テヘペロ
ー 政宗達 ー
ソルの居場所を探しエメラルドシティをただ闇雲に走り回っていた。
『全く、何処にソルは居るんだよ!』
嘆く政宗にジークは答えた。
『街の中心に有る大きな教会でございます』
そうだ!最初からジークに聞いておけばよかったのだ。
『何で教えてくれなかったんだよ!』
『聞かれていませんので』
これだから機械というやつは融通がきかない。
とりあえず街の中心へと向かう事にするのだが、走り回っていたせいで疲れてしまい敵の本拠地であるにも関わらず少し休むことにした。
『そういえば、政宗君の髪少し伸びたね』
『あぁ、こっちに来てから大分たったもんな』
そう考えると感慨深いものだ。
それを聞いたジークは手を外しハサミ型のパーツを取り付けた。
『斬るですか?それともKILLですか?』
『え、遠慮しておきます』
どちらも危険な言葉にしか聞こえなかった政宗は丁重にお断りした。
ていうか、【それとも】ってなんだよ!と思う一同だった。
『うふふふ、みぃ〜つけた』
ドロシーの背後からナイフを持った手が現れた。
しかし、それに誰も気が付いていなかった。
ナイフを持った手はドロシーを斬りつけようとした時、ジークはドロシーの服を掴んで引っ張った。
『気を付けて下さい。生体反応を感知しました』
ドロシーは間一髪の所で助かった。
だが、ハサミ型のパーツを付けたままのジークによりドロシーの服は破けてしまった。
『ちょっと、私の服をどうしてくれるの!?これ、高かったのよ!?』
まあ、自分の金で買ったわけではなくエヴァノラに買ってもらったのだが…。
『今度こそ』
もう一度ナイフを持った手がドロシーの背後に現れた。
ガシッとジャンヌはその手首を掴んだ。
『何物だ!姿を見せよ!』
ジャンヌは手に向かって言った。
『バレちゃあ仕方ないか…ククク』
薄気味悪い笑い声と共にパンドラは姿を現した。
『姿を見せよと言っている!』
それでもジャンヌは手に向かって話をしていた。
パンドラを含めみんながジャンヌを「コイツ、アホか?」と言いたそうに痛い視線を向けていた。
パンドラが腕を戻すとジャンヌは一人キョロキョロとしていた。
要約パンドラに気が付くと身構え言った。
『貴様!いつからそこに居た!?』
「普通にさっき出てきてたよ」とアホを見る目でみんな語っていた。
『パンちゃんひっさしっぶり〜』
ドロシーはパンドラに飛び付いた。
『く、苦しい…』
ドロシーは興奮の余りパンドラを締め付けた。
『離してやれ』
と、政宗はドロシーをパンドラから引き離した。
ゼェゼェとパンドラは息を整えた。
『神め、なかなかやるな』
いや、今のは攻撃ではない。
『神を憎んで有余年、要約この日が参ったのだ!!』
『何をやらかしたんだ?コイツ〜?』
政宗はドロシーの頭を軽く小突いた。
『私にもわからないよ〜』
周りからはただイチャイチャしてる様にしか見えないやり取りだった。
『貴様が私に変な壺を渡して来たのがいけないんだ!!』
『変な壺?』
いわゆるパンドラの箱と呼ばれる物だ。箱と呼ばれているが実際は壺だったそうな。
パンドラの箱には様々な災厄が詰まっており、最後に残ったのは希望だったと言われている。
『あんな物を渡すから私はどんな大変な目にあった事か…』
そのせいで周りからは嫌な目で見られ、厄介者扱いされ、彼氏にはフラれ散々な目に合ったパンドラだった。
『アレは事故だったのよ。本当はお菓子の詰め合わせをあげたつもりが違う壺を渡しちゃったのテヘペロ』
この状況でテヘペロで許される訳がなかった。
『お菓子の詰め合わせですって?この駄女神は絶対に開けるなって言ったのよ!』
『あれは芸人的なやつで、押すなよ的な〜』
まぁ、どちらにしてもそれを開けてしまったパンドラもパンドラなのである。
『とにかく、私は神を許せない!今ここで殺してやるんだから』
『それは聞き捨てならないな』
スタスタとアホのジャンヌがパンドラの前へとやってきた。
『空にお日様有る限り、神を侮辱する者は私が許さん!』
格好良く言ってるつもりだろうがこの時代に太陽は有りません。
「テッテレ〜!ジャンヌのアホレベルはまた1つ上がった。」
『神の味方は全て敵!オマエも私は許さない!』
パンドラはジャンヌの後ろから攻撃しようと腕を忍ばせた。
しかし、ジャンヌはその腕のナイフを払い除けた。
『貴様の攻撃など私には通用しない。』
いつにも増して強気のジャンヌだった。
『ここは私に任せて先に行ってくれ』
ジャンヌがそう告げると政宗達は中央の教会へと向かって走り始めた。
『行かせないよっ!』
そう言って空間転移しようとしたがジャンヌに抑えられてしまった。
『貴様の攻撃は通用しないと言ったろ?』
ジャンヌにより無事にその場から政宗達は離脱する事が出来たのだった。




