フェンリル
オーディンのグングニルにより身体を貫かれたトト。
生死を彷徨った末、進化を遂げた。
その姿からは神々しい輝きを放っていた。
『トト…貴方まさか!』
トトの姿はかつてオーディンを喰らったという【フェンリル】に瓜二つだった。
その事にドロシーはおどろいた。
『グルルルル……』
今のトトに意識は無く、本能だけで動いていた。
いわゆる、【暴走】。
トトはオーディンに向かって爪で引っ掻く様に腕を振るうと、ジャンヌの斬撃と同じ様にトトの爪から斬撃が放たれた。
そのスピードはジャンヌのそれよりも遥かに速かった。
オーディンはそれを交わした。
確かに交わした筈のオーディンの腕からは血が流れていた。
『貴様何をした?』
オーディンの問いも今のトトには聞こえない。
トトは爪で地面を丸く斬り突き刺すと、畳一条分くらいの地盤を持ち上げオーディン目掛けて投げた。
トトは地盤に跳び乗った。
地盤を投げ攻撃したのではなく足場に利用したのだった。
オーディンはトトに向けて雷を放ち直撃した。
『トトッ』
雷に撃たれたトトに向け政宗は叫んだ。
『ヴォォォーーーッッ』
トトは雄叫びを上げた。
オーディンはその隙を狙って再びグングニルを放った。
放たれたグングニルはトトに一直線に向かっていった。
トトはグングニルを掴んだ。
そしてグングニルをオーディンへと投げつけたのだった。
オーディンへと向かっていくグングニル。
オーディンに命中すると思われた時、一筋の光りがグングニルを撃ち落とした。
光は何処から放たれたのか、政宗達は辺りを見回した。
少し離れた所に何か人影のような物がそこには有った。
それは人の形をした機械だった。
その機械の手にはボロボロになったジャンヌを持っていた。
ジャンヌを放り投げると機械はトトの方へと向かって歩きだした。




