は死んだ目をして牙王の肩の上で、布団を干すかの様に抱えられている。

 中心の大きな建物に辿り着くと門も扉も無く、入り口らしき物は見当たらなかった。

 壁に窪みが有り、ドロシーがそこへ手をかざした。

『さ、私に捕まって』

 ドロシーに触れると光に包まれ建物の中へと転送された。

『やっと帰ってきましたか』

『お待ちしておりました』

 その声の主はジャンヌとジークだった。二人はこの世界にドロシーが帰った後、すぐに召喚され共に暮らしていたのだ。

『レイ、この者は何者なのだ?』

 ヒソヒソとジャンヌは、ドロシーの隣に居る大男についてレイに問いただした。

『牙王様だとお聞きしましたが、存じませんでしたか?』

 その一言にジャンヌは驚いた。見た目が変わっていたので、全く気が付かなかったのだ。

『久しぶりだな、ジャンヌ。それに、ジークも』

 ジャンヌ達にとっては数週間の時間だが、牙王にとっては、もう、何年か前に出会った相手だった。そのため、再開の感動も人一倍だった。

 ヨイショと、ジャンヌとジークの前に政宗を下ろした。二人は絶望に満ちた政宗を見て驚いた。

『何が有ったのですか?』

『今からそれを話すわ……』

 ドロシーは全てを二人に話した。

『政宗君の妹奪還を手伝ってくれるかしら?』

 皆は二つ返事で賛同してくれた。だが、肝心の政宗はまだ正気ではなかった……。

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