仲良し
ー エメラルドシティ ー
牙王を一人残し先へと進んだ政宗達は世界の中心エメラルドシティへと辿り着いた。
エメラルドシティは深い霧に包まれ、シティという割に人が全く見当たらなかった。
建物もボロボロで廃墟と化していた。
しばらく歩くとパカパカと馬の足音の様な音が近付いてきた。
霧の奥から馬に乗った人影が見えた。
『貴様等、ここに何しに来た』
馬に乗った人影はオーディンだった。
オーディンの質問に対して政宗達は顔を見合わせた。
『何しに来たって言われても…なぁ?』
『うん、特にこれといって用は無いのよね…』
そう、政宗達には明白な理由など無かったのだ。
『………』
この返答にはオーディンも戸惑っているようだ。
『貴方こそソルの部下なのにギリキンで何していたのよ』
『よくぞ聞いてくれた!ホントうちの主ときたら人使いが荒くてな…「潜入して内部から潰せ」とか言ってだな…。しかし主とギリキンからの両方から給料貰えるのは有り難いと思い…』
オーディンはものまねも交えて言った。
ソルからも給料を貰えるの!?と、政宗達は驚いた。それと、意外にもオーディンが饒舌な事にも驚いた。
『そうか、只元の時代に還りたいだけなのか…』
『そうなんだよ、その手掛かりが有るかもしれないと思ってここに来たってこと』
オーディンと会話に花を咲かせている政宗達。
『貴様等も色々と大変なのだな』
『いやいや、オーディンの旦那もなかなか』
『出来る事なら協力してやりたいのだが仕事は仕事だ。ここで貴様等を倒さねばならぬ。すまないな』
政宗達はオーディンに対して戦う意欲は無かった…一人を除いて。
『俺は最初から戦うつもりだったゼ!!』
いつの間にかトトはウルフ化もといフェンリル化していたのだった。
『いやいや、俺達はアンタとは戦いたくはないんだ』
『しかし、ヤツはそうじゃないみたいだ』
『トトの困ったチャン』
ジャンヌがポツリと言った。
『他の誰でもなくお前にだけは言われたくないと思うぞ』
武器を忘れた事を蒸し返され何も言えなくなるジャンヌだった。
『じゃあ、俺達は先に行くけど良いかな?』
オーディンに一応聞いてみた。
『ま、大目に見てやる。頑張れよ』
『ありがとう。旦那こそ頑張れよ!じゃあな』
トトではなく何故か敵であるはずのオーディンを応援して政宗達は先へと進んだのだった。




