誘拐
男と怪人が戦っていた。
『おいおい、俺を相手にしていて良いのか?』
『どういう事だ!?』
男は笑いながら言った。
『ククク…今頃、お前のボスは俺の仲間に殺られている頃だろうよ』
『貴様に仲間が?ハッタリはよすんだな』
『ハッタリかどうかは自分の目で確かめろよ』
怪人はハッタリだと解ってはいるのだが、心の何処かで男の言葉を信じていた。
『隙が出来てるぜ?』
【滅殺剣(エンド オブ ブレード)(ただの包丁)】
『やはり…ハッタリか…』
怪人は男に斬られると爆発した。
政宗とドロシーは映画館から出て歩きながら話始めた。
『今回のはイマイチだったね』
『TV版の3話が俺は好きだな〜』
『アレでしょ?落とし穴の中に、蓋の外れたマヨネーズが落ちてるヤツ』
『そうそう、アレ精神的に嫌だよね』
[ 説明しよう! 二人は【絶対勝利 サラリーマン】の話をしていた。 普通のサラリーマンが怪人達と戦うヒーロー物である。主人公が勝つ為なら手段を選ばない所が人気の作品だ。]
二人は昼食を食べながらこの後の予定を考えている時の事だった。
突然電話が鳴り出した。
着信はエイラからだ。
政宗は電話を無視していたが、何度も鳴るので仕方がなく電話に出ると。
『何ですぐに電話に出ないのよ!』
エイラは怒っていた。
ま、当然の反応だ。
『で、何の用ですか〜?』
棒読みで応対すると
『さっきまで雫ちゃんと一緒に居たんだけど、ちょっと目を離したら居なくなってて』
(そういえば今朝エイラと買い物に行くとか言ってたっけ…)
『雫の携帯の番号知ってるだろ?』
『電話くらいちゃんとしたわよ!でも何度しても出ないの!』
政宗とドロシーはエイラの元に着くとドロシーが何かに気がついた。
『ちょっと待ってコレって多分迷子じゃない』
『迷子じゃないってどういう事だ!?』
ドロシーは真剣な顔をしていた。
『魔力の残り香』
『魔力の残り香!?』
『つまり、何者かに攫われた可能性が高いわ』
エイラはそれを聞くと顔が真っ青になり泣き出してしまった。
『ごめんなさい、私が目を離さなければこんな事に…』
政宗はエイラの肩を軽く叩いて慰めた。
『俺が必ず連れて帰る。だから、泣くな。それに…お前が目を離さなくても結果は同じだったと思うぞ?』
政宗はワザとエイラを怒らせるような発言をして元気を出させようとするが、それでもエイラは自分の不甲斐なさに押し潰されそうになっていた。
エイラの事も気に掛かるが、今は一刻も早く雫を助けなければならない。
政宗とドロシーは魔力の残り香を頼りに雫を探す事にした。
魔力という事は雫を攫った犯人は人間じゃない可能性が非常に高い。
そこで、レイとミハイルに連絡をとり合流する事にした。
先日の事もありレイとはあれ以来、会話をする事も無かったため頼みづらかった。
それでも雫の為に政宗は意を決して頼みこんだ。
するとアッサリと了解を得て、すぐさまレイは合流してくれた。
一方ミハイルは携帯に電話しても出る事はなく連絡を取れなかった。
仕方なく三人で探す事にした。
レイはドロシーにひっそり話しかけた。
『ドロシー様、ちょっと宜しいですか…?』
『何?』
『この魔力についてですが…』
『貴方もやっぱり気付いたのね』
『はい、コレは天界の者の魔力に似ているかと…』
『えぇ、でも天界とは少し違うわ』
『だとすると、やはり……』
『間違いないわ。………堕天使ね』
想像以上に厄介な事になってしまった。
堕天使とは停戦協定中だったのだ。
雫を助ける為には戦闘を避けるのは厳しいだろう…。
そんな時、ミハイルからの着信が鳴り響いた。
『履歴が有ったんだけど何か用?』
状況を知らないミハイルは脳天気に喋っていた。
『雫が、妹が何者かに攫われた!』
『攫われた?今、俺と居るけど?』
どういう訳か攫われたと思っていた雫はミハイルと居るらしい。
『本当か?それで今どこに居るんだ!?』
『今?俺達の通ってる学校だけど?』
『わかった。すぐに向かうから待っててくれ!』
政宗達は急いで学校へ向かった。
学校に着くと校庭に横たわる雫姿がそこには有った。
『雫っ!!』
雫の元へ駆け寄ったその時…。
雫の身体から見えない力が放たれ政宗達は吹っ飛ばされてしまった。
『邪魔してもらっちゃ困るなぁ……オズ』
声のする方へ振り向くと、そこにはミハイルの姿が有った…。




