決闘の行末
牙王とロザンの闘いは始まった。
牙王の大剣を細い剣でいなして交わすロザン。
『お前の剣はお前と同じく真っ直ぐ過ぎる』
牙王の顔目掛けてロザンの剣先が飛び込んできた。ギリギリのところで交わす牙王。
両者は一歩も引かず攻防を繰り返した。
ガキィィィン
互いの剣が交差した。
『目を覚ませロザン!どんなに嘆こうと妹は帰って来ないんだぞ!』
『そんな事は百も承知!』
二人は後ろに跳びはね距離を取った。
『きっとお前は俺を倒しに来ると信じていた。』
『俺と闘う為だけに皆を苦しめたというのか!?』
『そうさ、要約この時が来たんだ!さぁ、楽しませろ』
『ロザンーーーッ』
そして再び跳び掛かった次の瞬間
牙王の剣がロザンの腹を突き刺した。
ロザンの口元は笑っていた。
『ロザン…お前わざと…!?』
ロザンの目から涙がこぼれ落ちた。
剣が刺さったままロザンは牙王を強く抱きしめた。
『妹が死んだ後…俺は孤独だった…。どんな形であろうと…お前に…側に居て欲しかった…』
ロザンは妹を失った時に牙王にただ居て欲しかったのだ。家族同然の友に支えて欲しかった。彼の願いはそれだけだった…。
牙王はショックを受けた。全ては自分が招いた事だった。
あの時逃げ出さなければ多くの者が死ぬこともなかった。
結局は自分の身勝手さ、自己満足で大勢に迷惑わ掛けてしまったのだと…。
『お前は…悪くない。自分を…責めるな…。ゴフッ』
ロザンの口から大量の血が溢れ出した。
『お前は優しいヤツだ…お前にこそ王の座は相応しい…』
震える手で牙王の顔に触れようとした。
その時、追い打ちを掛けるようにいくつもの氷の槍がロザンを突き刺した。
『ロザンッ!!』
ロザンは力果て牙王に触れる事無く息を引き取った。
『………貴様…何者だ!?』
『まったく、この役立たずが…。』
牙王が睨んだ先に立っていたのはマーリンだった。




