聖なる十字架(セイントクロス)
ジャンヌは政宗達を教会に向かわせパンドラと戦っていた。
ジャンヌはハルバードを構え何やらブツブツとパンドラに聞こえない様に喋りだした。
パンドラは両手にナイフを持ちジャンヌを左右から挟むようにして腕だけを空間転移させ斬りつけた。
ジャンヌは軽く後ろに下がりそれを躱した。
『何故だ!?何故躱せる!?』
パンドラの問いにも答えずにブツブツとジャンヌは喋り続けた。
パンドラは何度も何度も何度も斬りつけるが掠りもしなかった。
パンドラは小細工無しで真っ向からジャンヌに飛び掛かった。
この時を待っていたと言わんばかりにジャンヌはニヤリと笑い、ハルバードを振り抜いた。
しかし、パンドラは空間転移でジャンヌの背後に回った。
『バカめ、私は最初からこのつもりだったのさ』
ジャンヌ目掛けパンドラがナイフを斬りつけようとした時、一瞬で何かがナイフを弾いた。
『バカめ、私は最初からこのつもりだったのさ』
ジャンヌはパンドラの台詞をそのまま返しパンドラの腹に一撃、肘打ちを食らわしパンドラは軽く後に飛ばされた。
咳き込みながらジャンヌを睨んだパンドラはハッとした。
『何だそれは…!?』
ジャンヌの周囲には光の鳥がいくつも飛んでいた。
『これか?これは【聖なる十字架】私の魔術だ?』
ジャンヌがブツブツと言っていたのは詠唱だったのだ。
翼を広げた鳥の姿が十字架に似ている事からジャンヌは聖なる十字架と呼んでいた。
『ただのアホだと思っていたら、とんでもない曲者だったとはね』
『それは褒め言葉と受け取っておこう』
パンドラに向け光の鳥は放たれた。
光の鳥はナイフの様にパンドラを切り裂いていった。
『よくも、よくもよくもよくも……よくも私に傷を付けてくれたわねーーーっ!!』
パンドラは怒り狂った。
『もう、許さないわ!この姿にだけは成りたくなかったけど仕方無いわね』
そう言うと、パンドラの姿は闇に包まれた。
『うふふふ、この姿を見せるからには生きては帰さない』
闇の中から声がした。
そして、徐々にパンドラはその姿を現した。
蛇の様な身体に六本の腕、皮膚には鱗を張り巡らせていた。目も蛇の様にギョロッとしていた。
光の鳥は再びパンドラへ向かっていくがパンドラの鱗の前では無意味と化した。
パンドラが蛇の様な身体を激しく振るとジャンヌは建物の壁へと吹っ飛ばされた。
ジャンヌの額からは血が流れていた。
『うふふふ、さあどうする?命乞いでもしてみてよ。無様に地に這いつくばって惨めな姿を見せてみなさいよ…ホラ!ホラ!ホラ!ホラ!』
パンドラはジャンヌを地面へと何度も叩き付けた。
パンドラの反撃が始まった。




